内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

2014北海道ツーリング【2-2】

最近、自分が出先での立寄テーマの一つとしていること。
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それが『ダムカード収集』である。
かなりマニア度が高いようではあるが、実は数年前からブームは来ていたらしい。自分もカードの存在くらいは聞いていたが、昨年のGWに一人で静岡県寸又峡に走りに行き、休憩としてダムに立ち寄った際に初めてカードを貰った。
それからは、目的地の道中にカードを配布しているダムがあるかどうかを何となくチェックするようになっていた。全てのダムでカードが配布されている訳ではなく、国土交通省独立行政法人水資源機構の管理するダムに限定されているようで、現在347カ所のダムでカードが置かれているとのこと。

自分が思うに、そもそもツーリングライダーは『先端部』を目指す習性があるのではないだろうか。つまりは『峠』や『岬』などである。一つの到達目的地として、分かりやすいランドマークとも言える。
そして、オフロードバイクでツーリングを楽しんで来た自分の場合は、そこに『行き止まり』というものが加わる。舗装が途切れてそこからダートや林道に繋がる場合もあれば、完全にゲートで封鎖されるケースもある。地図を見れば、そこから点線が更に山の奥に向かっていることもあれば、山の向こう側に同じ番号の国道・県道の存在があり、未開通区間であることを知る場合もある。
とにかく、「この道はどこまで行けるんだろう?」という素朴な疑問を追求するのには、バイクの機動性というのは非常に重宝するのだ。
更に、自分にとって、そんな人里離れた山奥に、巨大な人工建造物があるとなればもうたまらない。「どうやって、何のために造ったんだろう?」などと思いを巡らせると、そこにはロマンだけでなく利権や事情といったものが朧げながら見えてくるのだ。
そして、『ダム』もそんな山奥の人工建造物の一つ。今まで何となしに訪れていたダムだったが、それ以来明確な目的地へと変わったという訳だ。そして『ダムカード』は、原則的にはそのダムまで行かないと手に入れることが出来ない、という点でマニア心を大いに刺激する。

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ここ『浅瀬石川ダム』は、青森県内で唯一カードを発行しているダムである。
生い茂る緑に映える、カラフルなダムが鮮やかに浮かぶ。朝の8時半を回ったばかりだというのに、物好きの襲来にも関わらず、ダム管理所の人は優しくカードを手渡してくれる。本当に朝早くから申し訳ない気持ちでいっぱいだ。(嘘)

十和田湖へも立ち寄りたい誘惑に駆られたが、さすがにそこまで寄り道してもいられない。
混んでいるであろう『一桁国道』(この場合は国道7号)へと戻るのも嫌なので、八甲田山の麓をショートカットする形で青森市内へと向かおう。

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遠く岩木山を望む。
北国の短い夏空の下、萌えるような緑の中、信号一つない三桁の国道を右に左にひた走る。朝の清々しい空気を全身で浴びながら走るのは、バイク乗りに許された特権の一つだ。上り坂の途中から現れて陽の光を遮るのは、トンネルではなくスノーシェッド。ここがどれだけ雪深い地域であるかを教えてくれる。

青森市内へ続く国道103号、通称『八甲田・十和田ゴールドライン』を一気に下って行く。途中、MTBダウンヒルコースとして有名な『モヤヒルズ』を右手に見る。ほんの少し齧ったことのある自分にとっても、聞き覚えのある場所だ。こうやって、バーチャルとリアルがリンクしていくのは本当に面白い。

交通量と信号機、そして車線が増えてくると、そこが青森市内だ。『青森ベイブリッジ』という、何度聞いても苦笑いしてしまう一般道路を渡ると、右手に三角形の観光物産館『アスパム』、そして左下にJR青森駅を眺めることが出来る。
特に青森駅は、高校3年の夏に『18きっぷ』を駆使して青函連絡船津軽海峡を何往復もした際の思い出深い駅だ。今はもう使われてはいないが、駅舎から海へ向かって真っすぐ線路が延びている。当時、連絡線にそのまま貨物列車を積み込むために使われていた線路である。

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そして程なく、青森港フェリーターミナルに到着。
時間はまだ10時半、予定通りだ。さっき東北道でランデブーしたGS-Aも、やはりここに来ていた。
搭乗手続きを済ませると、乗船するのは『ブルーマーメイド』のようだ。これはラッキー。今年4月に就航したばかりの新造船である。

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まだ少し時間があったので、ターミナル2階の食堂で『ほっけ定食』をいただく。少しだけ北海道気分を味わうことが出来た。

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そうこうしている間に、函館から『ブルーマーメイド』が帰って来た。
自分が乗るのは、これの折り返し便となる。

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予定通り、12時半に青森港を出港し、海路を函館へ。
バイクと船のロマンを両方味わえる。やはりフェリーでの旅は格別の気分だ。

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3時間40分の船旅を経て、函館の街並が見えて来た。
3年前の夏、雨霧で煙っていた函館山も、今日はお出迎え。とはいえ、行く先には低く雲が立ちこめている。天気予報では、明日辺りから道南エリアも下り坂になるらしい。
車輛甲板のスロープが下ろされ、いよいよ下船。北海道の地にGS-Aとともに降り立つ。何度経験してもワクワクする瞬間だ。