内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

初めての”爺ヶ岳”【その3】

そして迎えたレースの朝。日頃の行いが良いからか、気持ちの良い晴れ間と清々しい気温で絶好のレース日和!寝袋2枚重ねの効果もあり、朝までグッスリ。体調(だけ)は良さそうです。

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横浜からわざわざ応援団(笑)がやってきてくれました。
遠路はるばるどうもありがとうございます。(T_T)

朝イチのレース『TRY&KIDSクラス』のスタートを見ると、ものすごい土埃が!あれでホントに前が見えてるの?これは先が思いやられるなぁ。

そして、いよいよ『FUN-GPクラス』のウェイティング時間。
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さて、ドキドキしながら行ってきますかねー。

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カテゴリーごと、ゼッケン順に整列していきます。
でもここ、意外と傾斜がキツイんですよね。ライダーブリーフィング始まってスタートまで30分あまり…足が攣らないかとても心配な自分です。

そしてついてレーススタート!ヘッドタッチした左手でクラッチを握り、落ち着いてスタートします。
だって、すでに1コーナーは砂塵の中ですもん。どこに転倒者がいるかすら、分かりゃしねぇ。(-_-)##
イン側に突っ込んでもリスクしか無さそうなので、アウト側からやり過ごします。
最初のゲレンデヒルクライムは、全車スロットルワイドオープン。おいおい、全然前が見えないよ。コースの幅がどこまであるのかも怪しいもんです。とりあえず、転倒直後の車両に突っ込むのだけは嫌なので、前走車とはラインをずらしておきたいところです。

何度かアップダウンを繰り返し、その度に埃の中に横たわる転倒車とライダーをやり過ごし、やってきました『ガレクライム』。
ええ、昨日は試乗会を満喫してしまったので、初めてのコースにもかかわらず一切の下見は無しという、準備万端っぷりです。ただ、難所の『ガレクライム』は最初からエスケープを選択するライダーもいるようで、埃が少し減って視界が開けてきました。

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…と、そこには登りきれずにコース上に眠るバイクがと、途方に暮れるライダーの姿がそこかしこに!
ここ、結構傾斜キツイんですよ。勢いを殺そうもんなら失速間違いなし。そして、再発進も難しそうです。

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「絶対に止まらない!」
自分に言い聞かせて、空いてるラインを睨みつけます。転倒車を見てしまうと、なぜか決まってそっちに行ってしまうのがバイクの悲しい特性。やはり視線は重要なのです。
ビビッてスロットルを戻したら負け!とばかりに、アプローチはゆっくりでも加速して抜けるイメージで。転がっている石自体は確かに大きいものの、問題なく登れています。前日の試乗会の時、YAMAHAブースにいたケンジ監督にサスセッティングを聞きまくった甲斐がありましたねー。「ケンジさん、ありがとう!」
登り切ったら、お次は下り。グラストラックを経て鬱蒼としたウッズへと、路面はコロコロ変わります。とにかく、前走車が現れるとあっという間に埃の餌食。まだ一周目です、慌てず落ち着いていくことにします。
3本目のウッズを抜けると、最後の難所『ロックンロールリバー』の下り。ここもまた転倒者続出ですが、ガレ場の下りでスピードが出ないために土埃がなく、視界が開けているので気持ち的にはちょっと安心。ここも少しだけスロットルを開けて、サスの反動を前方向に逃がしていくイメージですかね。ここで結構パスできたのは、ちょっとだけ自信になりました。
ゲレンデを下り切り、これでようやく1周目終了。埃がひどく、登りでほとんど開けていけなかったこともあり、攻めた気分は皆無。7.3km、長えーなー。(>_<)周回チェック手前に、わざわざ横浜から来てくれた、モトパワー社長の娘たちの応援団が。不甲斐ない走りでゴメンよー。(謝)
JNCCは自動集計システム。車両に付けたトランスポンダーにより、周回チェックのタイミングで自分の順位とラップタイム、前の順位とのタイム差が表示されるという、まさに画期的なシステム!それによると、1周目の順位は『FUN-Cクラス 33位』。FUN-Cは165台出走だったはずなので、あのペースの割には思っていたより悪くないかも!?ここで初めて、ちょっとヤル気になってきました。スイッチ入るの、遅すぎです。(苦笑)

