今年は会場を“浅間園”に絞ったことで、会場のあちこちにコンテンツが盛り沢山。
メインステージを取り囲むように設営されたテントには、各社の出店ブースが大きな賑わいを見せていました。
ゲストの三橋淳さんがプロモーションを務める『ダートフリーク』さん。
アフリカツインのパーツはもちろん、アドベンチャーバイク向けのライディングウェアまで自社で開発しています。
ケミカルブランドの『PTT Lubricants』さん。
様々なモータースポーツカテゴリーにおいて活躍する、タイのオイルカンパニーです。
アフリカツインでも愛用者の多い『Vee Rubber』タイヤの輸入元である『木下電機』さん。
現地でのタイヤ交換サービスも大盛況だったみたいです。
店主自らもアフリカツイン乗りである『BONSAI MOTO』さん。
その痒い所に手が届くパーツセレクトは、あまりにも魅力的で危険です。
幅広いタイヤラインアップを揃える『METZELER』さん。
一度は聞いたことがあるでしょう“KAROOシリーズ”は、間違いなくツーリングライダーのリプレイス候補にリストアップされるのでは。
MX・エンデューロをはじめ、強靭なホイールリムに定評のある『エキセルリム』さん。
より戦闘力の高いタイヤを履くための“ナローサイズリム”も、コアなアフリカツインライダーには見逃せません。
ドイツのアドベンチャーバイクパーツの雄、『TOURATECH JAPAN』さん。
パニアケースからガード類はもちろん、ラリースーツに至るまで、ツーリング・アドベンチャーカテゴリで無いものは無いと言っても過言では無いでしょう。
どれも“アフリカツイン・ライフ”を充実させるためには欠かせないブランドばかり。
その場で購入出来たり、このイベント限定のスペシャルプライスが用意されたりと、ブースを訪れるライダーの目は一様に真剣だった…みたいです。(笑)
そして、メインステージ横のテントブースはホンダさん。
こちらでは、オーナーの自分でも把握しきれていない、SD10の「TFTディスプレイの操作解説コーナー」が。
何と言っても、このバイクの『取扱説明書』と言えば300ページオーバーのボリューム。
これを隅から隅まで把握するのは、ほぼ無理ですよね…。
ある程度は使いながら覚えていくにしても、「どこに何があるのか?」で悩む人も多いのではないでしょうか。
そこはさすがに“中の人”。根気よくイチから丁寧に教えてくれるに違いありません。
そして、マニア垂涎の『内部パーツ特別展示』!
今回のSD10はSD04からの排気量アップにも関わらず、“軽量化”されているという…。
中でもエンジン内部における軽量化への執念はすさまじく、このブースではその部品を実際に手に取って確認することができます。
サイレンサーの左に写っているのが、自分もビビった“クラッチハウジング”。こんなに重かったのね…。
スタッフの方が手に持っているのは、マグカップじゃありません。“シリンダースリーブ”です。
左がSD04用のスチール製、右がSD10用のアルミスリーブです。
これもビックリするほど軽い!
シリンダー内壁やシリンダーブロックに熱を伝えるための加工の違いなど、技術の粋が詰まっています。
ちなみに、SD10のフェイスをあしらったマスクがこれまた凝っていて、スタッフ各自の名前入り!
これ、その部分だけ汎用的なコピーに置き換えて、会場で売ってたら良かったのになぁ。
ちょっと派手なので、会社にしていくのはちょっと度胸がいりますけど。
さて、オフロードコースでは『Masters of AFRICATWIN』の決勝の準備が整っています。
コースレイアウターの松井さんらと共にコースを下見するのは、午前中の予選を勝ち上がった6名の“象使い”。
それぞれ恐らくは『フリー走行』において、決勝をシミュレートしながらあれこれラインを試したりしていたはず。
実際、決勝のコースは『フリー走行』と『試乗会』で使用されたセクションをミックスした設定となりました。
自分は『フリー走行』には参加していないのですが、『試乗会』のコースはサンドセクションが多く、特にコーナー部分はフカフカでした。
しかも、今回の決勝ではそれを“逆回り”で走るという設定。
実はこういう場合って、ワダチのでき方が真逆になるのでちょっと走り辛いんですよねー。
特にサンド路面では、コーナーへの進入区間がそれまでは加速区間として使われていたため掘れてフカフカになっており、思っていた以上に減速させられて失速しがち。
これがフロントヘビーなビッグオフだと、少なくとも自分は「あれっ?」ってなっちゃいそうな気がします。
決勝は試走無しでの、純粋にタイムアタックの一発勝負。
さて、それがどう出ますやら。
予選順位のリバースグリッドで順番にスタート。
ヒルクライムのアプローチでは、パワーを路面に叩きつけるかの如く、猛然とダッシュ。
さすがは100PS近いビッグオフのフル加速。
サスの追従が間に合わないほどに車体が暴れる瞬間もありますが、そこは『Masters』のファイナリスト。
スロットルを戻したりしない辺りはさすがの一言です。
こういうの、ビビリな自分は真似できないですなぁ。
ファイナリストは全員知り合いだったりするんですが、その圧巻のスピードで“大本命”と目されていたライダーが、先程の“試乗コース”のコーナーで失速してスタック。
リカバリーに時間を要してしまったことで、
最終的には予選トップだったライダーが見事に優勝を勝ち取りました。
昨年まではエントラントとして出ていたこともあり、他の人のアタックなんて見てる余裕はあまり無かったんですが、今年はたっぷりと堪能させていただきました。
うーん、自分のヘタさ加減は置いといて、ちょっとだけ走りたくなっちゃいますねー!
来年、皆さんも腕試しされてはいかがでしょう?
早い遅いはともかくとして、エントラントすべてがヒーローになれること間違いなしです。
全てのコンテンツが終了し、メインステージでは各イベントの表彰が始まりました。
昨年とは打って変わって、最後まで爽やかな青空に恵まれた『RIDE AFRICATWN』もそろそろフィナーレを迎えます。
“CRF”とか“XRV”とか、または“排気量”だとか。
それぞれの愛機にいくつか違いはあったとしても、今この瞬間、この場所にいるのは『アフリカツイン』という共通言語で繋がる仲間達であることに間違いはありません。
初期型の“RD03”と現行の“SD10”を比べてしまえば、パワーや乗り味にそれぞれ違いはあれど、やはりどこかに“らしさ”を見出すことが出来る…
それが『アフリカツイン』というバイクなんだと思います。
アドベンチャーな走りに耐えうるビッグオフロードバイクとして、最初のアフリカツインが産まれてから今年で32年。
33年目も変わることなく、この“約束の場所”において再び仲間達と集う日が来ることを確信しつつ、自分は今からそれが楽しみでなりません。
また来年、この“アサマ”の地でお会いしましょう。
最後になりましたが、このイベントを作ってくださった実行委員・事務局の皆さま。
また、自らが産み出したこのバイクを心から愛し、イベントを支えてくださったホンダ関係者の方々。
そして忘れてはならないのは、この状況下において、我々を温かく迎えてくださった長野原町の皆さまに対し、改めて厚く御礼申し上げます。
最高の二日間を、本当にどうもありがとうございました。
(おわり)