CT125のハンドルバーは、トップブリッジと別体のバークランプに取り付けられています。
クランプ下側のハンドルポストはラバーマウントになっており、路面からの振動を適度に抑えており、それはそれでヨシ。
今回はその“ハンドルポスト“についてです。
この部品、前後方向で非対称になっているんですよね。
つまり前後方向を180度入れ替えると、ハンドルバーの取り付け位置がトップブリッジに対して前後に移動させることができます。
オフロードバイクではハンドルポジションの調整用としてこの手法がよく取られており、コストの掛からないセッティングパーツとして非常にありがたかったりもします。
そしてCT125。このバイクにおいては様々な体格の人に対応するための“フィッティングパーツ”なのかもしれませんね。
いずれにしてもお手軽に変更できるのは良いことです。早速試してみましょう。
まず最初に緩めておくべきはココ。
ハンドルポストの固定ナット(14mm)です。
これはハンドルバーがポストの回り留めとして機能しているうちに緩めておいた方が良いですね。バーを外してポスト単体にしてしまった後では、ナットと一緒にポストも回ってしまいますので。ただしまだ外す必要はなく、まずは緩めておくだけです。
次にアッパークランプのボルト(6mmキャップ)を緩めて、クランプとハンドルバーを外します。
こんな感じで、ポストが前後非対称なのが分かります。
トップブリッジ下にあるポストの固定ナットはすでに緩めてありますので、ラバーマウントの抵抗はありますが手でポストを回すことができます。
片側だけ180度回転させてみるとこんな感じ。
ほぼ、“ハンドルバー1本分”前方にオフセットされるのが分かりますね。
両側とも回転させたら、元のようにハンドルバーとアッパークランプを締め戻して完成です。
“ハンドルバー1本分”って、写真で見てもあまり差が分かりにくいかもしれませんが…。
【変更前】(ノーマル)
【変更後】
【変更前】
【変更後】
【変更後】はフロントフォークの延長線上にハンドルバーが移動しているのがお分かりいただけるでしょうか。(わかんねー)
で、早速乗ってみましょう。
まず一発でグリップ位置が遠くなったことが分かります。
そのため、今までよりも肘の曲がりが緩くなり、腕を伸ばして乗っている形ですね。
これが通常のバイクであれば多少の前傾を伴うのでしょうが、CT125の場合、シートとステップの位置関係から身体自体はあまり前傾せずに“腕だけが伸びている”ようなライディングポジションを強いられます。
これ、とても腕が重く感じられるんですね。
身体が前傾できれば、腕の中に抱えている“大きなボール”の大きさを変えることなくスポーティーなフォームを取ることで補正することができるのですが、CTに関してはそれが自分にはとてもやりづらい。
結果として、ハンドルバーに力が入れづらくなってしまい、フロントタイヤに加重できなくなってしまいました。
そのため、フロントがとても遠回りしている印象があり、単にタイヤのグリップ頼みで走っているだけ。これってあんまり“楽しくない”し“危険”だったりします。
さらに自分のCTは、ハンドルバーをZETAの『スペシャライズドハンドルバー』に変更しており、ノーマルよりもバーの絞りが浅くより幅の広いものになっています。
そのためノーマルに比べると少々グリップ位置が遠くなっており、それが今回ポストの前後を入れ替えたことで、より遠く感じられたのかもしれません。
それだけ『スペシャライズドハンドルバー』の設定が絶妙であるとも言えますね。
どうにも気持ち悪かったので、ポストの位置をノーマルに戻して再試乗。
「ああ、これだよこれ」
やはり絶大な安心感を取り戻すことができました。
自分がCTに一番求めているのは
“全てが手の内にある感”
なのですよね。
直立したライディングポジションに、自然と手を伸ばしたところにあるグリップ位置。
その状態でハンドルバーやステップへの加重も思いのまま、というのがCTの利点だと思っています。
(贅沢言えばシートはもう少し上げて、膝の曲がりを緩やかにしたいけれど)
今回、試してみたことで、改めてノーマルの狙いの確かさに改めて感心させられた次第です。
いやぁ、バイクってやっぱり楽しいですね!