内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

2014北海道ツーリング【2-1】

◆8月9日(土)
羽生PAを後にして、ひたすら北を目指す。
日付は変わっていたが、まだ頭は冴えている。フェリーの予約を済ませた二ヶ月前から、ずっとこの時を待ち侘びていたのだ。高ぶるなという方が無理というものだ。

利根川を渡り群馬県へ。そしてあっという間に栃木への県境を越える。宇都宮を過ぎた辺りから、雨は本降りに。やはり先にレインウェアを着ておいて良かった。那須が近付くと雨脚が激しくなって来たこともあり、一気に気温が下がっていく。すでに気温は20度前後。メッシュジャケットだけでは寒気を覚えるほどの温度だ。ここでもレインウェアを着ていた幸運を実感する。

白河の関』を越えると、パタリと雨が止んだ。ここからがようやく『東北』になる。雨が止んで安堵した途端、眠気が襲って来た。このタイミングで無理をしても仕方が無い。
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お盆初日ということもあり、安達太良のSA内はそれなりに混み合っていた。
中でゆっくり…という気分にもなれず、何となくバイクに跨がったままタンクバッグの上に突っ伏して仮眠を取る。こんな状況でも意外と寝られるものだ。30分も休んだだろうか。ヘルメットを被って再び走り出す。

仙台を過ぎた辺りで、再び雨。もしや、台風と追い掛けっこになってしまっているのだろうか。だとすれば、青森までレインウェアは脱げないかもしれない。実はそれを一番それを恐れていたのだ。
18歳の夏の東北ツーリング。雨が止むと休憩し、走り出すとまた降られる。25年前の初めてのロングツーリングは、十和田までひたすら雨に祟られたのを思い出す。

淡々とペースを刻んでいると、自分と同じGS-Aに追いついた。同じくフルパニアであるところを見ると、恐らく行き先は同じであろう。しばらくは後ろについていたが、譲られるような形で先頭交代。100km/hを少し越えるようなスピードで先導すると、後ろをピタリとついてくる。こういう時のコンボイはとても心強い。見えない連帯感のようなものを感じながら、距離を重ねていく。

空が白んできた頃、すでに岩手県に入っていた。さすがに疲れが出て来たが、後ろのGS-Aはまだ休む気配は無さそうだ。左手を上げながら左車線に移ると、まだ大丈夫とばかりに自分を抜き去って行った。互いの旅の無事を祈る。
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前沢のSAで完全に夜が明けた。
端の方に東屋があったので、ベンチで横になって仮眠。1時間ほどぐっすりと眠ると、かなり頭がスッキリした。コーヒーで目を覚まし、再び走り出す。

八幡平の朝は、肌寒いほどだった。路肩の温度計を見ると19度とある。これでは寒いはずだ。少しばかりスクリーンに潜り込むように頭を下げて、さらにはグリップヒーターのスイッチを入れた。これだけで大分違う。さすがはGS-A、数値には表れないが、走り続けるための性能は確かなものを持っている。

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青森県に入ると、日差しが出て一気に気温が上がって来た。
これでようやくレインウェアが脱げる。小坂PAに立寄り、小休止。そして再び走り出す。メッシュジャケットを抜ける風で目を覚ます。首都高で浴びた風とは違い、まとわりつくことは無い。清々しい東北の空気だ。

時計を見ると、まだ7時をまわったばかり。思い立って、碇ヶ関で高速を下りた。
昨年は下北半島先端の大間からのフェリーを選んだため、かなり時間がタイトになってしまった。その反省で今年は青森港から海を渡ることにした。繁忙期ということもあり、出港90分前に乗船手続きをしなければならないが、それでも11時に着いていれば良い。随分と気が楽になったこともあり、こうやってついつい寄り道をしたくなったのだ。
リンゴ畑の間を縫うように走るタイトな国道454号を抜けて、浅瀬石川ダムへ。ちなみにこれで『あせいしかわ』と読む。地名の読みは本当に難しい。