内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

ありがとう、日高【その7】

916日(日)DAY2
 
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昨日と比べて1時間半、スケジュールが前倒しとなるDAY2の朝。
今日も初秋の北海道らしい、最高の天気に恵まれました。ひゃっほう。
 
バンガローを撤収しパドックへ戻ると、すでにチームの皆さん勢揃い。
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愛する奥様のために、車中泊ではなく敢えて“富良野”に宿を取っている西川さんは、日高まで連日60kmの“通勤”をされたんだとか。
車でとは言え、レース前から走り過ぎです。
 
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朝露に濡れて輝く、金色のパルクフェルメ。
思わず息を飲むほどに美しい…これこそが“ヒダカ”です。
 
そして、実は昨日から探していた人にようやく会うことができました。
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“日高モーターサイクリストクラブ”の首藤さんです。
2年前の夏に初めて会ってから、昨夏も隣のキャンプ場にいた自分にわざわざ会いに来てくれました。
「約束通り、来ましたよ!」
直接お会いして、自分はそれをどうしても伝えたかったんです。
スタート前の、スタッフにとっては忙しい時間にもかかわらず、きちんと挨拶できたことがとても嬉しかった。
そして、また来年もこの場所に帰ってくることを約束するのを忘れませんでした。
 
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本部横に張られたテントには、rider誌の三上編集長が!
今回の日高へも、レース車を自走で会場入りだそう。
ハスクバーナも三上さんも、タフだなー。
 
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DAY1”の結果は以下の通り。
NA #208 西川選手】3(!)
NB #429 鈴木選手】19全日本選手権ポイント獲得!)
W #159 難波選手】DNF
NB #430 内田】26
 
何をさておき、西川さんの3位”に驚愕!
NAクラスですよ!?凄すぎますねー。恐れ入りました。
鈴木さんも、きっちりまとめてポイントゲット。
昨年は“DAY2”でリタイヤを喫した悔しさを晴らすため、あと一日頑張ってください!
 
そして、自分の“26位”ですが…まあ、あれだけ転んでいればこんなもんでしょ!
確かに“プラス1分のペナルティ”は小さいものではありませんが、それも結果です。
個人的には苦手な高速林道の“西山ET”では“12位”と、苦手意識があった割には健闘したんじゃないかなー、と思ったり。
いずれにしても、今日はもう少し上手く走りたいところですね。
 
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時間設定は、昨日と同じくBタイム”
ということは、各TC間の持ち時間も昨日と同じになるのかな。
昨日より少しは上手く走りたい!という思いと、昨日より一段とコースが荒れてるんだよな…という不安とが入り混じります。
それでも、“DAY1”を走り切ったことで、競技のルールとレースの全容が分かってきたことで、昨日感じた躊躇いはもうありません。
「今日こそは“ノーペナルティ”で完走したるわ!」
それだけを考えて、スタートに備えます。
 
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タイムカードを受け取り、パルクフェルメへIN
泥だらけの愛機のもとへ向かいます。
もう一日、頑張ろーぜ。
 
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86分。
昨日より少しだけ元気にスタートです。(^o^)
テストもルートも昨日と同じ。
ただ、朝が早いので、“ゲレンデCT前での暖気は、昨日よりも念入りにやっておきたいところです。
テストに入る前に鈴木さんから「抜かれたくないから、今日は先にスタートして!」とのお言葉。
でも、昨日の最後に“チュドーン”したばかりなので、無理したくないんですけどね。
2度も走ってコースは何となく理解しているので、グリップレベルを確かめながらペースアップ。
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やはりグラストラックは最高に気持ちいい!
そして、昨日の“鬼門”に差し掛かったところで、やはりビビってしまいました。
少しスロットルを戻してしまったことで、ぬかるんだワダチの中で失速。
バランスを崩して、右側の生い茂った草むらへバイクもろとも見事にダイブです。
あー、やっちゃったー。(>_<)
 
ハンドルを谷側にして転倒したので、リカバリーにエラく時間が掛かってしまい、大幅にタイムロス。
ゴール地点で鈴木さんから、「あれー?いつの間に抜いちゃった?」と聞かれましたが、直後にスタートした鈴木さんが気付かないくらい、見事なほど草むらに沈んでいたらしい自分です。泣ける。(ToT)
 
