内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

2014北海道ツーリング【4-1】

◆8月11日(月)
結局、雨は一晩中降り続いたようだ。改めて、宿を手配してくれたことに心から感謝した。テントを張っていたら、かなり憂鬱な目覚めだったことだろう。
朝食はバイキングが用意されると聞いていた。今日は早めに走り出したかったので、荷物をまとめて食堂へ向かう。昨晩遅くまで話し込んだイベントスタッフの面々も、すでに何人か食事をとっていた。H木氏と挨拶を交わし、同じテーブルに着く。これからの予定などを話しながら、一緒にゆっくりと朝食をとった。バイキングとはいえ、どれも美味しく、ついついお代わりをしてしまう。結局話し込んでしまい、コーヒーを何杯もいただいてしまった。

天気予報によると、今日はそこそこ降り続くらしい。覚悟を決めて、雨支度に身を固める。こういう時のパニアケースは本当に便利だ。荷物を濡らすことを考えずに済む、ということがどれほど助かるかは、ツーリングライダーなら分かるはずだ。わざわざH木氏が出発を見送りに来てくれた。再会を約束し、日高を後にした。

今回三度目の占冠を抜け、穂高峠を越える。自分が初めてバイクで訪れた大学3年の夏、まだこの峠は開通していなかった。前傾のキツイFZR1000に荷物を満載し、占冠まで20kmほどのダートを走った事を思い出す。フラットで走りやすいとはいうものの、内地でもこの距離の林道にはなかなかお目にかかれない。やはり北海道は、あらゆる点で自分の理解の範囲を超えていた。改めて思い出しても愉快でたまらない。穂別ダムを抜けて――このダムはカードを配布していないのでパス(笑)――紅葉山の交差点を右へ折れる。緩やかな坂を上っていくと、そこが夕張だ。

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夕張は、雨が似合う。
自分の中でのイメージとして勝手にそう思っているだけなのだが、少し寂しげな雰囲気がそんなことを感じさせるのだろうか。2007年、自治体としては初めて、事実上の財政破たんをしてしまったことは記憶に新しい。そして、かつて炭鉱で活気を帯びたこの街も、残念ながら今はその面影はない。むしろ、その当時の名残を、主を失って打ち捨てられた家や建物に見ることができる。若い市長の下、再建へ向けて取り組んでいると聞く。いつまでも在り続けてほしいと願うばかりだ。
湿っぽい話はさておき、実際自分が夕張を訪れると雨に祟られることが多いのは事実だ。山に囲まれた土地柄ゆえかもしれないが、それもまた良し。自分の中で、雨の夕張は決して悪いものではない。

昨年、夕張に来た時に2枚のダムカードを貰っていた。当時稼働中の『大夕張ダム』と建設中の『夕張シューパロダム』のものだ。しかし、今年になって『大夕張ダム』のカード配布が終わっていた。
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夕張シューパロダム』が今年竣工予定となっているためだろう。新ダムが稼働し始めると、なんと従来の『大夕張ダム』はダム湖である『シューパロ湖』に沈むというから、その規模のほどは想像できない。湛水面積においては、日本第2位となる巨大なダム湖の誕生だ。
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これはまだ湛水途中であろうが、それでこのスケールである。次訪れた時には満水状態になっているかもしれない。その時が楽しみである。

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そして、『桂沢ダム』に着く頃には雨も上がっていた。ここはあまり見るべきものが無さそうだったので、早々に北へ向かう。

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芦別の手前からショートカットする形で富良野へ抜け、14年ぶりに『ファーム富田』にやってきた。
前回はカミさんと二人でツーリングの際に立ち寄ったところだが、どうにも一人で来るには落ち着かないところだ。やはり著名な観光スポットだけに、かなりの混雑ぶりだ。ラベンダーの時期はとうに終わっているはずだが、それでもスケールの大きい花畑は見事。
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スクーターまでラベンダー色とは、徹底ぶりが微笑ましい。
娘への土産を買い、早々に立ち去ることにする。

国道へ戻り、旭川方面へ。深山峠を越えると、そこが美瑛だ。やはりここには青空がふさわしい。ここまで見事に晴れてくれると、やはり気分もアガるというものだ。
国道沿いの右手に『かんのファーム』が現れる。
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青空の下、赤い花がとても映える。
先ほどの『ファーム富田』ほどの規模も派手さも来客もないが、天気が良い時に来るとつい立ち寄ってしまう場所だ。

今日も朝食をしっかり取っていたので、全然腹が減ってこない。せっかく晴れていることだし、このまま走り続けていよう。交通量がみるみる増えてくることで、旭川が近いことを知る。雨上がりのこの晴れ間は、北海道とはいえやはり少し蒸し暑い。国道に沿って市内を北上するのは止めて、環状線を迂回するルートを選んだ。旭川を抜けて、士別へ。ここはトヨタをはじめ、自動車・タイヤなどメーカー各社のテストコースがあることで知られている。それだけ冬の寒さが厳しいところ、ということだろう。