内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

XR250 レストア日記【その4】

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抜き取ったシャフト類がこんなにキレイだったので、リンク周りのベアリングの状態にもちょっと期待しちゃうところですが…

 

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ビックリするほどグッドコンディション。

25年前に一度開けたきりとはとても思えないほどにグリスはしっかりと残っており、カラーにサビもありません。

つまりは、一切水分の混入はなかった、と言えるでしょう。

やってて良かった、グリスアップ。

 

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中央のここは、ベアリングではなくブッシュ。

こちらもサビはなく、25年前のバイクとしては状態は良好ですね。

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リレーアームもこの通り。ありがたい限りです。

 

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洗浄してから改めてグリスを詰め直し、

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本当は両側のリップシールくらいは交換するべきだったかな。

でも、ひび割れも無かったので、とりあえず今回は組み立て優先ということで。

 

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ここまでバラしたので、ついでにブレーキペダルも外してお掃除。

別に動きが悪いわけではなかったんですけど、ベータピンの抜きやすいこの時についでにやるのが楽かと。

 

さて、最後の大物『スイングアーム』です。

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カラー表面にうっすらグリスが残っているところを見ると、

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ああ、こっちもとりあえずは大丈夫そうですね。

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これでもかとばかりにグリスを詰め込んだら、

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完成です。

これでまた25年、安心して乗れますね。(ウソ。もっとマメにやります)

 

あとはオーバーホールに出した『リアショックユニット』が戻ってきたら、一気に組み上げます。

本当は早くフロントもやっつけたいんですけど、リフトアップ式のメンテナンススタンドではさすがに不安定なのでガマンガマン。

 

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むしろキャブレターボディの汚れが気になるので、こっちを少し掃除しようかなー。

【つづく】

XR250 レストア日記【その3】

“しゃちほこ”らせたまま一週間放置しちゃったので、ムズムズと“イジりたい欲”が発動。

 

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“リア周り”、やっちゃいますか。

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アクスル・ピボット・リンク類の各シャフト、抜いてビックリ「あら、きれい!」

表面に若干サビの見られる『スイングアームピボットシャフト』は、さすがに少しだけ叩きましたが、それ以外は全て指で押すだけでスルリと抜けました。

これが25年前、

新車時にきちんと自分でバラして“納車整備”した結果

なのかも知れません。

いや、ちょっと感動した。

 

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その中空の『ピボットシャフト』には、内部に汚れが混入しないように施したコーキングがきちんと残っていました。

こんな小細工、当時からやってたんですね。

「自分で自分を褒めたいと思います。」(by有森裕子

 

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そして、オイルの全て抜け切ったであろう、『リアショックユニット』はこちら。

これはさすがに自分では手が出せないので、プロの手を借りることにします。

【つづく】

XR250 レストア日記【その2】

週末もあれこれ野暮用であっという間に終わってしまっていたので、なかなか作業できていません。

実は手を付けられていなかったのには理由もあって、

「前後のショックユニットが終わってる」

のが分かっていたから。

ここに手を入れるとなると、それなりの出費が避けられないんですよねー。

そして、ショックを直すタイミングで同時にメンテしたい箇所だったりもするもんで、ちょっと躊躇していたという次第。

 

しかし!

このまま作業を先延ばしにするのも焦ったいので、「二度手間、上等!」ということでバラすことにします。

 

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どうみても、フォークオイルが漏れ出している“右フロントフォーク”ですが、

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見なかったことにして、まずは手軽にフロントステムから。

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んー、意外と状態は悪くない…のでは?

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ベアリングレース…これは本当は交換したいレベルかなー。

右側に強いアタリがあるように見えていますが、実際には抉れたりはしていません。

とはいえ、全体にうっすら打痕が散見されますので、早めに手を入れた方が良さそうです。

 

ステムは比較的簡単にバラせるので、まずは走れる状態まで持っていくのを優先。

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グリスを塗り塗り。

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グリスを盛り盛り。

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フロントフォークを片側だけ入れて、上下ステムの整列を出しておいてから、

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ステムナットを締めていきます。

自分、ここはトルクレンチを使用せず、ステムの動き加減優先で締め具合を調整していくようにしています。

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はい、元通り。

バラす前とは雲泥の差ですが、やはり市販車はぶっといメインハーネスの抵抗がハンパ無いですね。

 

