内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

CRM250R レストア日記 “シーズン2”【その9】シート交換

92モデルのCRMのシート高は、“885mm”。

市販トレールとしてはなかなかのシート高なわけですが、当時のトレールバイクはヤマハのセローを除いて“モトクロッサーレプリカ”的なホイールトラベルを有していたのでそれも止む無し。

それでいて聞いた話によると、ホンダでは

「シート高は900mm未満にすべし」

などと“社内基準”のようなものがあるんだとかで、シート形状をこのようにえぐることで高さを抑えていたりします。

 

しかし、この形状がどうにも気に入らない。

どうしても座る場所が一番低い一点になってしまうため、すぐにお尻が痛くなってしまうんですよね。

それを嫌って、巡航時は少し後ろの方に座ってみたりもするんですが、

この純正のシート表紙がまあよく滑る滑る。

ブレーキング一発で、一番低い場所にあっさりとお尻が滑って元どおり。

しかも、股関節に障害を抱える自分にとっては、ステップとの距離が近すぎるために股関節の曲がりが深くなってしまい、痛みが出やすいというデメリットも頻発。

以前から「なんとかしたいなー」と漠然と思っていたんですよね。

 

そんな中、なんとなしに“某オク”を徘徊していた時に見付けて、速攻落札!

CRM用の中古の加工済みハイシート”とか!あるんですねー、こんなもんが。

届いた商品の程度はまあこんな感じ。

でも、このガムテープのやっつけ感とかもはやどーでも良くて、ハイシート加工されたウレタンだけ使えれば十分と思っていたんですが、

シートベースまで同型用というミラクル。

以前より、ノーマルシートはきれいなまま温存しておきたいと考えていたんですよね。

この頃に流行った“蛍光色”のシートレザーは紫外線による褪色が激しいものですから。

 

なので、今回入手したハイシートを全面的に活かす方向で。

取り付けてみると、いい感じのシート形状になっているじゃないですか。

一気にやる気が起きますね。

新しいシートレザーに張り替えてしまえば、ルックスもイケてるはず!

早速作業開始です。

ヨレヨレのガムテープは剥がし、梱包用のPPテープで再養生。

今回入手した新しいシートレザーが防水処理されていないので、ウレタン保護も兼ねて現在ついているレザーはそのまま活かし、ウレタンが剥き出しになってしまっている部分をPPテープで保護する方向で。

久しぶりにエアタッカーの出番です。

こんな感じでどうですかね?

シートレザーの折りジワと素人仕事なので、表皮の多少の皺は気にしないことにします。

はい、こんな感じで。

ツートーンのレザーで純正っぽさを狙ってみましたが、黒一色のほうがカスタムっぽさが出て良かったかも…。

当然シート表皮はグリッパー素材一択。

シート形状と相まって、これでどの位置でも安定して着座可能です。

 

ハイシート化したことでシート高は恐らく900mmを超えたと思いますが、コントロールは遥かにやりやすくなったはず!

また多少距離を走っても、関節の曲がりが緩やかになったので痛みも出にくいと思われます。

 

今日はここで時間切れ。

次回、乗るのが楽しみですね。

CT125との日々【その11】ハンドルポジション考察

CT125のハンドルバーは、トップブリッジと別体のバークランプに取り付けられています。

クランプ下側のハンドルポストはラバーマウントになっており、路面からの振動を適度に抑えており、それはそれでヨシ。

 

今回はその“ハンドルポスト“についてです。

この部品、前後方向で非対称になっているんですよね。

つまり前後方向を180度入れ替えると、ハンドルバーの取り付け位置がトップブリッジに対して前後に移動させることができます。

オフロードバイクではハンドルポジションの調整用としてこの手法がよく取られており、コストの掛からないセッティングパーツとして非常にありがたかったりもします。

そしてCT125。このバイクにおいては様々な体格の人に対応するための“フィッティングパーツ”なのかもしれませんね。

いずれにしてもお手軽に変更できるのは良いことです。早速試してみましょう。

 

まず最初に緩めておくべきはココ。

ハンドルポストの固定ナット(14mm)です。

これはハンドルバーがポストの回り留めとして機能しているうちに緩めておいた方が良いですね。バーを外してポスト単体にしてしまった後では、ナットと一緒にポストも回ってしまいますので。ただしまだ外す必要はなく、まずは緩めておくだけです。

 

次にアッパークランプのボルト(6mmキャップ)を緩めて、クランプとハンドルバーを外します。

 