2周目に入ると少しバイクもバラけてきて、ここでようやくコース状況が分かってきました。1周目は、コースの幅がどこまであるのかさえ分かっていませんでしたからね。とはいえ、タフなコースであることは間違いなく、どこまで開けていいものやら。それでも、同じクラスであろう『白ゼッケン』の車両だけは、ポイントを決めて積極的にパッシングしていきます。
そして、2周目の『ガレクライム』で痛恨のミス。前走車とラインを変えていたにも関わらず、突然自分の前方に進路を変えてきて、あげくに転倒。ぶつからずに止まれましたが、堪え切れずに立ちゴケ。あー、やっちまったー。(T_T)
バイクを起こしている間に、横をKZKのGASGASが抜いていきます。チクショー、すぐ後ろに居たのかー。さすがにこの斜度でこのガレ場では、直登での再発進は無理と判断。バイクを斜めに下げ、バイクを信じて2速発進。おお!行けるじゃん!偉いぞ、FX!3速にシフトアップし、直登ラインでKZKを追走します。もう少しでKZKが登頂…かと思いきや、突然彼はバイクもろとも180度エアターン。(驚!)結構派手にガレ場で転がるKZKとGASGAS。あれは痛そうだー。
しかし油断大敵、明日は我が身。心の片隅で無事を祈りながら、あっさり見捨てることにします。(てへぺろ

2周目クリア、3周目イン。ラップボード上ではクラス36位に落ちてます。やっぱり転倒はいろんな意味で痛いです。
でも、今のラップでコース全容が少し理解できました。開けられるところは開けて、とにかくミスなくクリアすることを心掛けます。
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『ガレクライム』もウッズも『ロックンロールリバー』も無難にクリア。
おお、このラップそこそこイケたんじゃね?と、若干の手ごたえアリ。ラップタイムは15分台、順位もクラス21位に!おー、やったね。

4周目。リアルタイムで結果が見えると、途端にヤル気が出てきますが、そこはやっぱり空回り。掘れてきたウッズの轍に露出した木の根にフロントタイヤを弾かれて、立木と熱い抱擁。(涙)しかも、バイクの重さも左手にしっかり載ってしまい、マジで折れたかと思いました。気合でバイクを起こし、エンジン始動。こういう時のセルスターターは、涙が出るほどアリガタイ装備です。

案の定、順位を一つ下げて5周目イン。でも、あの転倒で1つしか下がらなかったのは、ツイてましたね。残り時間からして、もしやこれがラストラップ?そう考えたら、最後の力を振り絞って頑張っちゃいます!『ガレクライム』も随分と慣れてきたようで、自分のイメージしたライン通りに走れるように。うーん、成長したなぁ。(笑)ウッズの入り口で、レディースクラスのトップライダーに追いつきました。この人、ちゃんとコースが分かってる走りです。となれば、ラインを教えてもらっちゃいましょう!(^o^)
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広いウッズはコーステープ内ならどこを走ってもOK。
しかし、次への繋ぎを考えると、絶対に効率の良いラインというのはあるものです。小柄な体でKTM125EXCを華麗に操る女性ライダーの後ろ姿に見とれながらも、実は必死でラインをトレースしている自分です。(汗)
ゲレンデを下って、ゴールゲートが見えてきました。いやぁ、疲れたなぁ、、、