まだ少し時間があるので、

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クラッチワイヤーに注油。

なるべくインナーワイヤーとアウターの隙間に直接オイルを流し込むようにしています。

使用しているのは、チェーンルブとして愛用している円陣家至高『CPO[R]』

インナーワイヤーに伝わせるように、シリンジで一滴ずつ流し込んでいきます。

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そして、インナーワイヤーを上下させて、オイルを奥まで落とし込みます。

これをひたすら繰り返すだけ。手間はかかるけど、簡単です。

ワイヤーインジェクターを使用してワイヤーオイルをスプレーすると、どうしても隙間からオイルが漏れ出てしまうヘタクソな自分…。

そこでのロスを考えたときに、こちらの方が確実かなー、と思っています。

 

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まだいけるかな?

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フューエルタンク、シート、サイレンサーを外して、

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あらよっと。

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シートレール別体のバイクであれば、リア周りのメンテはこれが一番早いと思われ。

レース車ならシートレールを外しちゃうんですが、ワイヤーハーネスを外す手間を考えると、こちらの“しゃちほこスタイル”が手っ取り早いです。

 

今日のところはスイングアームには手を付けず、

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ここだけやっつけちゃいましょう。

『サイドスタンドスイッチ』をキャンセルします。

このスイッチは、サイドスタンドを掛けたまま走り出そうとして、ギアをニュートラル以外に入れた時のエンジンを停止させる安全装置。

ただ、特にヤマハ車によく見られたんですが、ダート走行などの振動によりスイッチのマウントボルトが緩むことがあり、その結果スイッチが働いて走行中にストップしてしまうことがあるんですよね。

この『MD30』のスイッチはヤマハ車のそれとは構造が違い、そのようなトラブルは出ないような作りになっています。

しかし、レースによってはサイドスタンドを外さなければならない場合もあり、そのときにスイッチだけプラプラと遊ばせていて万が一にも作動してしまったら困り物。

「余分なものは外す!」

シンプルイズベストですね。

 

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このスイッチのハーネスはメインフレームに沿っており、シートレールマウントの内側を通っていたので、この機会に作業しておきたかったんですよね。

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エアボックス前方にあるカプラーを外して、

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スイッチハーネスを分離します。

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そして、ここで“参考書”登場!

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バッチリ手順が載っております。

ありがとう、『DIRT COOL』!

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“緑”“緑/白”を短絡させることで、スイッチをキャンセルさせることができます。

ちなみに“黄/黒”は、メーターのインジケーター点灯用ですので、これも不要。根元からカットします。

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ネクターを活かして、サブハーネスを加工。

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ああ、美しい。自画自賛

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サイドスタンドの基部もスッキリしました!

 

ここでタイムアップ。今日はこの辺で勘弁してやるか。

【つづく】

XR250 レストア日記【その1】

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23年ぶりに自分のもとに還ってきた『HONDA XR250』。

いや、ここからは愛着を持って、あえて“型式”である『MD30』と呼ぼう。

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ちなみに、同型のXRにおけるコンペティションモデル『XR250R』の型式は『ME08』

この呼び名もこの後何度も出てくると思う。

必ず試験に出るので、これは覚えておいた方が良いだろう。(ウソ)

 

さて、まずは長旅から還ったのだ。

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ゆっくり“ひとっ風呂”浴びるがいいさ。

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サクッと外せるものは外して洗う。

結果として、これが一番効率が良いのだ。

 

洗剤は油分にも強い『ALL-ONE』を、今回は希釈率をあまり下げずに使う。

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高圧洗車とブラシ、スポンジを併用して、ひたすら根気よく…。

 

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フレームがここまでキレイになれば満足。

これでも見る人が見れば、今回の手抜き度合いがバレてしまうのだけど。

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外して洗った外装もこんな感じ。

染み込んだ汚れはどうにも落とし切れなかったが、まあ良いでしょう。

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それにしても、このフューエルタンクのコンディションの良さと言ったら!