こんな感じで、ポストが前後非対称なのが分かります。

トップブリッジ下にあるポストの固定ナットはすでに緩めてありますので、ラバーマウントの抵抗はありますが手でポストを回すことができます。

片側だけ180度回転させてみるとこんな感じ。

ほぼ、“ハンドルバー1本分”前方にオフセットされるのが分かりますね。

両側とも回転させたら、元のようにハンドルバーとアッパークランプを締め戻して完成です。

 

“ハンドルバー1本分”って、写真で見てもあまり差が分かりにくいかもしれませんが…。

【変更前】(ノーマル)

【変更後】

【変更前】

【変更後】

【変更後】はフロントフォークの延長線上にハンドルバーが移動しているのがお分かりいただけるでしょうか。(わかんねー)

 

で、早速乗ってみましょう。

まず一発でグリップ位置が遠くなったことが分かります。

そのため、今までよりも肘の曲がりが緩くなり、腕を伸ばして乗っている形ですね。

これが通常のバイクであれば多少の前傾を伴うのでしょうが、CT125の場合、シートとステップの位置関係から身体自体はあまり前傾せずに“腕だけが伸びている”ようなライディングポジションを強いられます。

これ、とても腕が重く感じられるんですね。

身体が前傾できれば、腕の中に抱えている“大きなボール”の大きさを変えることなくスポーティーなフォームを取ることで補正することができるのですが、CTに関してはそれが自分にはとてもやりづらい。

結果として、ハンドルバーに力が入れづらくなってしまい、フロントタイヤに加重できなくなってしまいました。

そのため、フロントがとても遠回りしている印象があり、単にタイヤのグリップ頼みで走っているだけ。これってあんまり“楽しくない”し“危険”だったりします。

 

さらに自分のCTは、ハンドルバーをZETAの『スペシャライズドハンドルバー』に変更しており、ノーマルよりもバーの絞りが浅くより幅の広いものになっています。

そのためノーマルに比べると少々グリップ位置が遠くなっており、それが今回ポストの前後を入れ替えたことで、より遠く感じられたのかもしれません。

それだけスペシャライズドハンドルバー』の設定が絶妙であるとも言えますね。

 

どうにも気持ち悪かったので、ポストの位置をノーマルに戻して再試乗。

「ああ、これだよこれ」

やはり絶大な安心感を取り戻すことができました。

 

自分がCTに一番求めているのは

“全てが手の内にある感”

なのですよね。

直立したライディングポジションに、自然と手を伸ばしたところにあるグリップ位置。

その状態でハンドルバーやステップへの加重も思いのまま、というのがCTの利点だと思っています。

(贅沢言えばシートはもう少し上げて、膝の曲がりを緩やかにしたいけれど)

 

今回、試してみたことで、改めてノーマルの狙いの確かさに改めて感心させられた次第です。

いやぁ、バイクってやっぱり楽しいですね!

二度目のタイヤ交換

最近は“レストア”やら“カブ”やらに構いっぱなしで、あまり出番のなかった“アフリカツイン”…。

大丈夫、ちゃんとありますよ。w

 

現在走行17,000kmを超えたところで、そろそろタイヤが怪しくなってきました。

ツーリング専用機みたいなものですから、どうしてもセンター部分だけ減ってしまうんですよね。今回、ラウンド部分へ繋がるところにエッジができてしまっていたので、さすがに交換時期かと。

今履いているタイヤは、友人から8部山程度のタイヤを譲ってもらったものでした。

今回はちゃんとフレッシュを用意しましたよ。(半年以上前に…)

ということで、早速交換です。

こういう時にやっぱりセンタースタンドって便利ですよね。

このバイクはチューブレスタイヤを使用しているので、ムースチェンジャーで一気にビードブレーク。

片側をめくり上げたらタイヤをひっくり返して、チェンジャーでそのまま下へ追い落とします。

チューブタイヤと違ってこれが使えるのは超ラク

外したタイヤはこんな感じ。

まだショルダーが使えるじゃん!という人はさすがにいない…はず。

 

で、今回のフレッシュタイヤはSHINKOのE705にしました。

価格の安さもありますが、雨の日でも安心して乗れそうなブロックパターンが決め手です。

またコロナ禍の影響もあるのか、入手できるタイヤが限られていたり価格が爆上がりしていたり…まだまだ余波は大きいですね。

ちなみにこのタイヤ、前後共用だったりします。

でも、21インチのリアタイヤなんて聞いたことないんですけど。

 

早速組んでいきましょう。

まずはビードクリームを念入りに塗り塗り。

チューブレスホイールですから、タイヤビードとの密着度は特に重要。もちろん、ビード部の異物などもってのほかですから、組みつけ前にホイール側もきれいに掃除しておきます。