TC1へと向かうウッズのルートは、昨日より路面が掘り返されてはいたものの、ラインを覚えていたので無事にクリア。
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しかし、昨日はそこそこ無難にクリアできた“ジュナイト”のガレ場でハマりまくり。
何度バイクを倒したか分かりません。
それなりにラインを覚えていたはずの自分は、
「もしかして、昨日終わってから、石の場所変えたんじゃね?」
と勝手に疑心暗鬼。(実際、そんなことはないはず)
昨日は15分近く余裕をもって到着したTC1“ジュナイトTCへは、今日は6分ほどしか余っておらず。
ちょっとヤバかったです。
 
TC2“クリーンセンターTC併設の補給ポイントGAS1へと、ガス缶を移動させておいたのは大正解!
かなり余裕をもって給油することができました。
しかし、残りの80km弱へと増えた距離を考え、給油口のフチぎりぎりまでガスを入れておきます。
ただでさえ燃費の悪い2スト、しかもキャブレター車ゆえにオーバーフローの捨てガスは、構造上どうしても避けられません。
それゆえに転倒は大敵!大事に確実に行きましょう。
 
昨日は841秒で12位と調子のよかった“西山ET
今日も転倒には気を付けて、それでも開けられるところは積極的に攻めていきます。
しかし、タイムは843秒…あれ?進歩しねーなー、自分。
ところが、順位は22位と一気にダウン。
これ、昨日に比べて、みんなタイムを上げてきている証拠です。一度走ったことで、勘所を掴んでいるのでしょう。
それに引き替え自分と言ったら…まだまだ経験が足りないようです。がっくり。
 
しかし、続く“貯木場CTでは、学習能力を発揮!
無転倒でまとめたことで、昨日より40秒近くタイムを詰めることができました。
やはり、テストで転ぶのはご法度!
それが如実にタイムと順位に現れるところに、“オンタイム”の怖さがあるんですね。

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TC4“舟水橋TCまで連続して訪れる川渡りのセクションは、昨日多発した“水没”を警戒してか、皆慎重になっていたようです。
自分も流れの速いところで一か所だけバイクを押して渡りましたが、水深がヒザまで来ていたのにはビックリ!
水没からのリカバリーについては、理屈では分かっているものの、幸いにして経験はなし。
それだけに、ウエストバッグに入れてある工具に、一つ入れ忘れたものがあるのを思い出してヒヤヒヤ。
いやー、水没しないで良かった良かった。(^_^);
 
TC5“宮川TCへと続く“宮川の沢”も、連続する川渡りがあるポイント。
しかし、こちらは西山区間ほどではなく、きちんと走れば問題なし。
むしろ、TC直前の川から駆け上がる土手の上りがチュルチュルになっており、目の前で真横になったり転倒するライダーも多かったようで、プチ難所になりかけていました。
 
ガス補給を“GAS1”で済ませておいたので、今日はTC6“日高6TCへは余裕をもって到着。
きっちりと昨日のリベンジを果たし、これで“オンタイム完走”へ一歩近づいたのを確信しました。
 
相変わらず長く感じられるTC7“ミシマTCへと続く“左岸線→ホロナイ林道”の区間ですが、昨日よりも体力が温存できているようで、股関節の痛みも足の攣りも出ずに済んでいる様子。
やはり、全てが初体験となる初日は、必要以上にチカラが入り過ぎていたのでしょう。もちろん、それなりに緊張もしていたわけなんですが。
“テスト”と“ルート”では、走り方に緩急を付ける必要があることを、ここにきてようやく悟り始めたらしいです。(遅いわ)
 
“ミシマETに付くと、難波さんをはじめ、チームの奥様方が応援に来てくれていました。
その中には、残念ながら今日は走ることが出来なくなってしまった美和子さんの姿も。
転倒はあったものの、昨日はそこそこ無難にまとめたこのテスト。
今日はビシッと決めたいところです!
 
前半の竹林のウッズ、川渡りをスムーズ(自分なりに)こなし、中洲のサンド区間へ。
昨日と違って腕上がりの症状はなく、足もステップにきっちり荷重できています。
連続するギャップも、路面を読んできちんとスロットルオン。ここまではいい感じ!
 