メインフレームに接していた部分は、振動で塗装が剥げて錆びてしまってはいるものの、

タンクキャップ周りの“フロリダブルー”の艶っぽさと言ったら、もうヨダレが出そう。

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そして、タンク内部もこの美しさ!(これは洗車前の画像)

全ては後輩・Sくんが大切にしてくれていたからに他ならない。

心からどうもありがとう。

 

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一旦途中まで仮組み。

 

さて、これからのレストア方針ですが、

「あまりやりすぎない」

方向で考えています。

キレイに直すのではなく、実際に思いっきり乗ることを前提として“機能重視”で組み上げていこうかな、と。

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先輩から預かっている『'92 CRM250R』のように、オリジナルにコダワってキレイに仕上げるのではなく、

“ノンオリジナル”でも良いから、乗って楽しく壊れにくいバイクを作っていこうと思います。

 

実際、MD30はオフロード走行が本当に楽しい!

自分の1996年式はショートスイングアームでホイールベースも短く、ヘッドライトレンズが樹脂製のためフロント周りが軽いのが特徴。

レーサーであるME08と同時開発されたMD30の中でも、最初の2年間だけがこの仕様となっています。

そのため、高速走行では時にフワフワする場面があったりするんですが、ひとたびダートへ持ち込めばタイトにくるくると向きを変える、素晴らしくコントローラブルな車体だったりします。

ゆくゆくはこのバイクでエンデューロレースにも出てみたいと思っているので、耐久性・整備性も重視しながら試行錯誤していきたいと思います。

うーん、早く走りたいなぁ。

【つづく】

XR250 レストア日記【序章】

先日、Facebook

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「激しく、XR400Rに乗りたくてタマラナイ」

と書き込んだ自分ですが、偶然とはあるものです。

 

学生時代の後輩から、

「XR、乗ってないんで譲っても良いですよ」

というありがたいお話をいただきました。

 

あまりの嬉しさに、

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本人の気が変わらないうちに、そそくさと我が家に連れ帰ってきた次第。

(※積載方法について色々とご意見を頂戴しております。ここでは改めてのツッコミは無しということで、何卒ご容赦ください。m(_ _)m)

 

モノは『XR250(MD30)』。

あくまでもレーサーではなく、公道用の市販モデルです。

排気ガス・騒音などの規制もなく、レーサーXR250R(ME08)のディメンジョンをそのまま受け継いだ最初期モデルである1996年式。

 

で、実はこのバイク、

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元は自分の愛機だったりして。

(写真は1997年夏、北海道・サロマ湖畔のキャンプ場にて)

1998年に『XRV750 AfricaTwin』を購入したタイミングで後輩に譲り、今回それが23年ぶりに手元に還ってきました。

 

このバイクは本当に相性が良くて、アフリカツインを買っても手放すなんて考えもしませんでした。

ですが、上の写真にある“北海道ツーリング”に同行したS君の乗り物がその時無くなってしまっていたので、そんな彼に乗って貰おうと譲った次第です。

 

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あまり乗る機会は無かったようですが、ずっと大事にしてくれていたのは一目瞭然。

過去に自分が装着したパーツは、時間が止まったかのようにそのままになっています。

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アチェルビスのフォークカバーや、

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レーサー『ME08』のリアキャリパーガード。

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そして今は無き“Motopower Racing”のチェーンガードプレートとか…懐かしすぎる。

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そして、スイングアームに貼られたこのステッカーが、当時の自分のバイクである“証”みたいなもんだったり。

今となっては時の流れを感じさせるバイクですが、自分にとっては本当に愛して止まない『XR』そのものなんですよね。

 

今回、縁あって自分のもとに還ってきたわけですから、今度こそじっくりと付き合っていきたいと思う次第。

大好きで、本当に大好きでタマラナイ『XR』ですから、当然当時のままに

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“教科書”よーし!

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“副読本”よーし!!

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“参考書”よーし!!!