そういえばこのタイヤにはちゃんと“軽点マーク”がありました。

以前履いたSHINKOのE804/805には表示がなかったような…やっぱりこれがあると装着位置の目安としても助かります。

【2023/10/8 13:05追記】

どうやら“赤い丸”は軽点マークではなく、“ユニフォミティマーク”といって「タイヤの縦方向で一番硬いところ」を示すマークらしい。
SHINKOが同じ意味合いでこのマークを使っているかどうかはわかりませんが、国産メーカーでは総じてその意味合いらしいです。

当方の不勉強で失礼しました。

コンプレッサーで一気にビードアップ。

とことんラクするスタイルです。スミマセン…。

で、仕上げにホイールバランスを取っておきます。

高速走行を多用するアフリカツインですので、特にフロントホイールのバランス取りは重要と考えます。

何度かホイールを軽く回転させて、一番重いところを特定します。

その反対側にバランスウェイトを装着。まずは軽いものからいきましょう。

その位置でバランスが取れたら、90度回転させたところで再度試してみたり。試行錯誤は続きます。

 

結局何度か試して、約12.5gでヨシとします。

ブロックパターンというほどヤル気なものではありませんが、アドベンチャーバイクとして十分にふさわしいルックスにウットリ。

この日は暑かったので、ちゃんと水分補給も忘れずに。

リアのホイールダンパーが経年劣化でバラバラになって出てきましたよ。

純正部品の“6Pチーズ”(笑)。

うむ、これでヨシ。

 

ついでに車検の時にも指摘のあった、リアブレーキパッドの残量もチェック。

 

さすがに交換しておきましょう。

それにしても“デイトナの赤パッド”なんて、ヤル気満々みたいでウケる。

リアタイヤイカつさもほどほどで良い感じです。

これで完成です。

試奏してみましたが、さすがに引っ掛かりもなくきれいにリーンしていきます。(当たり前)

下り坂で両手離しもしてみましたが、ハンドルに一切振れも出ずちょっとニンマリ。こだわってバランス取りに何度もトライした甲斐があったというものです。

 

作業自体は少し前の話ではありますが、これで安心して再来週のイベントに臨めるというもの。

やっぱり足元がフレッシュになるととても気分が良いものですね。

CRM250R レストア日記 “シーズン2”【その8】続オカルトチューン

先日の排気バルブカバーに取り付けた、スムースドライブシステムのボルトはあくまでも序の口。

「ちゃんと調べてみたいから、一度持ってきて」

ということで、NGC-JAPAN 小林氏の工房に行ってきました。

こうやってCRMに触れるのは初めてのようで、自身の持つKDX250SRとの違いに興味津々。

 


先日、すでに“シリンダー側”となる排気バルブカバーには『スムースドライブ』ボルトを取り付けています。

これだけでも違いは歴然でしたが、今回の目的は“全部盛り”

 

まずは“シリンダーヘッド側”の取り付け位置を探ります。

先日取り付けた“シリンダー側”とは役割が異なるため、“シリンダーヘッド側”への取り付けは効果が期待できるのだとか。

さて、CRMのシリンダーヘッドにはサーモスタットカバーが付いているのですが、シリンダーのスタッドボルトを兼ねているため、一本だけ材質置換をするのはちょっと気が引けるとのこと。

結論としては、ラジエターからのホースバンドを使用します。

『スムースドライブ』ボルトのついたバンドに入れ替えて

これでヨシ。

 

お次は“前後の足回り”

フロントはインナーチューブ下端に、『スムースドライブ』ボルト付バンドを取り付けます。

バンドを巻き付ける際にテンションが強めなので、先端を少し内側に曲げておくことで取り付けやすくなります。

左のフロントフォークはキャリパーステーがあるため、まず外側にあるフォークカバーの取り付けボルトを一旦外し、

少し拡げることでバンドを下端に固定します。

収まり具合もこのようにスッキリと。

 

リア側は構造上ショックユニットのボトムマウントへの取り付けが不可能なので、スイングアームのチェーンガードの取り付けボルトを『スムースドライブ』ボルトに入れ替えます。

 

最後に“キャブレター部”です。

キャブボディの前後にあるインシュレーターバンドのボルトを交換します。

標準状態でのボルト固定位置は、前後ともインシュレーターバンドの下側にあるため、

軽く緩めて、作業しやすい位置までバンドを回転させます。

これは、奥側にある正方形のナットがバンド本体に溶接されておらず、ボルトを外した際にバンドのテンションで飛んでしまわないように指で押さえておく必要があるからです。

『スムースドライブ』ボルトに入れ替えたら、元の固定位置に戻しておきます。

エアボックス側はインシュレーター下にクリアランスがあるので比較的簡単なのですが、エンジン側はスペースがあまりないため、ナットの紛失を避ける意味で念のためウェスを敷いて作業しました。