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そして、迎えた戻りの川渡り。
それを見下ろすの橋の上から、チームのみんなの声援が聞こえます。
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派手に水飛沫を上げながら川をクリアし、土手のヒルクライムへ。
と、ここで土手上まで下りて声援を送ってくれていた美和子さんと一瞬目が合いました。
 
「こっちじゃなーいっっ!!」
 
そう、自然の摂理で、バイクは視線を向けたほうに進むのです…。
乗り手の意思に反して、美和子さんのいる、オンコース左側の大きな石の転がる上り坂に進路を取った愛機は、弾かれたフロントタイヤを高々と舞い上げ、乗り手を振り落して横倒し。
そして振り落された乗り手は、大きな石の上をゴロゴロと転がり落ちるという、なかなかに派手なクラッシュを演じました。
転げ落ちながら考えたのは、「やっちゃったー(>_<)」というより、むしろこっち。
「これはもしや、“映え”たかも!?
やっぱり、これだけギャラリーがいるんですから、“見せ場”は作っておかないとですよね。
しかし自分、ホントにみんなの前でよく転んでるよなー、としみじみ。
 
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身体のダメージはさておき、フロントタイヤを下にして転がったバイクを起こすのに手間取る間に、無情にもテストの時計は進みます。
ぶっちぎりでイケてないタイムを残してゴール。
ルートに戻ると、美和子さんが「ホントにゴメン!」と言ってくれましたが、もちろん悪いのは自分。美和子さんには何の責任もありません。
こちらこそ、かえって心配をかけてゴメンナサイです。m(_ _)m
 
TC7を過ぎれば、“ミシマ林道→モトスギ線→三岡林道”と走り繋いでゲレンデへ戻ります。
ここに来て押し寄せてくるのは
「ああ、終わっちゃうんだな、、、」
という何とも言えない寂しさ。
昨日スタートしてTC1へ向かう間に脳裏をよぎった“後悔”はどこへやら、今はこの流れる“時間”の全てが愛おしく思えてなりません。
昨日はあれだけ長く感じられた林道ですが、今日はあっという間にゲレンデまでたどり着いてしまったかのようです。
 
パリティを抜けたら、そこは最後のテストが待ち構えるゲレンデ…と思いきや、最後の最後に激ハマリ。
深々としたワダチが何本も刻まれたちょっとした上りで、何を勘違いしたのかよりによって一番深そうなところを選んでしまいました。
勢いだけで行けるか…と思ったのも束の間、敢え無くリアタイヤは空転。
これはもう押すしか、と思いバイクを降りて確認したところ、リアタイヤは完全に浮いている状態です。
持ち上げようにも、左右ステップの付け根ががっちりワダチに噛み込んでいて、自分だけのチカラではどうしようもありません。
後続のライダー達は、自分を避けて先へ進んでいきます。
そりゃそうです。ここまで来て汚れたくないですよねー。
 
さて、どうするべさ、と悩んでいたところに、一人のライダーが止まって手を差し伸べてくれました。
同じ組の#428奥野さんです!
何とか二人がかりで、マシンをワダチから引っ張り出すことに成功。
ヘルメットの中の笑顔に本当に救われた思いです。
奥野さん、ありがとうございました!
 
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そして迎えた最後のテスト。
ここまで3度、全て必ず転倒してきた“ゲレンデCTです。
最後くらいはクリーンに決めたい!と意気込んでスタート。
終わってしまう、という後ろ髪を引かれる思いと、少しでも早いタイムを刻みたいという相反する思いを抱えながら、スロットルを開けていきます。
そして、昨日・今日と立て続けに餌食となった上りのワダチ。
ここは慎重に…行き過ぎました。
手前の右コーナーでフロントを滑らせてしまい、あっさりスリップダウン
ああ、やっぱりそうきましたか…。
結局、“ゲレンデCT”は4回すべて“撃沈”。もはや笑うしかありません。
 
“プレフィニッシュ”と“ワークタイム”のない“DAY2”は、テストが終わると、そのまま“フィニッシュ”を受けることになります。
指定時間を待って、鈴木さんとともにタイムカードを提出。
これで揃って“オンタイム”での完走となりました。
 
昨日のリベンジを果たすことができて嬉しく思うとともに、目標に挙げていた『一発完走』を達成することができ、心から満足している自分です。
そして、昨年“DAY2”で痛恨の転倒を喫し、惜しくもリタイヤとなってしまった鈴木さんにおいても、見事リベンジを果たしたといえるでしょう。ナイスラン!
 