 

もうね、脳内トリップからカンペキですよ。

 

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まずは止まっていた時計の針を、自分の手でキッチリと動かしてやろうじゃありませんか。

 

さぁて、忙しくなるぞー。(わくわく)

【つづく】

リコール修理

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『フューエルフィルタキット』交換のために、DREAM店に入庫すること一週間。

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愛機が帰ってきました。いやっほう。

 

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代車でお借りしていたこの子もとても良いバイクでしたが、やっぱり今の自分の使い方だと“アドスポ”かな、と。

 

さて、今回のリコール修理箇所は、フューエルタンク内にある燃料ポンプ。

そのポンプがタンク内のゴミを吸い込まないようにするための『フィルタキット』になります。

どうやらタンクの製造工程でタンク内にカスが残ってしまっていたらしく、それがフィルタに大量に溜まってしまうことで、要求されるだけの燃料がポンプに送り込まれずに、最悪エンストなどの症状に繋がってしまったんだとか。

 

余談ですが、メーカーがリコールとして発表し、その対策をするにはやはりコストと時間が掛かります。

もちろんリコールは出ないに越した事はありませんが、よほどのインシデントは別にして、メーカーがきちんと責任を果たそうとする姿勢については、ユーザとしてはある程度寛容でありたいと自分は考えています。

今回もDREAM店の営業・メカニックの方から、何度となくお詫びの言葉をいただきましたが、リコールはディーラーの責任ではありません。

真っ当かつ誠実に対応してくれるのであれば、ディーラーを責めるのは筋違いだと思いますし、「きちんと対応してくれた貴方がたが謝る必要はない」と伝えています。

ホンダというメーカーを、アフリカツインというマシンを愛しているからこそ、苦言を呈したくなる時もあるでしょう。

しかし、全て完璧な製品というものは、そうそう存在するものではありません。

より良いマシンにしていくために、あるところではメーカーとの“二人三脚”も必要だと考えています。

 

閑話休題

今回の修理対応に際して、メカニックの方に

「作業時にフィルタ部分の状況を撮影しておいて欲しい」

と伝えておりました。

現在走行7,000kmを超えたところですが、その中でゼロ発進からのエンストを4回ほど経験しています。

直接の原因がそれなのかはわかりませんが、どの程度ゴミが詰まるとそういう症状が出る恐れがあるのか、後学のためであり自分の好奇心でもあり、です。

 

そして、引き渡し時にメカニックの方から写真を見せていただきながら、丁寧な説明をいただきました。

(お忙しい中、時間を取らせて申し訳ありませんでした。)

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今回、外した部品全部がこちら。

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なるほど、結構拾ってますね。

タンク溶接時に使用した“フラックス”が剥離したものではないか、という説明でした。

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ガソリン内に遊離していたものも、きちんと回収。

こうしてみると、随分汚れが残っていたんだな、と感じました。

 

そして、今回のリコール内容とは別ですが、入庫の際に

「メーター内の『PGM-FI警告灯』が点灯した」

という事象を報告させていただきました。

通常、メインスイッチをONにすると点灯し、数秒で消灯するインジケーターです。

ただその時は、家を出てから10kmほど走行し、その後帰りに10kmほど走ってエンジンを止めるまで点きっぱなしだったんですよね。

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こちらについても、ディーラーで計測器を接続して事象を確認してくれていました。

一番右の『フリーズデータ』に書類アイコンのある項目で、エラー検知があったそうです。

 

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最初は『フロントスピードセンサの信号不良』のレポート。

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次に『クルーズコントロールスイッチ』に関連するものです。

読み出された数値を見ても、

「で、どこがおかしいの?」

という感想なんですが、まあこんなふうに全て

「いつ、どこで、何が起こったのか」

が分かるようになってるわけですね。

 

(これを見てしまうと、「経年劣化でブレーキを踏んだら加速した」なんて事は絶対アリエナイだろう、と思っちゃいますね)

 

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そして、最後に今までコンピュータが学習した

“自分の乗り方のクセ”

をリセットして終了です。

 

修理から上がってきてから50km程度走りましたが、今のところ症状も無く、エンストの気配も皆無。

しばらく乗ってみないと分かりませんが、これで安心して乗れる、と思いたいところです。

 

そしてしみじみと、

「やっぱり自分の“アドスポ”は最高!」

という事ですね。

良き良き。

乗り比べ

長々と更新をさぼっていたわけですが、気がつけば年が変わって早くも1月が終わろうとしています。

新年あけましておめでとうございます。(遅すぎ)

 

さて、昨年も押し迫った頃、ホンダから『クリスマスカード(ウソ)が届きました。

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「あらら、SD10もそうだったんですか…」

 

実はこれ、以前から2018年モデルとして登場した『SD04(CRF1000L)』の『Adventure Sports(以下アドスポ)』モデルではよく聞かれたトラブルだったんですよね。