また、キャブヒーターのホースクランプも開放して、作業スペースを確保します。

ここでも少しバンドを手前側に回転させることで、ナットを指で押さえた状態でボルトを取り外しています。

スムースドライブボルトを取り付けてから、元の固定位置に戻してから本締めしました。

これで前後ともに交換完了です。

 

最後に前後ホイール”『タイヤバルブ用放電ナット』を取り付けて完成です。

 

“全部盛り”にしたところで、いよいよ実走です。

エンジンを掛けたところで、小林氏も笑っちゃうほどにエンジンノイズが低減されているのが分かります。以前、“排気バルブカバー”のボルトを交換した際にもその現象は確認できていましたが、流石に“全部盛り”は一段違います。

スロットルを空吹かししただけでも、スムーズな吹け上がりと振動が抑制されていることが確認できます。

以前にも書いたように、このバイクは元々硬質な振動が強く感じられたんですが、ここまで変貌するとは思いませんでした。

 

ローギアに入れて走り出した時、まず感じられたのは明確な力強さ。

低開度域でのスムーズな行儀良さはありつつ、そこから少し開けていった時の分厚いトルク感は取り付け前には無かったもの。

思わず

「速っ!」

と言葉が出てしまったほどです。

 

それにしても、開度1/8程度あたりのパーシャルでのクルージングの気持ち良さと言ったら。

市販トレールバイクとはいえ、これは2st.250cc。

ここまでの低開度におけるパーシャルだと、燃焼に引っ掛かりやしゃくりなどはどうしてもあるものだと思っていました。それがほぼ抑えられているんですよね。

まるでKTMやHusqvarnaの“TPI”のような、燃料噴射システムを採用しているバイクのようです。アナログ制御のキャブでここまで見事に調教されたフィーリングがなぜ感じられるのか、本当に不思議としか言いようがありません。

 

そして、スロットルオフにおける空走距離の長さは驚きを通り越して要注意のレベル。

元々NGC-JAPANの“アーシングヘルパー”や“スムースドライブシステム”を取り付けると、エンジンブレーキが穏やかになる感は以前より感じられていたものです。

しかし、今回は4st.車において体感できたレベルではありません。

確かに元々2st.車におけるエンジンブレーキの効きはあまり強くありませんが、今回のはちょっとレベルの違う空走感です。

まるでドライブチェーンをノンシールタイプに交換して、チェーンの張りを緩めにしたかのような。誤解を恐れずに言えば、“2st.125ccのモトクロッサー ”かと勘違いするほどに、エンブレの効きが感じられません。

うまく使えば高燃費に直結するかと思いますが、最初のうちは前走車との車間を意識して空けておいた方が良いかもしれません。そのくらいの変貌っぷりということです。

 

また、走行中常に感じられたのは、「随分とヒラヒラした乗り心地だな」ということ。

恐らくこれが前後足回りに取り付けた『スムースドライブシステム』の効果なのでしょう。

それでいて、段差を踏んだときの衝撃はきちんといなして吸収してくれている。

まるで「軽量ホイールに交換して、バネ下重量が軽くなった」かのようなフィーリングです。

これはモタードタイプの車両であれば、ワインディングなどでさぞや痛快な切り返しが味わえることでしょう。

ただ、今回のCRMのようにオフロードに向けたブロックタイヤを履いている場合、これが「接地感を得にくくなった」という印象をもたれる方もおられるかもしれません。

実際に走っていてフロントがすっぽ抜ける感じは皆無なのですが、あまりの軽快なハンドリングに人によってはそう感じてしまうこともあるかもしれない、ということ。

つまりは、そのくらいフィーリングが変わる、ということです。

 

今回“全部盛り”にしたことで、いろいろな意味で大きい変化を感じることができました。

一気にこれと同じ構成にすると、それなりにコストはかかるかもしれません。とはいえ、一つ一つの部品は“ボルト”、“ナット”、“バンド”ですので、価格は推して知るべしです。

そしてこれらの利点は、「半永久的に効果が得られること」

また、「様々な車種に使い回すことができる」のも、これらの部品の楽しみ方と言えます。

取り付けることによる“デメリット”というのは正直ありませんが、自分の求めるフィーリングと違ったのであればその部品だけ外せば良いのです。

 

しかしながら、結果的に我が家のバイクには、NGC-JAPANの何らかのパーツが取り付けられているという事実。

それは単に自分が

「面白い!」

と感じることができたからに他なりません。

形状も含めて、確かに

「“オカルトパーツ”感は否めない(笑)」

のですが、実際に付けてみるとなかなかどうしてバカにしたもんじゃない、と言い切ることができるくらいに自分は気に入っています。

 

もし興味がおありでしたら、まずは一度試してみてはいかがでしょう?

