梅雨入りの便りがちらほらと聞こえてくる中、今更GWの報告など。(遅筆ですみません)
それはオフロードバイク仲間から届いた一通のメッセージから始まりました。
「日帰りでカブツー行きませんか?」
この時、すでに自分はその言葉に疑念を抱いていました。
何故なら、過去にこの人主催のカブツーがなかなかにハードであることを知っていたから。
とはいえ、カブで一日走り倒そう!というお誘いに、自分が断る理由は皆無です。
「是非参加させていただきます!」
昭島に5時集合とのことだったので、排気量的にバイパスの通行ができないためそこまではデリカに積んでいくことに。
主催のテキサスさんの自宅でバイクを降ろしていると、程なく同行のワロスくんが登場。
そう、彼は過去にもテキサスさんとの(ハードな)カブツーを経験しており、事前にそのYoutube動画を予習していたことで、なんとなくこの先の展開が想像できていた自分です。
まずは青梅から秩父へ。
山間の国道を縫うようにして走っていると、さすがにかなり寒いです。
このツーリング直前に取り付けておいた“グリップヒーター”がいきなり大活躍!マジで助かりました。
芦ヶ久保の道の駅で休憩。
その時、ワロス号(CT125)の下に何やら滲みが広がっているのを見つけてしまいました。
「これ、エンジンオイルですよね…?」
前回の“カブツー”のとき、林道で転倒してクランクケースカバーを割ってしまい、JAFのお世話になったワロスくん。
そもそも彼のCT125はハードエンデューロにも参戦している車両なので、思い当たる節しかありません。
朝から何やら嫌な予感…。
オイルレベルゲージを見る限り、量だけはまだしっかり入っている様子。
入れ過ぎによるブローバイからの噴き戻りであることを祈りつつ(良くは無い)、先を急ぎます。
上野村の道の駅を過ぎると、そこから国道299号は一気に標高を上げていきます。
あっという間に長野県。
この時点でまだ9時前、まだまだ先は長いです。
(ちなみにこの時点で、自分はまだ今日の行程を知りません)
朝ごはんは佐久市内にある養鶏場が営むたまご屋さんのスイーツ。
仕事の関係で昨日は2時間くらいしか寝ていなかったので、ボーッとする頭に糖分チャージは重要です。
丘を越えて国道18号を少しだけ走り、そこから本日最初の目的地である松代へ。
ここ、“皆神神社”は何やら“世界最大最古のピラミッド?”という触れ込みがあったりする、有名なパワースポットらしいのですが、
寝不足が祟った自分は撃沈…。
この体勢のまま、30分ほど意識を失っておりました。
【今回の参加者】(右から)
ワロスくん:CT125
テキサスさん:CT110(ピッカピカ!)
自分:CT125
最高のツーリング日和!
遠く北アルプスを望む絶景。来て良かったなー。(帰りのことは考えない)
松代でもう1箇所。
『松代象山地下壕』です。
ここは第二次大戦末期、軍部が本土決戦最後の拠点として極秘のうちに大本営・政府各省などをこの地に移すという計画のもとに作られたのだとか。
こんな長野の山深くに…いろいろと大変な時代だったんですね。
この時点ですでに13時。そろそろお腹も空いてきましたよ。
テキサスさん曰く、「行ってみたいお店があるんです」とのこと。
ここからはナビ頼みで、しばらくは自分が先頭を走ります。
それがこちら、『ペレファカフェ』です、
このお店は国際ラリーストでもあった“三好礼子さん”が営んでいます。
すでに距離感がバグってきているので、「何故、自分らは松本に?」とか敢えてもう聞かないことにします。
店内には1997年のダカールラリーにおいてクラス優勝を果たしたXR400Rが。
到着が遅かったので、限られたメニューの中から焼きそば(カレートッピング)をチョイス。旨し。
レイコさん交えて集合写真。
とても気さくな楽しい方でした。また来ますねー。
さて、この時点で15時を過ぎていますが、問題はルートがあと半分残っているということ。
テキサスさんの予定では「ここから伊那まで南下してダートを…」ということでしたが、協議の末それはカット。
ちょうど御柱の時期ということで諏訪湖周辺は混雑が予想される、という情報を鵜呑みにして、松本市内手前で国道254号へ折れ、三才山を抜けて何故かまた佐久市へ。
そこからショートカットして清里へ…という甘い提案は、“ルートがさっきと一部ダブるから”という“漢”な理由であえなく却下。
日の傾きかけた中を一路白樺湖を越えて大門街道を小淵沢へと向かうのでした。
そしてテキサスさんの最後の目的は、“真っ暗闇のクリスタルライン全線走破”。
舗装林道とはいえ、クリスタルラインを完走すると約60km。
そのためには小淵沢ICのあたりで給油しておかねばなりません。
すでに時間は19時。IC付近のGSが閉まっていれば国道20号まで降りて、このルートもカットされる可能性があったのですが、神とはいるものです。
「スタンドが開いてる!」
その灯りは希望か絶望か…いや、“希望”でしょう。
だって、あの瞬間にインカムから飛び込んできたテキサスさんの嬉しそうな声と言ったら!
給油を終えて、最後の腹ごしらえです。
ここでもテキサスさん曰く、
「ここからの3時間はお店なんてないですから、しっかり食べておきましょう」
そして、人気の全く無い清里駅前で記念写真などを撮り、
照射範囲以外全く見えないLEDヘッドライトを頼りに、ひたすら…ただひたすらにつづら折れの山道を朦朧としながら走ること2時間。
ようやく山を降り、山梨県は塩山市内のコンビニにたどり着きました。
達成感を得て満面の笑みのテキサスさんと、無事に下山できた安堵に満ち溢れたワロスくんと自分…頑張りました。
時計は23時を回っています。
そしてここでようやくテキサスさんが言いました。
「ちょっと今日中には帰れそうも無いですね」
この分かり切った結論に、ワロスくんも自分ももはや大爆笑。ええ、知ってますとも。
あとは柳沢峠を越えて、奥多摩経由で帰る“だけ”!
さすがにもう、ここまで来ると完全に距離感が狂っています。
あと80km近く残っているんですけどね。
スタート地点であるテキサスさん家に到着したのは、夜中の1時でした。
寝静まった住宅地の中でデリカにカブを積み込み、テキサスさんともお別れ。
途中、エナジードリンクでドーピングをキメて、2時半頃に無事帰宅しました。
全行程を20時間かけて走破したわけですね。
誤解の無いように言っておきますが、こういうツーリング、自分は全然嫌いではありません。
睡魔もあって途中何度か心が折れかけたのは事実ですが、カブだって走り続けていれば1日でこのくらいは走れちゃうんだぜ!ってことですよ。
いやぁ、愉快愉快。
テキサスさん、誘っていただきどうもありがとうございました。
また機会がありましたら、次回もよろしくお願いしますねー。