マシンを押して、最後の“パルクフェルメ”へ。
「このバイク、こんなに重かったっけ?」
と感じたのは、至る所にこびり付いた泥のせいだけでは無いような気が。
さまざまな“手ごたえ”が、グリップから伝わってきたように思うのは、きっと気のせいじゃないんだろうな。
 
パドックへ戻ると、チームのみんなが笑顔で待っていてくれました。
皆さんのサポートと応援のおかげで、“無事に完走”することができました。
本当にありがとうございました。
 
【公式結果】は以下の通り。
NA #208 西川輝彦選手 “DAY13位、“DAY23位 総合優勝(キター!)
NB #429 鈴木正彦選手 “DAY119位、“DAY223位 総合19
W #159 難波美和子選手 “DAY1DNF、“DAY2DNS 総合8
クラブチーム“チームミワコングwith鈴木オート” 総合5
 
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西川さん、『総合優勝』ってナンデスカ!?
あまりに凄すぎて、開いた口が塞がりません。
以後、『チャンプ西川』と呼ばせていただきます!
 
そして自分はというと、
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NB #430 DAY126位、“DAY230位 総合26(^_^);
こんな感じでした。
まあ、無事にフィニッシュできたので、全てヨシ!

そして…あとで知って大変驚いたんですが、
NBクラス総合4位 #385 坂口智洋選手
実は我が母校東京工芸大学モーターサイクル部』の後輩だったとは、、、
いやはや、こんなスゴイ後輩がいたとは…頼もしい限りです!
坂口くん、おめでとうございます!

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そして迎えた表彰式。
NAクラスで見事総合優勝に輝いた“チャンプ西川”の晴れ姿を、チーム全員で見届けます。
いや、これホントに凄いことなんですよ!全日本選手権ですからね!!
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さすがに少し緊張していたのか、終始堅めのコメントに仲間内で苦笑い。
 
しかし…ここで物言いを唱えたのは、誰あろう“難波カントク”。(半分は“冗談”…なはず)
「ウィナーコメントに、サポートである我々に対する感謝の言葉が一言も入っていないってのは、どーいうことだっ!?」
と、表彰台から戻った西川さんを“口撃”。
「全然なっとらん!また明日から修行し直しだ!!」
との戒めに、
 
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チャンプ西川、全力の土下座タイムwww
 
チーム員のみならず、周囲のみんながこぞってスマホを向けるそのシーン。
ああ、なんというインスタ映えな瞬間なのでしょう!
さすが、持ってるオトコは違いますね!西川さん、一生付いていきます。m(_ _)m
 
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大会実行委員長の神保さんの挨拶をもって、全日程が終了。
2018年の“日高2Days ENDUROは、無事にその幕を閉じました。
初参加の自分はもちろん、エントラント全員にとって、天気にも恵まれた非常に素晴らしい大会だったと思います。
これもすべて、直前の地震による影響を鑑みながらも、周到かつ綿密に準備を進めた日高モーターサイクリストクラブ”JECプロモーション”のおかげであることは間違いありません。
そして忘れてならないのは、おかれている状況をきちんと判断し、参加を決断した全てのライダーの協力なくして、この成功はなかっただろうということ。
つまるところ、このようなイベントは、そこに集う“人のチカラ”なくして成功はありえないと考えています。
 
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今年で“34年目”を迎えたHTDE
脈々と受け継がれてきたものは“伝統”だけではなく、この地でこのレースを続けていきたいと願う“人々の熱く、そして強い想い”
それを目の当たりにし、その中に自分がいられたことを、今はとても幸運に思っています。
 
“祭り”を終えた日高の山が、オレンジ色に染まっていきます。
また来年もこの場所に“還って”こよう。
そんな思いを新たにしながら、日高町に別れを告げました。
 
(つづく)