その頃から原因は

『フランジレスのフューエルタンクに見られる、製造時のエラーらしい」

と言われておりました。

なにやらゴミが燃料ポンプのフューエルフィルターに詰まってしまい、エンストやノッキングを引き起こすんだとか。

『アドスポ』のタンクは、'18モデルだけでなく、1100ccとなった'20モデルでも同様の現象が起きているらしく、ついにメーカーからリコールの発表があったわけです。

 

自分の愛機でも今日までに4回ほどエンストの症状が出ていましたので、少なからずフォルターにゴミが詰まっているものと思われます。

そこで、リコール対応のためディーラーさんに入庫することになりました。

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店頭には自分のも合わせて、なんと4台もの『アドスポ』が!

しかも全部1100ccのモデルでした。売れてますねー。嬉しくなっちゃいます。

実は「作業が立て込んでいるので、1週間ほど預からせて欲しい」と言われてました。

そこでどうせなら、と“代車”をお借りすることにしたんですが、

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「ウチの試乗車なんですけど、『CRF1100L』でどうですか?」

と言われたら断る理由はありません。

最初は125ccのスクーターという話だったんですが、

「それじゃツマンナイから、何か他の無いデスカ?」

と聞いたところ、コイツを貸していただけることに。

いや、お願いしてみるものだなぁと思いつつ、ちょっとだけ恐縮です。

 

このバイク、『CRF1100L』の『アドスポ』に対して“標準車”などと呼ばれたりもしますが、つまりは一番ベーシックな仕様の『アフリカツイン』になります。

しかし、これこそが『ホンダの良心』。

「アフリカツインはオフロードバイクです」

という主張を、プリミティブかつシンプルな装備に削ぎ落としたこの仕様で体現しているのでしょう。

このモデル、自分はアサマで開催されたイベント『RIDE AFRICATWIN』のダートコースでしか乗ったことが無く、実は一度ちゃんと乗ってみたかったんですよね。

 

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あくまでも“試乗車”ということで舗装路オンリーですが、せっかくの機会ですので近所を70kmくらい走ってきました。

残念ながら(?)、全身から“連れてけオーラ”を発しまくる息子とタンデムです。

 

今回、お借りした車両は“MT(6速マニュアルトランスミッション)”

サスペンションストロークを抑えてシート高を下げた、いわゆる“無印(ローダウン仕様)”という、一番シンプルかつ価格が抑えられたモデルです。

タンク容量も“18L”ということで、『アドスポ』よりも6L少ないとはいえ、前モデルの『SD04』と同じ容量が確保されています。

 

※国内仕様諸元では容量が切り捨てられているようで、欧州発表では“18.8L”、『アドスポ』は“24.8L”。

 北米発表ではそれぞれ“5ガロン(約18.9L)”、“6.5ガロン(約24.6L)”となっています。

 

跨ってサイドスタンドから引き起こしての一言目は

「軽っ!」

もうこれに尽きますね。

諸元数値ですが、自分の『アドスポ』の装備重量“250kg”に対し、このバイクは“226kg”。

“装備重量”ということで満タンのガソリン分も含まれていますので、タンクの容量差“6L”を考慮すると、実際の重量差は“約20kg”ということになります。(ガソリンの比重を“0.737”として計算)

 

“全部盛り”の自分の『アドスポ』との仕様違いによる重量差としては、

 ・トランスミッション(DCT→MT):-10kg

 ・前後ショックユニット+コントローラー(電子制御サス→非装備):-2kg

となり、残りの“8kg分”は

 ・外装類(ロングスクリーンとか)

 ・リアキャリア(アルミ製でそこそこ重い)

 ・フューエルタンク(6L分でかい)

 ・灯火類(コーナリングランプユニット)

 ・ホイールセット(チューブレスリムの方が重いけど、チューブが無いのでほぼ誤差程度?)