自分のバイクについているものでしたら、お貸しすることもできますので!

CT125との日々【その10】ハンドガード取付

ウチのCT125は3月中旬に納車していたんですが、唯一納車以前に注文していたパーツがようやく入荷。

先日引き取ってきました。

それがこれ。

Barkbusters(バークバスター)の『ハンドガード』です。

オーストラリアのパーツメーカーで、それこそ自分がバイクに乗り始めた35年くらい前から強靭なガード類を製造していたメーカーですね。

最初は知人からの紹介でCRF1000L AFRICATWIN専用の適合モデルがラインアップされたと聞いて使い始めたんですが、これが車種専用設計のマウント部品と相まって取り付けのスマートさに感動。

そして、立ちゴケ程度ではびくともしない評判通りの作りにすっかりファンになってしまい、

現在の愛機『CRF1100L AFRICATWIN』乗り換えの際には専用品を購入して愛用している次第です。(ちゃんと定価で買ってますからね)

 

そもそもCT125に何故Barkbustersを選んだのかというと、

このバイクの製造国であるタイに『CubHOUSE』なるショップがあります。

このお店、どうやらタイホンダOfficialというか直営というか自分もなんと表現すれば良いのかわからないんですが、例えるなら

“カブ系エンジン専門のDream店”

とでも言えば良いのでしょうか。

で、そのお店はバイクの販売だけでなく、アパレルやアクセサリーも多数取り揃えてまして、

CT125の車種ページにおいてメーカー推奨品みたいな感じでBarkbustersが販売されているのを見つけたからなんですよね。

メーカー自身が推しているのであれば、取り付けにおいても相性は良いだろう、と推察した次第です。

 

さて、こちらのハンドガードにはいくつかラインアップがありまして、

今回はVPS-MX』というオープンガードのタイプを選びました。

これがまさに『Cub HOUSE』で“推しパーツ”として販売されているそのものです。

前述のCRF1100Lに装着しているのもスポイラー(黄色いプラスチックの部分)は同じVPSを使用していますが、あちらはクローズドタイプのハンドガード。

今回自分がCT125にチョイスしたのは、オープンガードのMXタイプです。

以前乗っていたクロスカブ110ではクローズドタイプのハンドガードを装着していたんですが、これが結構ハンドル部の横幅をとってしまっており、駐輪場などでは少々邪魔になるケースもあったりして。

そのため、今回は幅を抑制するためにオープンタイプにしたわけです。

ただ、オープンタイプも各社で出ていますが、Barkbustersを選んだもう一つの理由として

このアルミ製のガードステーが挙げられます。

オフロードバイクでレースにおいて使用する際には、ある程度柔軟性のあるステーの方が転倒耐性が高いんですが、公道においては風圧などでガードがゆらゆら動いてしまうとハンドルに影響が出てしまう可能性があるのでそれは避けたかったんですよね。

またステーに強度があれば、ハンドルカバーを併用する場合においてガード自体が構造体になるので、よりしっかりと取り付けができるのでは、と考えた次第です。

 

さて、早速取り付けましょうか。

商品内容はこのとおり。

組み立てはそれほど難しくはないのですが、ボルト・ワッシャー・ナット類の細かい部品が多く、リーディンググラス必携です。(苦笑)

まずはステーにスポイラーのブラケットを組みつけ、この状態でハンドルバーにあてがって位置決めをします。

というのも、このブラケットへのスポイラー取付位置が二箇所選べるため。

左:内側、右:外側

今回は全幅を抑えたいので、内側の取付位置を使用します。

ここのナットが7mmとか…ソケット、持ってて良かった。

このVPSのスポイラーをクローズドタイプに使用する時にはバンパーの部品が付く穴を、こっそり隠す化粧パーツが付いているなんて、なかなか憎らしい配慮がなされてますね。やるぅ。

で、組み立て完了。

ハンドルバーに取り付けるとこんな感じです。

さらに、スポイラー内側にある取付穴には

『ウィンドディフレクター』という追加のフラップが取り付けられます。(これは別売品)

