内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

CT125との日々【その4】

まだナラシの途中ではありますが、何事もタイミングとはあるものです。

 

なんかキラキラした部品が付いてますよ。

はい、SP忠男のフルエキゾーストマフラー『PURE SPORT』です。

ラインアップにはサイレンサー外板がカーボンのタイプもありますが、こちらはチタンブルーのほう。

グラデーションがとてもキレイです。

『PURE SPORT』といえば

エキゾーストパイプ部の管長を稼ぐ構造が非常に特徴的。

ハンターカブの場合、エンジンに近いところでループ形状になっており、

ノーマルと比較してサイレンサー位置は多少前方に移動している程度ですが、逆にそれだけ管長を大きく稼いでいるということになります。

つまりはエキパイ部を長く取ることで、よりトルク型の特性を求めたものと思われます。

またエキパイからサイレンサーへの繋ぎの部分をメガホン状にするという、非常に凝った造り。

これも4スト単気筒エンジンの排気脈動を活かし、トルクフルな特性を狙ったものかと。

エキパイと同じくステンレス製のヒートガードは保護面積も広く、タンデムライダー乗車時にも安全・安心ですね。

 

前型のJA55ではサイレンサーは、ショックマウントを利用してのバンド固定でしたが、

現行のJA65用はサイドカバー内のマウントを使用したステー固定に変更。

このことからもその機種ごとにきちんと開発していることが分かります。

本当にマジメなメーカーですね。

 

エンジンをかけると歯切れの良いエキゾーストノートが響きます。

ミッションをローに入れスロットルを捻った瞬間、

「おぉっ!すげぇ」

ノーマルとはハッキリ違いが分かるほどトルクフルに!

これは誇張でも何でもなく、想像していたよりも明確にバイクを前に押し出す力強さがスロットルの開け初めの時点でしっかりと体感できることにビックリ。

まるで巻き取り径を大きくした“ハイスロットル”に交換したかのような、グイッとくる出足には感動すら覚えるほどです。

実際に走り始めてみると、スムーズな回転上昇に伴ってバイクが軽やかに前へと進んでいきます。

特に平坦路におけるトップギア(4速)の守備範囲の広さは、ノーマルでは得られなかったもの。

35km/h程度から4速に放り込んでおけば、もはやオートマ感覚で運転できるほどといっても過言ではありません。

そして、スロットルの開け閉めによるギクシャクしたトルク変動が無いことも特筆すべき利点かと。

これがSP忠男の目指した

「気持ちイー!」

ってことなのかもしれませんね。

 

また、近所にあるいつもは3速で登っている坂は、なんとか4速でも失速せずに上り切れるように。

このことからも間違いなくトルクアップしていることが体感できました。

 

そして、エキゾーストシステムの重量はノーマルの半分以下。

普段からリアキャリア後端にトップケースを装着しており、この時の中身はヘルメット、レインウェアとワイヤーロック。

その状態でセンタースタンドを掛けた時、ノーマルではフロントタイヤは必ず浮いてしまいます。

それが重量が軽減され、さらには重心位置が前方に移動した結果、このようにフロントが接地するようになりました。

また、元々リア寄りの重量配分であるハンターカブですので、マフラーを替えてリアショックにかかる重量が減ったことで、道路の継ぎ目やギャップでの突き上げが今までよりも強く感じられました。

JA65からリアショックは5段階のプリロード調整が可能になったので、1段階弱めてみることで乗り心地も改善されるかもしれませんね。今度試してみましょう。

 

乗り味を中心にメリットの大きいマフラーではありますが、敢えて重箱の隅を突くとすれば

「張り出したヒートガードが脛に当たる」ということでしょうか。

このようにワイヤー式のヒートガードがエキパイとのクリアランスをしっかりと確保することで安全が担保されているわけですが、その分外側に張り出しているためステップを根元で踏むとどうしても脛へのアタリが強くなってしまいます。

これは一つはエキパイの通り道に起因するものかと。

エキパイ上の外装部品の窪みは、ノーマルのエキパイを避けるためのもの。

つまり、ループの後をストレートにサイレンサーに繋いでいるため、内側に追い込みきれていないのでしょう。

そしてもう一つ。これは自分のせいなんですが

ステップ交換により左右幅が減少したため、外側で踏めなくなったことも一因かと。

とはいえ、このマフラーのもたらすメリットの大きさを考えた時、それは大したものではありません。

乗り方で少し工夫すれば良いことです。

 

自分は駅などの駐輪場に止める機会がどうしても多くなるため、

サイレンサーに傷が付く前に保護しておくことにします。

ハードエンデューロに出るわけじゃありませんが、せっかくここまでキレイなチタンカバーですからね。

 

JA55に乗る知人によると、マフラーの好みはデザインなどもありますが、

「性能ではSP忠男一択」

という話をあちこちから聞いていました。

今回自分がそれを体感することで、強烈に納得させられた思いです。

昨今のハイパワーな大排気量車になるとマフラー交換がもたらすメリットは軽量化くらいしか体感することは難しいのですが、小排気量車ゆえに“性能”としてそれをきちんと体感することができる。

アフターパーツへの交換によりルックスはもちろん、ドライバビリティまで向上もしくは上質になることは、このクラスの排気量ならではの得られる最大のメリットかもしれません。

 

このマフラー、車両本体価格に比較して決して安いものではありません。

しかし、その分しっかりと得られるものの大きさを実感できることで、満足度の高さは間違いのないものと言えます。

自分のでよろしければ、是非乗ってみてください。

きっとヘルメットの中でニヤニヤできること、請け合いですよ。