といったところでしょうか。

 

いずれにしても、このクラスの重量車としてみたところでも“20kg”の差は体感できるレベルを通り越して、

「もはや別のバイク」

といっても過言ではありません。

 

ただ、ここで一点注文がありまして、

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「サイドスタンド、短すぎじゃね?」

いくらなんでも、傾きが大きすぎませんかねー。

ロングツーリングでフル積載した日にゃ、停める場所によってはスタンドを支点として手前に倒れてきそうな勢いです。

また、タンデムした際にも、跨ってから引き起こすのはちょっと気合が入りました。

スタンドの接地面にゲタを履かせるのが一番簡単ですが、社外品でもう少し長いスタンドを探してみても良いかもしれません。

 

ちなみに、自分の『アドスポ』ロングストロークサスの<s>モデル)もスタンドが短い傾向が見られたんですが、

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以前の『SD04』に使用していたCAMEL Adventure Productsの『キャメル トウ サイドスタンド』に交換したことで、停車時の傾きが軽減されました。

これ、スタンド掛けたまま、フルパニアのタンデムで跨ってもびくともしません。超お気に入りです。

 

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そして、このシュッとした“テールカウル”にウットリ。

キャリアステーを省くと、こんなにイケてるシルエットになるんですね。

これはメーカーも思い切ったなぁ、と。

「アドベンチャーバイクとしての立ち位置は『アドスポ』に任せて、こっちはあくまでも“オフロードバイク”ですから!」

という主張を、車体全体の造形で表現したに他なりません。

国内の法規制では“タンデムシートベルト”などという野暮ったいものが必須となるのですが、確かにそれがなければタンデムライダーが身体を支えられるものは皆無。

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ウチの子みたいに、すぐ寝ちゃうヤツには不向きかもです。(これ、爆睡中)

 

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“標準車”ですから、前後のショックユニットは『SD04』と同じグレードのものが付いてるわけなんですが、

改めて言いましょう。

 

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「電サスは神」(いや、マジで)

 

タンデムしている息子の

「ウチのアフリカくんの方が、乗り心地いいかなー」

とのコメントにちょっとビックリ。

普段乗っている時に改めて“電サス”の恩恵を意識させられることは無かったんですよね。

というか、あまりに自然な乗り心地に違和感はもちろん、意識することさえ無かったわけです。

これも一重に“ショーワ様”のおかげ。(2021/1/1より『日立Astemo』に社名変更)

「調くん、どうもありがとう!」(謎)

 

そして、普段『CROSS CUB』と併用している自分は、

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久しぶりに公道をクラッチレバー付きのMT車で走りました。(笑)

“DCT”とは言っても中身は“6速ミッション”であることは変わりません。

クラッチ操作を機械(油圧)がやるか自分でやるかの違いです。

久しぶりに激混みの鎌倉市内でハマりまくって思ったのは、

「ハンドクラッチの方がシフトショックを逃しやすい」

ということ。

シフトアップは圧倒的に“DCT”のほうがショックフリーなんですが、シフトダウンに至っては速度とギア段数を考慮して半クラ時間をライダーが調整できる手動のほうが、より繊細に操作が可能であるということですね。

また、1100cc排気量が増えたことによって、低回転域での力強さが増しており、トップスローからの開け口が上品かつ安定性が向上したように思います。

それゆえ、

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「ミッション違いによる10kgの重量差を考慮して“MT”車を選ぶ価値は、より大きくなった」

と思いました。

とはいえ、一度“DCT”車の魅力を味わってしまうと、それはそれで抗い辛いものがあるのも事実。

「オフロードバイクで“DCT”が選べる」

というのもアフリカツインの大きな魅力であることを、再確認した次第です。

 

誤解を恐れずに自分なりに総括するなら、

 ・“フルパニア”を装着するなら『アドスポ』

 ・オフロードを楽しみたいなら“標準車”

と言ったところでしょうか。

丁寧に走れば、“標準車”でも400kmは無給油で走れると思いますので、ロングツーリングに向いていないという事では全くありません。

“標準車”の最大の魅力は、やはりその“軽さ”。

特にリア周りの軽さに拘った造りのこのバイクを、パニアステーやキャリアなどで重心から遠いところをウェイトアップするのは、ちょっとモッタイナイように思いました。

理想は『アドスポ』と“標準車”で二台持ち出来ればいいんですけどね。

 

ただし、その場合でも“ミッション選び”という、また贅沢な悩みはついて回ります。

どちらを選んでも後悔はないと思いますが、「無い物ねだり」というヤツは尽きないと思いますので…。

 

じっくり乗る機会が得られたのは、非常に良い体験でした!

 

【おまけ】

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この時期は寒さが堪えるので、“ロングスクリーン”は用意したいところです。