穴の数で想像の通り、上下二箇所取付位置が選べるようになってますが、

これもAFRICATWIN同様、ガード効果を得るため上側を選択しました。

 

一点だけ取り付け時における注意点としては、

二本のスロットルケーブルが右側のガードに触れることが避けられないので、装着状態でスロットル操作に影響がないかをしっかり確認することが大事です。

特にスロットルを戻した時に、何の引っ掛かりもなくスムーズに全閉に戻るかどうかをしっかり確認しましょう。

 

これで装着完了です。

やはりアルミのステーの強度はなかなかのもので、スポイラー部を揺すってもほとんどブレません。さすがです。

 

試乗してみましたが、正直カブのスピードでは手に当たる風の違いとかほとんど分かりません。

しかし副次的な効果ではありますが、金属ステーに加えてディフレクターなどを追加していることもあり、ガード自体はそれなりの重さになっているようで、

・グリップに感じる振動の低減

・ステアリングスピードの減少

が感じられました。

前者は“ハンドルバーウェイト”を増量したのと同じ効果が得られていると思われ、また後者は支点となるステムシャフトから遠い位置に重量物が追加されたことによるものと考えられます。

自分のCT125はノーマルより幅広のZETAのハンドルバーと、グリップ径の太いENDURANCEのグリップヒーターを付けているため、このステアリングスピードの減少によりおおらかでゆったりとした、誤解を恐れずに言えばどことなく“アメリカン”な乗り味を感じられるように。

自分にとってこれは決して悪いものではなく、よりツーリング適性が高まったものと好印象を得る結果となりました。

 

実際の自分の使い方ですとほぼほぼドレスアップ要素の強いパーツですが、こだわってBarkbustersを選んだことに間違いはなかったと実感している次第です。

 

#Barkbusters

#バークバスター

#ハンドガード

#リベルタ

『パフォーマンスダンパー』ってどうなの?

先日、友人から預かった“あるパーツ”。

以前から気になってはいたものの、ちょっとお高めなので導入は考えていなかったんです。

それに、

「レース車につけて、自分に違いがわかるのか?」

というのもあったりして…。

でもこのパーツ、最初に『セロー250』用とかで発売された時、結構話題になっていたもの。

そこにこのタイミングで、

「ちょっとつけてみて。しばらく預けておくから」

などと言われたら断る理由はありません。

 

それがこれ。

ヤマハ『パフォーマンスダンパー』です。

メーカーによると、

車体に発生する振動、変形を効果的に減衰させる車体制振ダンパー

とのことですが、振動はともかく「車体に発生する変形」なんて自分ごときに分かるのか?ってハナシですよ。

いやね、“縦剛性”とか“ねじれ剛性”とかって言葉があるくらいですから、フレームだってたわんだりヨレたりするんだって事くらいは知ってますよ。

でも、「それを自分が体感できるのか?」ってのは別問題ですから。

とはいえ、理屈はともかくプロのインプレによると

・振動の低減

・タイヤの接地感が向上

により、結果的に「乗り心地が良くなる」ということらしい。

 

でも、公道市販車のセローならともかく、YZはレーサー。

そんなバイクに“乗り心地”言われてもなー、と半信半疑。

何はともあれ、試してみようじゃないですか。

 

内容はこんな感じ。

これが『パフォーマンスダンパー』です。

まさに“ダンパー然”とした佇まいですね。

 

早速取り付けましょう。

まず下準備として、ダンパーボディのダストカバーがロッドの動きに伴いズレてしまわないように、半周分接着剤で固定しておきます。

ここからは取付作業。まずダンパーボディ装着位置に干渉するエキゾーストジョイントを緩めて

約90度エンジン側へ回転させます。

すでにエキゾースト側にはジョイントのツメが回転時に収まる切り欠きが設けられています。

さすがの純正オプションですね。

この時、ジョイントがエンジンに接触していないことを確認しておきます。

次にフロント側のダンパーステーを装着するため、左ラジエターのロアマウントボルトを外します。

付属のボルトにネジロックを塗布して

ダンパーステーを固定します。

この時、ステーの突起部分がメインフレームに突き当たっていることが重要です。

リア側のダンパーステーは、後部エンジンマウントを使用します。

取説によるとネジロック指定はナシ。きちんとトルク管理をして付属のボルトでステーを共締めします。

前後のステーの装着位置はこうなります。

 

そして最後にダンパーボディを取り付けます。

付属のボルトにネジロック剤を塗布し

フロント側はカラーとスペーサー、リア側はカラーを挟んで固定します。

こちらもきっちりトルク管理します。

これで出来上がりです!