「え?あと1周!?」

そうです。クラスごとでのスタートにおけるディレイタイムを加味されて、実は次がラストラップだったという…。(T_T)
正直、一瞬気持ちが折れたことは言うまでもありません。でも、考えてみたら、まだ5周しかしていないのよね。こんなに難易度の高いコース、かなり久しぶりだったんですよね。気合を入れ直して、6周目に突入。コース上では、かなり集団がバラけているため、もう埃で悩まされることはありません。とはいえ、今330台くらいが一緒のコースを走っているんですよね。みんなどこにいるんだろう。トクちゃん、KZK、NGCは無事に走っているんだろうか?と思えるほどに、出会うバイクが少ないように思えます。恐るべしスケール、爺ヶ岳。『ガレクライム』を登れずに諦めたライダーは、迷わずエスケープを選択しているのでしょうか。かなりコースクリアな状態。となれば、迷わず直登です。
そして、2つ目のウッズの入り口で、KX-Fに抜かれました。ん?緑ゼッケンの#01…山本選手です!このタイミングでのFUN-Aのトップランカーの登場ですから、前周同様ラインを勉強させてもらうしか!しかし、相手は山本さん。もちろん、付いていけるはずもありませんが、彼の軌跡をひたすら追い続けます。なんだよー、こんなにラクで速いラインがあったのか…と気付いたのがラストラップという、ね。もう自分、情けなさすぎます。
最後の『ロックンロールリバー』の下りでも何台かパスし、ゲレンデを下ってようやくチェッカー。今度こそ、本当のゴールです。(^_^);
ラップボードをチェックすると、『FUN-Cクラス 11位』。おー、随分と追い上げたなー!という達成感はありますが、クラス表彰は10位までという事実。うーん、残念。ここまで来ると欲が出ちゃいますね。でも、これが今の自分の実力です。惜しい。

チェッカー直後の『Jバザー』エリアは『フィニッシャーズロード』ということで、完走したライダーをギャラリーの皆さんがハイタッチでお出迎え。いや、これ嬉しいですねー。きれいなオネーサンとも遠慮なくハイタッチするチャンスなんですが、そのために左手のグローブを外すわけにもいかず…。(^_^);

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パドックに帰ると、モトパワーの常連さんでここ大町に移り住んだY倉さんがお出迎え。
なんでも爺ヶ岳まで10分ちょっとの距離だそうで、「みんな来てるっていうから、顔見に来たよー」とのこと。ウレシイ驚きでした、ありがとうございます!
しかし、トクちゃん、KZK、NGCの3人はまだ誰も帰って来ず。大丈夫かなー、と思っていたら、ほどなく無事に帰還。揃いも揃って、3人とも疲れ果てたご様子。KZKくんは、やはり2周目の『ガレクラム』での転倒が尾を引いたらしく、トクちゃんもウッズで電池切れ。NGCもラストラップで10回以上転んだらしく、

爺ヶ岳、2度と走りたくない…」

というオーラに満ち溢れていました。
まぁ、かくいう自分も今回は転倒も少なく、ハイドレーションのおかげで最後まで体力が持ちましたが、やはりガレ場やウッズで派手に転倒るとバイクも身体もタダでは済まないこのコース。しばらくはお腹いっぱいな感じです。(^_^);

午後からはトップカテゴリーとなる、3時間耐久の『COMP-GP』のレースがありますが、我々はすでにお気楽モード。
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社長の娘たちに懇願され、フライパンを振るってみたり、
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出走直前のチャンピオンを襲撃してみたりして。
過去のパワーエンデューロウイナーでもあり、『世界最速の餃子屋』でもあるマナブ選手に、

「9/22にSUGOでパワーエンデューロやるから、出てね!」

と強引にオファー。スタッフ一同で取り囲んで迫った甲斐もあり、とりあえず快諾をいただくことに成功!
皆さん、マナブ選手と一緒にバトルしに来てくださいね!(宣伝です)

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自動計測を使いこなすJNCCですから、リザルトが出るのも早いです。

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最終順位は、総合49/333位・FUN-Cクラス11/158位。

初参戦にしては上出来かもしれませんが、順位だけ見るとやはりビミョーですね。少なくとも、トップと1周差って凄く大きい気がしています。自分のファステストが15分17秒に対して、全体の最速タイムを叩き出したFUN-Aクラス#011・伊藤選手は、驚きの12分49秒!どうやったら、自分より2分半も速く走れるの!?今の自分にはイメージすらできません。完敗どころか、違うレースを走ってるんじゃないかと思えるほど…奥深すぎます、JNCC。

『COMP-GP』のレースが始まり、ゲレンデに爆音が響き渡る中、一足お先に爺ヶ岳を後にします。昨日に続いて『薬師の湯』でまったり疲れを取り、渋滞を避けるようにいそいそと安曇野ICへ。

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それにしても、とても充実した2日間でした。
やっぱりレースは止められませんねー。それが遠征となれば楽しさ倍増です。
早くもNGCが、「次のレース、どーします?」とか言ってますよ。懲りない若さってスバラシイですね。(笑)
さて、自分もどーしましょうかね。ちょっと楽しみになってきましたよ。
【おわり】