内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

2014北海道ツーリング【4-2】

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士別市の東のはずれにある『岩尾内ダム』。
交通量も少なく快適な道を入り組んだ湖に沿って走ると、ひっそりとした山の中に突然巨大な岩尾内湖が現れる。湖を離れると、名寄に向けて一気に下っていく。
見通しの良いダウンヒルの途中、路肩に可愛い『お客様』の登場だ。
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エキノコックスという寄生虫の媒介者であるために、触るわけにはいかないのだが、可愛いものはやっぱり可愛い。人懐こいところを見ると、観光客から餌をもらっているのだろう。とはいえ、かなり痩せ細っていたので、最近は不漁だったに違いない。すまないね、自分は何も持ち合わせていないんだよ。

名寄市街からは、国道40号のバイパスとなる『名寄美深道路』で一気に美深に向かう。ここが今日の目的地だ。昔からのレース仲間である『バタくん』と、美深のキャンプ場で落ち合う約束をしているのだ。片側一車線のバイパスだが、車に追いつくと、路肩に寄ってわざわざ自分に道を譲ってくれる。そこそこのペースで流れているのだからあまり抜く気は無かったのだが、せっかくなので好意に甘えておこう。
抜きざまに手を挙げて、スロットルを大きく開ける。国道に合流するバイパスの終点まで行くつもりだったが、ここで突然大粒の雨が落ちてきた。ゲリラ豪雨というよりは、夕立をいうべきか。たまらず、目の前に見えた美深I.C.で降りると、そのままバイパス下のアンダーパスに逃げ込んだ。夕立ならばそんなに降り続くこともないだろうが、もう一度レインウェアを着てバイクに跨った。

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『びふかアイランド』に併設される『森林公園びふかアイランドキャンプ場』は、最初に北海道ツーリングをした大学3年以来、何度となく利用してきたキャンプ場だ。エリアとしては道北となることから、内地からのアクセスが決して良いとはいえない。しかし、同じ敷地内に『びふか温泉』があることが、自分にとってはポイントが高い。なので、昨年に続いてバタくんと落ち合う場所をここに決めたのだ。

彼と北海道で待ち合わせるのはこれで4度目になるが、今回は珍しく自分のほうが先に着いたようだ。すでに17時近かったので、彼の分とあわせて受付を済ませた。先ほどの夕立はどこへやら、キャンプ場に雨の降った形跡はなかった。サイトが乾いているのは非常に助かる。とはいえ、天気が不安定であることには変わりないので、東屋に隣接したエリアにテントを張った。荷物は東屋の屋根の下におさめ、彼の到着を待つことにした。

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自分から遅れること1時間、ようやくバタくんが到着。昼過ぎにもう少し北の音威子府に着いてしまった彼は、どこに行こうか思案の末、一人宗谷岬まで往復してきたとのこと。軽く200kmくらいはあるはずだが、さすがと言ったところか。しかし、あまりの風雨の強さに、彼の乗る重量級のGPZ1000RXでさえも真っ直ぐ走るのに苦労したらしく、さすがに疲労の色が隠せなかった。

取り急ぎ彼のテント設営を済ませ、自分のGS-Aにタンデムして美深の街に食材の買い出しに出掛ける。二人揃えば、夕飯は当然『ジンギスカン』で決まり。そしてビールはもちろん北海道限定の『サッポロクラシック』だ。どうせなら、とスーパーの味付き冷凍肉ではなく、その向かいにある精肉店で生ラムをゲット!ありがたいことに、使い捨てのジンギスカン鍋まで売っていた。「その鍋を使うなら、肉は薄めにスライスしておきますね」と言われたものの、どう見ても7~8mmもの厚さにスライスされていた。薄めでこれなら、網焼き用の厚切りはまるでステーキのように違いない。

魅力的な食材をゲットしたことで、二人のテンションは上がりまくり。しかし、今飲んでしまったら、もう温泉に入る気力はなくなってしまいそうだ。もう少し腹を空かせ、さらにビールを美味しく味わうためにも、先に『びふか温泉』へ向かう。
無味無臭で透明な湯を持つこの温泉は、それほど湯温は高くないのだが非常に身体が温まる。昨年、娘もバタくんも軽くのぼせてしまったほどだ。なので、今年はほどほどで切り上げて、嬉々としてテントに戻る。今夜の食卓は、隣接の東屋だ。周りはキャンピングカーだらけで、大型のファミリーテントばかりなので、わざわざ東屋を使うこともないのだろう。占有している形になっていたが、誰からも注文はつかずに済んだ。

再会を喜び、ビールで乾杯。走り倒した挙句に一人宿で飲むビールももちろん美味いが、やはり気の置けない友人と酌み交わすのは最高だ。しかもここは北海道、美味さが倍増しないはずはない。
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早速ジンギスカン鍋に生ラムをのせていく。うーむ、やはり分厚い。焼き上がるのを待ちかねたように、二人揃って口に肉を放り込む。美味すぎる!新鮮な生ラムはほとんど臭みを感じない。噛むほどにジューシーな肉汁と、精肉店特製のタレが合わさって、この上ない美味さだ。数えきれないほどジンギスカンを食べてきている自分だが、これほど美味い肉は初めてだ。やはり専門店、侮れん。そして、そのタレの味がしみた、ニラとモヤシがまた最高だ。ご飯とビールが止まらない。風呂上がりまで我慢した甲斐もあったというものだ。

二人でご機嫌に酔っていると、ふと東屋の外からこちらをじっと眺める二人がいる。それに気付いたバタくんが驚きの声を上げた。突然現れたのは、彼のバイク仲間の夫妻だった。お互いに渡道することが分かってはいたので、「この日に美深のあたりにいる」という話だけはしていたらしい。そこで、温泉のあるこのキャンプ場にアタリをつけたとは言うが、これはもう偶然としか言いようがない。広い北海道で、待ち合わせていたのでなければ、そうそう簡単には出会えるはずもない。
二人は車にバイクを積んで、ここまでやってきたらしい。天気に左右されず車中でも寝られるし、晴れた日にはバイクを降ろして、最高のツーリングを身軽に味わうことも出来る。これはこれでアリだと思う。旅のスタイルに決まりなどないのだから。

新たに二人が加わり、四人で囲むランタンの炎が揺れる。いつしか雨が降ってきていたが、東屋の下での宴には影響がなかった。笑い声は雨音が消してくれてはいたが、そこはキャンプ場、あまり遅くまで賑やかなのも周りに失礼だ。ビールを飲みきったところで、各自テントと車に戻る。夜のうちに降りきってしまえ。朝日が見られることを信じて、眠りについた。

【本日の走行距離:358km】