朝から娘を連れて、『ネズミの楽園』へ…。
さあ、楽しい休日の始まりです。
「じゃあ、夜に迎えに来るからねー」
久しぶりの『富津SSランド』へと!ひゃっほう。
もうね、早く乗りたくてしょうがなかったんですよ。
まずは、先日装着したリードバルブ『V-FORCE4R』がどんなもんなのか、と。
乗ってすぐ分かるのは、スロットルに対する追従性の向上が明らかに!
コーナーの立ち上がりが非常にスムーズ。じわっと開けると、そこからキレイに付いて来る感じです。
リードが薄く柔らかくなったので、とにかく全域で反応がいいですね。
中間開度域でもトルクの太さを感じます。
全開域では、ノーマルの250EXCと極端には変わりません。
リードバルブがきちんと開くだけの吸気圧がかかると、ノーマルも遜色ないということでしょうか。
いずれにしても、全体的に底上げされた感があって、違和感全くなし!
やっぱり楽しいバイクです。
…と、ここまでくると『禁断の領域』も早く体験してみたくてしょうがない。
まあ、ガマンできなくなるだろうと思って、持って来てたんですけどね。(笑)
『V-FORCE4R』だけでも好印象のこのキット。
PWKキャブへのコンバートで、果たしてどれほど印象が変わるのでしょう?
先日のように『しゃちほこ』らせてから、キャブを外します。
こちら、ノーマルの『ミクニ TMXキャブ』。
四角い大きなフロートボディが特徴的で、トップキャップはボルト2本で固定されています。
これが車載状態でジェットニードルを外すときに、ちょっとばかり面倒だったり。
早速、キットの『ケイヒン PWKキャブ』を取り付けていきます。
PWKはTMXに比べて、スライドバルブのリターンスプリングがちょっと固め。
ノーマルだとスロットル操作が重くなってしまうので、1巻カット。
取説では「1~2巻カットして」とあったので、まずは加減して…ということで。
結果、まだ少し重い感じがしましたので、今度はもう1巻カットしてみます。
スロットルワイヤーにつながるトップキャップを、PWKのものに交換。
こちらはキャブボディへ『ねじ込み式』となり、工具不要。ありがたいです。
そこにキャブボディを取り付け。
個人的には過去のレース車で見慣れたキャブなので、新鮮さは皆無。
しかし、これで我が家に揃っている『ケーヒンのメインジェット』が使えるようなるのが嬉しいところ。
キャブから取り回されるドレンホースは、ホース端部に切り込みを入れておくのがお約束。
泥噛みなどによりキャブ内が負圧になってしまうのを、事前に防ぐわけですね。
スパークプラグもキット同梱の『NGK BR7ES』に。
ノーマルも同じ型番が付いているんですが、まあ新品にしようね、ってことで。
キャブをインシュレーターに取り付けて完成です。
外装類を元通りに組み付けて、Ready to Race!
やはり'17モデルのこのシャープな佇まいがたまらなく好きですねー。
いつ見ても惚れ惚れします。(自画自賛)
はやる気持ちを抑えきれず、早速セルボタンをプッシュ。
「キュルル」
「パアアアアーーーーッッッ」
!!!
慌ててキルスイッチを連打。
どうやらフューエルタンク下で、スロットルワイヤーが引っ掛かっており、いきなり全開になったみたい。
あぶねー、びっくりしたー。(^_^);
気を取り直して、再度セルで始動。
アイドリングスクリューを微調整してやると、何事もなかったかのように安定したアイドリングを刻みます。
当たり前のようですが、これがスゴイ。
フツー、キャブボディごと入れ替えた場合、よほどきっちりベースセットが出ていなければこうはなりません。
スロットルを煽ると、自然に上まで繋がります。
これ、相当にてテストを繰り返された結果だと思います。
しかし、驚きはこんなもんじゃ済まされません。
スロットル開閉での反応が、明らかに今までの250EXCとは違います。
「モトクロッサー!?」
と勘違いしそうなほどに、反応速度が早い。
あまりにも軽い吹け上がりに、ちょっとビビります。
午前中の走行でコースは慣熟していたので、早速違いを体感…
「いや、速い!なにこれ、速い!」
1本目は様子見とばかり、ミニコースへ乗り入れたんですが、1コーナーまでの速度のノリが違います。
いや、違いすぎる!
大きなバンクのあるコーナーなんですが、減速が間に合わず、何度か飛び出しそうになるほど。
先ほどまでの『V-FORCE4R』でもトルクの増強が感じられましたが、そこからまた上乗せになった感じです。
それ以上に凄まじいのが、このスロットルレスポンスとパワー。
ピックアップが大幅に良くなったエンジンは、軽い車体をさらに軽く感じさせます。
また、圧倒的なこのパワーの凄まじさは、ノーマルのサスペンションセットが柔らかく感じられるほど。
これは全体に車速が上がっているからに他なりません。それだけ負荷が増えているということでしょう。
コーナー立ち上がりにあるえぐれたギャップも、スロットルひと開けのフロントアップでクリア。
また午前中はちょっと躊躇していた、ステップアップ形状の2連ジャンプも楽々。
クラッチで合わせてあげる必要なんてありません。
と、ここまで読むとメチャクチャ暴力的な特性に変わったように思えるかもですが、必ずしもそうではありません。
ノーマルの250EXCが持っていたマナーの良さは、しっかりこのキットでも受け継がれています。
これは恐らく、バランサー付きのエンジンによるところが大きいかと。
なので、モトクロッサー的な硬質なパワー感とはまた違うのです。
ノーマルエンジンのフライホイールを軽くして、排気量が270ccになったような感じ…とでも例えれば良いのかな。
回転上昇のシャープさが、トルクモンスターである300ccとはまた違うような気がするんですよね。
一緒に走りに来ていた友人二人にも乗ってもらいました。
この二人は、午前中にノーマルキャブの状態でも乗ってもらっています。
その上で、この変貌ぶりには驚きを隠せない様子。
そりゃそうですよね。1時間前に乗ったバイクと、別物みたいになっちゃってるんですもん。
それでも戻ってくると、
「速い!でも、楽しい!」
を連発。
いろいろと感想を聞かせてもらい、自分の印象が的外れで無かったようで一安心。
それにしても、エンジンに全く手を加えていないのに、キャブだけで特性がここまで変わるんですねー。
開発者の執念に脱帽しつつ、次はいかに自分がこれを手懐けていくか?ということ。
このパワーに振り回されているようでは、周回を重ねるごとにタイムの低下は明らか。
むしろアンコントロールになってしまえば、危険ですらあります。
そのためには乗り込んでいくしかない!
しばらくはその時間をなるべく取れるようにしたいと思います。
キャブ車ならではの可能性の追求にかけた、開発者の想い。
マイルドだから乗りやすい、というだけではない、キャブ車最後の'17モデルの楽しみを、大きく広げてくれたように思います。
興味のある方には、ぜひ自分のEXCに乗ってみてほしいですね。
ノーマルとは一味も二味も違う乗り味に、ビックリしますよ。(^_^)