内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

サイドスタンド交換

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CRFのサイドスタンドはアルミ製!
オンロードのバイクならいざ知らず、それなりに重量級のビッグオフがそれを選ぶとは…最初にしどきの“メディアローンチ”20162月)実車をじっくり観察した時には思わず目を疑いました。
しかも肉抜きまでされて、H断面の形状になっていたりして。
これはまた凝った造りだなー、と感動したのを覚えています。
 
しかし、造形の美しさは、必ずしも使い勝手の良さに繋がるとは限りません。
スリムで引っ掛かりのないスマートなデザインゆえに、スタンドを出し入れするときに足を掛ける場所がないのです。
スタンドの先端部分を爪先で手繰り寄せるしかないのですが、特にスタンドをしまう時は位置が遠く、くるぶしの動きが制限されてしまうオフロードブーツを履いている時には“空振り”してしまうことも多々あったりして。
これは、その試乗会の場で開発者の方々に(偉そうに)進言させていただいたのを覚えています。
 
そして、時は流れて2017年秋。
ADVENTURE SPORTSというバリエーションを提げてマイナーチェンジが行われた2018年モデル”実車を初めて見たときの感動と言ったら!
 
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「あ、手直しされてる!」
そう、スタンドのアームの途中と先端部分に、“小さな突起”が追加されているじゃありませんか。
やはり他のオーナーさんからも声が上がったのでしょう。
それを拾い上げて、キチンと対策してくれたことに、「やってくれたな!」とばかりにニヤリとした自分。
その場にいた営業の方を捉まえて、
「このスタンドは、従来のモデルにも付けられますよね!?
という質問に対して、若干困ったような顔をしながらも「…大丈夫です!」との回答を無理矢理いただきました。(すみません、困らせちゃいましたね)
 
しかし、このアルミ製のサイドスタンドには、もう一つ懸念がありました。
それは“しなる”ということ。
もちろんメーカーが強度計算をした上で、車両に装着されている部品です。
しかも、基準の厳しいことで知られるホンダの車両に。
とはいえ、ユーザーの使い方は、必ずしも全てにおいてメーカーの“想定内”に収まるとは限りません。
 
自分は12年前の交通事故の後遺症で、特に右足の可動域が狭く、“バイクに跨るために足を高く振り上げる”ことが苦手。
そのため、アフリカツインに跨る時は、必ずサイドスタンドを出した状態でないと、バイクを蹴り倒してしまいそうで怖くて出来ません。
また、子供とのキャンプツーリングの際も、フルパニアの蓋の上まで荷物を満載し、トップケースにシートベルトをつけている関係で子供に先に乗り込んでもらってから、自分が跨ります。
そのような状況において、やはりサイドスタンドは目に見えて“しなって”いるのです。
 
周りではまだ“折れた”という話は聞いていませんが、頻繁にオフロード走行を楽しむ友人の中には、すでに“曲がって”いるものもあるんだとか。
そうなると、最終的にはいつか“折れてしまう”ことも考えられなくはないですよね。
 
さらにはスマートな造りゆえに、スタンド端部の設置面積はそれほど大きいものではなく、土や芝のキャンプサイトではスタンドが地面にめり込んでしまうことは何度もありました。
 
そんな話を、神奈川県は厚木市にある“某バイク洋品店”で話していたところ、ビーニーを被った『笑ゥせぇるすまん(ゴメンナサイ)が爽やかに言いました。

「そんな内田さんに、良いモノがあるんですよー。オーホッホッホッホ」(脚色あり)

それは正に今、自身のアフリカツインでテスト中だとのこと。
現物を見せてもらって考えること数秒。
「た○わさん、これ買います」
 
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そして、自宅に届けられた荷物がこれ。
 
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CAMEL ADV PRODUCTSの『Camel Toe Side Standです。

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その名の通り、スタンドの接地部が“ラクダのつま先”を模した形状になっていたりして。
なかなかにジョークが利いています。
 
標準のアルミ製に対し、こちらは見るからにズッシリとした剛性の高そうな鉄製。
重量も
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標準の299gに対して、こちらは708gと倍以上。
 
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接地部分の大きさの比較はこの通り。
これなら、地面に簡単にめり込んでしまうようなことはなさそうです。
 
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接地部の板の厚みは約3.7mm
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アームの太さが約25.5mmであるところを見ると、1インチ径のパイプに粉体塗装を施したものと推察されます。
 
早速交換しましょう。
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フレーム側の取付部品はこの通り。
ちなみに、一番右のボルトとその左側のピボットボルトの間に、サイドスタンドのロータリースイッチが入ります。
 
いや、なかなかに凝った造りになっていますね。
左から3番目の鉄製のカラー、これはスタンドのマウント基部の中子となっており、これを抜かないとスタンドが外れないようになっています。
オフロードバイクのサイドスタンドの場合、フレームにスタンドマウント基部となる分厚い鉄板が溶接されており、そこにスタンドを嵌めて、空いた穴にピボットボルトを差し込む、という構造が一般的。
CRFはアルミ製のスタンド基部が開いてしまったり、磨り減ったりしにくくなるように、間に中子を入れることで取付部の強度と可動のスムーズさを両立させたものと考えられます。

こういうマニアックな作り込みは、ホントにヨダレものですよねー。ですよね?
 
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あとはキチンと清掃してから、グリスアップをしながら組み戻していきます。
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ピボットナットには、少量ですがネジロックを塗布するのがお約束かと。
 
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最後にスプリングを掛けるんですが、自分はここにスプリングフックは使いません。
二重となっているCRFのスタンドスプリングは、銀色のメインスプリングのレートが非常に高く、かつエンド部がほぼ一周しているために、スプリングフックではかなり力を入れて引っ張る必要があります。
これだと外れた時にケガをする恐れもあるので、“プラスドライバー”を使用して滑り込ませるように嵌めることにします。
オフロードバイクのスタンドスプリングは、このやり方が一番早くて力がいらないので安全ですね。
 
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そして完成。
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この“しっかりと地面を捉えている感”は素晴らしいの一言!
どっしりとした座りの良さを感じますね。
シンプルで骨太のストレート形状のスタンドは、安心感を与えてくれます。
 
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そしてスタンドの出し入れも格段に容易に!
特にしまう時は、接地部を上から軽く踏みつけながら足裏でスタンドを払うようにするだけで確実に操作できます。
 
当初は先述の課題を解決するために、2018年モデルのスタンドを購入してから、端部の接地面積を拡大するエクステンションパーツを導入しようと考えていた自分ですが、これ一本でスマートにまとめることが出来て非常に満足。
同じ悩みを抱えている方には、ちょっと自慢しながらもオススメしたいパーツです。
(ちなみに、もちろん自腹で買ってますからね!“ステマ”じゃないのでご安心をwww