 

ちなみに自分の車両は'22モデルなんですが、前モデルの'15-19モデルにも一部取付方法が変わりますが装着可能です。

各年式に対応する交換ボルト類ももれなく付属しています。

これは自分の'22モデルでは使用しなかったボルトですね。

 

で、早速走ってきました。

ここは福島県『モトスポーツランドしき』というMXコース。

左側にあるプレハブの建物が休憩所となっており、なんとエアコン完備という素晴らしさ!

個人的には

「暑い時期の練習はここ一択!」

と断言してもいいくらいです。(ちょっと遠いんですが、余裕の日帰りコースです)

まずはダンパーボディのみを外した状態で走行。

この日は朝から快晴だったんですが、前日までの雨の影響でコースは一部マディ。

ここは基本的にサンド路面で、水を含んだ箇所は重くなるためいきなり失速することも。

また表面はフラットに見えて、一皮剥けるといきなりフロントを持っていかれることもあるので最初は結構ドキドキでした。

コースレイアウトが大きく変わってから初めて来たんですが、大体のレイアウトは覚えているのでそれほど違和感はありません。

アップダウンの大きい、東北エリアによくみられるダイナミックなコースです。

30分くらい走ってコースに習熟してから、いよいよ『パフォーマンスダンパー』を装着。

何周か走ってみましたが、まず最初に感じたのは明確な“違和感”でした。

「バイクが重い。さっきのように思い通りに気持ちよく走れない…」

同じラインで周回しているのに、なんとなくタイミングが合いません。

特にS字の切り返しで、なんかワンテンポ遅れる感じ。

また、全体的に車体の挙動がまったりした感じになり、例えるならサスペンションのセットをSOFT側にアジャストしたようなフィーリングなのです。

 

このコースはアップダウンが大きく、そこそこスピードも乗せられます。

また、サンド路面でパワーを喰われるので、サスセットも少しHARDに振り、尚且つECUも一番パワーの出るFI MAPに。

これはいつも自分が“しどき”を走るときのベースセットです。

 

どうにも車体が重くなってしまったかのような印象に、

「違いは体感できたけど、そもそもこれって“こんなもの”なの?」

と違和感を通り越してもはや“不信感”を抱いてしまいそうな自分。

一瞬、外してしまおうかとさえ思ったのも事実です。

 

昼飯を食べて、気を取り直して午後の走行に。

コースコンディションはさらに回復し、走行ラインが硬く締まってきました。

すると午前中とは印象が異なってきました。

・回り込むようなコーナーで、車体がさっきよりもイン側に向く

・ブレーキングギャップに車体を傾けた状態で進入しても、リアホイールが左右に暴れない

などなど。

未装着時と比較して、確かに安定感の高さを感じることができました。

この表現が正しいかどうかわかりませんが、

「前後のタイヤがどこにいるか分かる」

というポジティブなフィーリングです。

最初に述べたプロのインプレにあった「タイヤの接地感向上」というのはこういう事か、と少し分かった気がしました。

 

この“しどき”にはミニコースもあり、午後には友人の練習に付き合う形で何周も走りました。

こちらのコースはメインコースに比べてよりフラットでワダチなどもなく、バンクがついているコーナーも多いため、スムーズなライン取りの練習ができます。

友人を先導しているのでスロットル開度は控えめではありましたが、

・コーナー立ち上がりのギャップで左右に振られない

・フロントタイヤが逃げてしまうのではという不安を感じない

などなど。

この印象はシッティングでもスタンディングでも、また片手で周回していても変わらぬ安心感・安定感を得ることができました。

 

改めて考察すると、装着してからの乗り初めに感じた違和感は、

・タイヤの接地感向上に伴い、インフォメーションが多くなりすぎたのではないか

・水を含んだ重たいサンドの路面において、接地感の良さがかえって抵抗を産んでしまっていたのではないか

リアタイヤのグリップ向上により、逆に路面にパワーを喰われてしまっていたのではないか

ということかな、と。

つまりはあの時の路面状況において、“パフォーマンスダンパーのメリットが裏目に出た”のでは、と推察した次第です。

確かにプロのインプレにも

「オプションパーツだからデメリットが無いとは言えない」

という言葉もありました。

 

自分の結論として、つまりこれは“セッティングパーツ”である、ということ。

ハイスピードなモトクロス的セクションでは、安定性とトレードオフで軽快感が失われたと感じられることもある、ということです。

その代わり、例えばガレ場のように荒れた路面や様々に路面状況が変化するようなシチュエーションにおいては、ライダーを疲れさせないような“お助けパーツ”になってくれるのかも知れません。

いずれにしても今日このコースで、メリットだけでなくデメリットの部分も“体感”できたのは大きな収穫だったと言えるでしょう。

 

次はこのパーツのメリットを享受できるであろう場所で試してみたいと思います。

なかなかに興味深いパーツですので、今しばらくお借りして楽しませていただきます!

