内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

RIDE AFRICATWIN 第3回アサマビバークミーティング【その2】

明けて日曜日。
今日も朝から、強烈な日差しが降り注ぐ快晴に恵まれました。
今回のお宿『とちぎや』から会場までは、およそ20分ほどの道程。
日刊アフリカツインメンバー8台で、しばしツーリングモードです。
この辺りは、自分が散々通ったモトクロスコース『軽井沢モーターパーク』があるところ。
昔懐かしいルートでコース横の道を通ると、まだパドックにトランポはまばら。今日はどうやらレースは無いようです。
 
『アサマレースウェイ』に着くと、昨日の倍以上のバイクが集まっています。
大半のアフリカゾウの群れに交じって、BMW GSKTM ADVなどのビッグオフも見受けられます。
3年目にしてCRF1000Lの台数がかなり増えているのはもちろんのこと、今年発売されたAdventure Sportsの多いこと。
RD03XRV650)に乗っていた方もそうでない方も、やはりあのカラーリングにはシビれる魅力があるのですね。
かくいう自分もその一人だったりします。(買い換えられませんけど)
 
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9時、実行委員会の春木さん、松井さんによる開会宣言が始まりました。
その直後、突然の“お呼び出し”に自分は耳を疑います。
「では、ここで“日刊アフリカツイン”を代表して、内田裕也さんに一言ご挨拶を…」
 
いや、リアルガチでそれ聞いてませんから。(>_<)
 
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どうりで、チカチカさん(ホンダのCRF開発者・今井さん)が自分と目を合わせてくれないわけです。
…最初から知ってたな、アレは。(-_-)#
 
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ざわつく中で何となく終わらせてしまいたい自分の思惑とは裏腹に、朝イチなだけに参加者一同静まり返って耳をすませているかのよう。
もうね、何をしゃべったのか全く覚えていないです。(汗)
ちなみに、『日刊アフリカツイン』の管理人は、自分ではなくあくまでも“竹内親分”ですからね。
 
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今回の主賓である’18 CRF1000LLPL(開発責任者)である、()本田技術研究所2R&Dセンター森田健二さんのご挨拶をいただいたところで、晴れてイベントスタートです。

まず自分は試乗会から。
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試乗車は最新の’18モデルCRF1000L Adventure Sports(以下AS)。
もちろん、サスストロークの長い、STDMTモデルです!
いやー、これずっと乗ってみたかったんですよね。
ローダウン車はともかく、STDサスは足つきがかなり厳しいので、街中とはいえディーラーも試乗車をなかなか用意してくれるものではありませんからね。
しかも、アサマのダートで試乗できるとなれば、文句などあろうはずナシ!
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さらにこのMTモデル、’18モデルからオプション設定された『クイックシフター』が装着されているじゃないですか!
スロットルが『スロットルバイワイヤ』(以下TBW)へと電子制御化された’18モデルならではの、魅力的なオプション。自分も大注目だったんですよね。
 
【※ここからの試乗記は、あくまでも自分なりの印象です。】
先導車に付いて、試乗コースへIN
一昨年以上にスピードの乗るコース設定になっているようで、緩やかに下りながら回り込むコーナーでもスロットルはそれなりに開けていけます。(気分だけ。自分が速いかどうかは別)
前後のサスストロークが標準車から20mm近く伸ばされた『AS』の乗り心地は抜群。
相対的にリバウンドストロークも増えているので、フロントタイヤの設置感が素晴らしく、路面からのインフォメーションが潤沢です。
大型化されたフューエルタンクの重量がフロントサスに掛かることで、適度に路面に押し付けられ、サンドのレールを跨ぐ際にもそれほど不安はありません。
ただし、グッとスピードの落ちるヘアピンでは、グラッとくる挙動がみられることも。
これはロングスクリーンとビッグタンクにより、少し自分の身体が後ろに残ってしまっている影響があるのかもしれません。
まあそれ以前に、こういうタイトターンがヘタなだけなんですけどね。
スロットルを開けていく際のリアの追従性も良好で、大きくリアタイヤを振り出すこともありません。
うーん、自分のバイクに、この前後サスだけ欲しいなぁ。
 
注目していた『クイックシフター』ですが、これも素晴らしい!
先日、このアサマのコースでBMW R1200GSのクイックシフターを体感する機会を得たんですが、それよりも作動荷重が軽くタッチに節度があるので、非常に好印象でした。
‘18モデル以降のオプションであることが悔やまれるほどの出来栄えに、ちょっと嫉妬しちゃいますね。
とはいえ、これが“正常進化”ってヤツですね。
きちんとアップデートしてくれたホンダさんに感謝です。
 
‘18モデル最大のトピックである電子制御スロットル『TBW』ですが、個人的にはあまり違和感を感じませんでした。
確かに、’16’17モデルのワイヤー引きスロットルでは、右手小指にほんの少しチカラを込めただけで「じわり」とエンジンが反応するのですが、’18モデルではそこまで繊細な反応は示しません。
それはTBWは完全な“無段階”ではないからですね。
しかし、極々低開度域はともかく、全体的にはよく調教されていると感じました。
開けた分だけパワーが取り出せるCRFの美点を、TBWでも上手に味付けされています。
これは、もとよりパワーを絞り出すエンジンではないこともあるのでしょう。
 
また『パワーモード』もいろいろと試してみましたが、今日のアサマでは『レベル1』でも安心して開けられるコンディション。
フルドライのサンドという、パワーを喰われる路面でしたので、モードは『TOUR』で入れっぱなし。
『トルクコントロール』は、個人的に『レベル1』がお気に入りの自分です。
エンジンブレーキコントロール』は…すみません、正直わかりませんでした。
これは今度、舗装路での試乗機会にあれこれ試してみたいと思います。
 
いずれにしても、TBWを採用することで、
これからも『CRF1000L』は進化を続けていくことが約束された
ということ。
これは『アフリカツインを愛する者』にとって、心から喜ぶべきことだと思っています。
 
15分の試乗を終えたら、今乗ったばかりのASの感覚を忘れないうちに自分の愛機でフリー走行へ。
やはり際立つのは、ASと違う“車体の軽さ”。
フロントを落ち着かせるために、少しばかり前傾姿勢をとることでバッチリ決まります。
やっぱりこの軽さとスリムさは魅力だなー、と改めて自分の“'16モデル”に惚れ直し。
特に、今回は中古とはいえ前後エンデューロタイヤに履き替えてきましたので、そりゃもう安心感と楽しさが段違いです!
 
