そしてお次はハンドル周り。
ノーマルのハンドルバーは鉄製で、これがひとコケで結構あっさりと曲がってしまいます。
転ぶつもりはさらさらありませんが、いずれにしてもノーマルパーツは極力残しておきたいところ。
ストックしていたRENTHALのアルミハンドルバーに交換します。
今となっては珍しい“フルワッフル”のグリップラバーも、エアブローで抜き取って保存します。
左右スイッチボックスとスロットルホルダーを外して、ハンドル単体に。
ハンドルバーの比較です。
自分は絞りが少なめのバーが好みなので、やはり交換が吉。
ここでスイッチボックスに“HONDA車あるある”です。
スイッチボックスに回り留めと位置決めのための“突起”と、それを受けるためのハンドルバーに穴が空いています。
自分のバイクであれば、突起なんてリューターで削り落としてしまうところですが、これは大切な預かり物。
ちゃんと測って、ポンチで穴位置を決めて、
「チュイ〜ン」
強度が落ちてしまうので、あくまで貫通はさせません。
アルミハンドルは鉄製に比べて肉が厚いので、程々のところで止めておきます。
皆さんご存知のことと思いますが、ハンドルバーをトップブリッジに固定する際、ハンドルクランプの前後には注意が必要です。
ここに小さくポンチが打たれているのがお分かりかと思いますが、これがついている方が必ず“前側”となります。
この手のクランプには二種類あり、ポンチが打たれている場合は例外なくクランプの高さが違います。
この場合は、画像の左側(ポンチのある車体前方側)より、右側の方がクランプ高が低いのがわかると思います。
これは、前方側を先に締め付けておいて、後方側を割締めとして固定していく、というのが正解です。
自分の知る限り、このポンチはどのバイクでも共通でして、
CT125(ハンターカブ)はもちろん、
ヤマハでも同じです。
ちなみに、ポンチ穴が無い場合は、前後のクランプ高が一緒のはず。
その場合は、前後均等に締めていき、最後に前後のハンドルホルダーの隙間は均等になるのが正解です。
次はスロットルホルダー。
ノーマルはクローズドエンドのタイプとなっており、今回使用するクローズドタイプのハンドガードの場合、エンドを削り落とさなければなりません。
ノーマルパーツを切り刻むことに良心の呵責を覚えたので、
ZETAのスロットルチューブを用意。
しかし、こちらもクローズドエンドとなっているため、
こちらは遠慮なく切り落とします。
純正のスロットルグリップは大切に取っておきたいので、
新車外しのYZ用のグリップを使用します。
“YAMAHA”のロゴが整形されていますが、
ノーマルのグリップよりもちょっと長めで、しかもバーエンドを貫通させないといけないので
迷わずカット。これでグリップ長もほぼノーマル同等になりました。
さて、ハンドル周りを元通りにしていきます。
スイッチボックスもキレイに収まりました。うっとり。
クローズドタイプのハンドガードを付けるために、ブレーキレバーをショートタイプに交換。
しかし、クラッチ側のショートレバーはすでにどのメーカーも終売。
さて困ったな…と思っていたところに、いつもお世話になっている『ラフ&ロード』のTさんからのご提案。
「え、マジですか…?」
これは、2000年頃にRENTHALがリリースした『インテリレバー』というもの。
これ、当時としてはかなり画期的なパーツでして
レバーの途中にピボットが設けられており、そこから曲がることで折れるのを防ぐという、ヒジョーに凝った造りのレバーです。
かなり試行錯誤はありましたが無事に取り付け完了。
元々はレーサー用のレバーなので、スイッチボックスの逃げとかがほとんど考慮されていないんですよね。
そのためこのバイクにおいてセッティングの自由度は低いんですが、造りの良さは間違いないのでしばらくこれで行きましょう。
そしてハンドガードは、これまたストックしておいたZETAを使用。
今更ですが、ディフレクターが黄色なのは何故?とか言わないように。
これが我が家のバイクのアイデンティティです。異論は認めません。
ここまで組んでおきながら、グリップへのワイヤリングをすっかり忘れておりました。イカンイカン。
グリップ部におけるワイヤリングですが、自分は必ずこの位置で行います。
理由は手のひらにも指先にもワイヤーの結束部が当たらない位置だから。
最後にカットする際も、必ず斜めにニッパーを入れます。
そうすることで、カット先端が斜めに尖っており、グリップラバーに埋め込みやすいからです。
小さいことですが、整備ってそういう積み重ねだと思っている自分です。
もちろん、これは自分が素人だからですね。掛ける時間だけはそれなりに取れますので。
趣味の一環ですので、効率なんて度外視です。
(つづく)