CT125との日々【その9】バックプレッシャーバルブ装着

「そういえば、使ってないヤツがあったっけな」

ふと思い出して、部品箱を漁ってみるとやはりありました。

『バックプレッシャーバルブ』です。

これ、最初はレース車で使用したんですが、非常にフィーリングが良かったのでその後も愛用しているパーツだったり。

モノは“ワンウェイバルブ”でして、一般的にはエンジンからエアボックスに繋がるブリーザーホースの途中に割り込ませることで、エンジン内の圧力を適正化させるバルブです。

ブリーザーホースを通ってエアボックスに送られるブローバイガスは排出しつつ、外気を吸入しないようにしてエンジンを密封することにより、結果的にエンジンの内圧を下げます。

その効果として、

・エンジン回転のスムーズな上昇下降

・過大なエンジンブレーキの抑制

・燃費の向上

などが挙げられます。

その効能から“内圧コントロールバルブ”とも呼ばれるこのバルブ、自分は主にKTMの車両に純正採用されているものを流用しています。

この画像のものも元はKTMパーツなんですが、以前他のバイクに組み付けるために『MONDO MOTO』さんにお願いして差し込み部の口径を細く加工してもらったもの。

これならカブ程度の排気量のブローバイホースの太さに合うのでは。と考えた次第です。

 

左側のフレームカバー、サイドカバーを外すと、エアボックスに繋がるホースが一本現れます。

これが“ブローバイホース”です。

試しにエアボックス側のホース差し込みを抜き、バルブをあてがってみると

なんとか口径は合いそうですね。

となれば早速取り付けましょう。

まず、これは“ワンウェイバルブ”ですので、“絶対に”差し込み方向を間違ってはいけません。

間違えた場合、最悪はエンジンが壊れます。エンジンブロー、オイル漏れなどの危険があります)

なので、組み付け前に向きを確認し、自分はこのようにバルブに書き込んでいます。

確認方法はバルブの差込部を口に咥えて息を吹き込むだけ。

息が通れば、咥えている方が“エンジン側”となります。

この時、唾液などがバルブ内に混入しないように注意しましょう。余計な手間が増えます。(笑)

 

次にブローバイホースを二つにカットします。

この時、バルブがどの位置に来ると他の部品に干渉しないか、を何となくイメージしておいた方が良いですね。

 

最後にカットしたホースの間にバルブを差し込みます。

一応抜け留めとして、クランプやワイヤリングなどを施しておいた方が安心ですね。

 

早速試乗してみましたが、スロットルオープン時の回転上昇が明らかに鋭さを増しています。

そしていつものように下り坂でスロットルオフにしたときにも、今までと比べてエンジンブレーキの効きが弱まっているのが分かります。

この点は好みもあると思います。

例えば、前走車との車間を詰め気味で走っている場合、明確にエンブレが効かなくなりますので衝突しないように注意が必要になるかもしれません。

 

そして、このパーツは基本的にパワーやトルクが向上するわけではありません。

エンジン内のフリクション低減により、結果としてエンジンに伸び感が出ることに繋がりますが、常用域においてはあくまでもフィーリングの変化という意味合いが大きいです。

それでも、スロットル操作に対してリニアリティが増すことは間違いなく、個人的には乗って楽しいエンジンになっていると思っています。

 

ただし注意点が一つあります。

“ブリーザーホース”を流れるブローバイガスは未燃焼ガスですので、微量の油分を含んでいます。

そのため、内部のバルブ機構に油分が付着することで動きが悪くなってしまい、最悪の場合はブローバイガスの放出を妨げてしまう可能性もあります。

なので、このバルブは定期的な分解・清掃が求められますので、その点注意が必要です。

ですが、多少の手間を含むとはいえ、自分にとって乗って楽しいのは間違い無いので装着して良かったと思っています。

 

走行距離も2,000kmを超えたので、三度目のオイル・フィルター交換を済ませました。

ここからは

・エンジンオイル:2,000km毎交換

・オイルフィルター:4,000km毎交換(ただし、2,000km毎にチェック・清掃実施)

のインターバルで維持管理していきます。

 

ほぼ毎日乗っていますが、今のところ絶好調。

梅雨時ということもあり雨での出番も多かったので、今度しっかりスポークまで洗ってあげなくちゃですね。