同じタイミングでコースインした、“日刊”の“ワタール先生”が後ろからピッタリと追従。
普段はアグレッシブにRD03を駆るワタール先生ですが、先日そのアグレッシブな走りにフロントカウルステーが付いてこられずに破断。
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今回は軽量なMD30XR250)での参加となりました。(ズルイ)
自分が未熟であるが故に、常に煽られてしまうのは仕方のないところですが、次は後ろ向きにドラレコをつけて、後からクレームを入れたいと思います。(^o^)
 
3回目となる今回は、一か所の広場を中心にイベントが集約されており、非常に見やすいレイアウトになっていたのが印象的でした。
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この人だかりは、マグロ…ではなくCRF1000Lエンジン解体ショー』
DCTモデルのエンジンを、ホンダの開発陣の方々が目の前でさばいて…ではなくバラしていくというもの。
自分のバイクに載るエンジンを目の前でバラされていくシーンなど、なかなか見れたものではありません。
メカフェチ(失礼!)の“日刊”加藤さんに至っては、被り付きで写真撮りまくり。
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次々と脱がされて(?)いく様子に、ヨダレが止まらなかったに違いありません。(^_^);
 
また、広場を取り囲むように、協賛各社のブースがずらり勢揃い。
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ダートにおけるCRFのポテンシャルを一段引き上げるラインアップが魅力的でした。
 
さらには、パーツ・用品関係の出店も多数。
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CRFにとどまらず、このカテゴリにおけるパーツ・アパレルをリリースするとともに、ライダーの“冒険心”を後押ししてくれる心強い会社ばかりです。
 
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そして、広場に並べられたバイクは、『オーナーズバイクコンテスト』の出展車両がずらり。
今回のテーマは“冒険”。
それぞれオーナーの愛が存分に注がれたバイクからは、ツーリング・レースのカテゴリを問わず、確かなアドベンチャーテイストが感じられるものでした。
 
会場を徘徊している自分に、昨年稚内でご一緒して以来仲良くさせていただいているMotorada”の大和さんから、
「“B+COMスクール”受けてみませんか?」
とのお誘いをいただきました。
これは、今回出展ブースも構えている『サインハウス』の代名詞ともいえるインカムB+COMを使用したライディングレッスン。
自分のヘルメットに『B+COM』を取り付けてもらい、リアルタイムにレクチャーを受けながら、自分の走りにアドバイスをもらえるというものです。
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CRF開発者のチカチカさんや“アフリカツインであそ部”のコジー部長など、すでに手練れであるにも関わらず受講希望者が続々。
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インストラクターがビッグオフをはじめ、様々なオフロードカテゴリで活躍する“ストレンジモーターサイクル”の和泉拓さんとくれば、それも納得です。
使用するインカムは、同社の最新機種B+COM SB6X
これ、ビックリするほど性能が高い!
自分も他社のインターコムを使っていますが、それとは比べ物にならないほどのクリアな音質に驚きを隠せません。
また、走りながらのレクチャーにも関わらず、風切音などのノイズがほぼ皆無。
中の人いわく、「ノイズキャンセラーの効果です!」と胸を張っておられましたが、それも頷けるものです。
業界シェアNo.1の『B+COMシリーズ』、唯一の国産ブランドであり、その品質・多機能さゆえに価格が少々お高いのも事実。
しかし、改めてその性能を体感することで、その価格にも納得させられるものがありました。
今のインカムからの買い替えの際は、最有力候補ですね。
もちろん、その時まだ子供らがタンデムに付き合ってくれていれば、ですけど。(苦笑)
 
で、実際のスクールはというと、拓さんに
「タイトターンが苦手なので!」
というテーマでお願いしました。
最初は自分が前を。一度走りを見てもらった上で、拓さんが前に出てお手本を見せてくれます。
その間、逐一的確なアドバイスをくれるのですから、贅沢この上なし。
ちょっとだけ褒めてもらって調子にのりかけた自分ですが、アドバイスとしては
「コーナー進入からクリッピングまでは、きちんとフロントに荷重を載せて、とにかく丁寧にガマン」
「ライン取りはワイドに。路面をよく見て、フロントが暴れないラインをチョイス」
クリッピングを過ぎたら、スロットルオープン」
どれも基本といえば基本ですが、軽量なエンデューロバイクやトレールバイクと違って、ビッグオフはその重さゆえに誤魔化しが効かない、ということ。
すべての操作を丁寧に、きちんと路面の表情を読むこと、とアドバイスをいただきました。
ついつい“なんとなく”で乗ってしまっている自分には、耳の痛い話ですが、最後は自分なりにスムーズに走れたと思います。
タンデマーやマスツーリングにおける有用性は肌身に感じているインカムですが、こういう使い方もあるんですね。
それも、ノイズが少なく音がクリアに聞こえるB+COMだから、と言ったら褒めすぎでしょうか。
いずれにしても、とてもためになる15分でした。
(つづく)