◆9月15日(土)DAY 1(前編)
前夜から気になっていたんですが、季節外れの土曜の朝にテントがひと張り。
しかも、バイクが昔懐かし“KAWASAKI W1”…シブいツーリングライダーだなー。
と思っていたら、
なーんだ、『DirtSports編集部』の宮崎さんじゃないですか!
こんなところで何やってるの?
宮「実はツーリングの取材でして、、、」
内「HTDEの取材で来たんじゃないんだ?」
宮「いえ、それはそれで今日から二日間やるんですけどね」
抱き合わせとはいえ、わざわざW1で渡道とはご苦労様です。
でも、ちょっと羨ましく思ってしまうのは、何故だろう…。
朝食は、昨日セコマで買っておいた『ザンギバーガー』と『ちくわパン』。
前者はやはりここじゃないとお目にかかれない商品ですよねー。
お湯を沸かして、コーヒーをドリップ。
ふと荷物を取りにクルマへ戻り、扉を閉めて振り返ると、テーブルから慌てて飛び立つカラスが一羽…。
「んっ?」
そう、『ザンギバーガー』が跡形もなく消え去っていました。
テーブルからクルマまでは、ほんの5m。
まさに一瞬の隙をついてさらわれてしまった我が朝食…鮮やかすぎて涙も出ません。
淹れ立てのコーヒーと、残された『ちくわパン』。
中に詰まっていたツナの味は、心なしか酸味が強く感じられました。
可哀想に思ったのか、美和子さんが『バナナ』を一本分けてくれました。このご恩は一生忘れません。
早朝のそんなドラマはさておき、クルマで1分のパドックへと戻ります。
ここで、今回ご一緒させていただいたチームメンバーをご紹介。
(フィクションと想像を多分に含みます。先に謝っておきます。ごめんなさいm(_ _)m)
【国内A級(以下NA) #208 西川輝彦選手】BETA RR2T250
昨年HTDE初参戦を果たすも、『国内クラス』においていきなり入賞!
本来の“愛されキャラ”ゆえに、天然と評されるそのボケっぷりすらも愛おしさ漂う、実は繊細(かもしれない)心優しきライダー。
今シーズンは“国際B級昇格”を目指(すかどうかは不明)して、『黄色ゼッケン』で暴れまわる。
(いきなりイジり倒した当方に対し、警戒心発動中)
【国内B級(以下NB) #429 鈴木正彦選手】SHERCO SE250 FACTORY
商売の端々に「自分の欲しいものしか売らない・作らない」というポリシーをひしひしと感じる、職人肌のスペシャリスト。
XR400Rを見に来た客にも関わらず、イチオシのキャブ『PWKコンバージョンキット』のほうの購入を即決させる営業手腕はもはや“神”。
愛機に装着した『ハンドリアブレーキ』を武器に暴れまわる。
(当方に対し、強力に営業中)
【全日本ウィメンズ(以下W) #159 難波美和子選手】HUSQVARNA TE125
とにかく温厚で優しい、チームのムードメーカー。
普段は“おしどり夫婦”だが、バイクとなれば話は別!ダンナ様からの優しさ溢れるシゴキの成果で、難所における走破力は男性陣もタジタジ。通称『ミワコング』。
今回のHTDE参戦を“ひとくぎり”と本人はいうが、「そうは問屋がおろさない」と周囲のみんなにロックオンされる愛されっぷり。
レース直前に鈴木オートにて施した『ローダウンサスペンション』を武器に暴れまわる。
(当方に対し、バナナにて餌付け済)
【チーム監督 難波剛治】TOYOTA HI-ACE VAN SUPER GL
初参戦の自分には経験とスキルに裏打ちされた優しさ溢れるアドバイスを、上を目指す西川選手には(本人がやりたがっていないにも関わらず)プレフィニッシュ後のタイヤ交換を強制する厳しさを与える、チームにおける『全能の神』。
名誉の負傷により今大会は監督に専念。
(当方に対し、最終戦SUGOのエントリーを絶賛強制中)
また、同じパドックに集う仲間として、
・島崎さん(一番右)ご夫妻(ヒメマルさん)
・滝沢さん(一番左)ご夫妻
・大竹さん(右から2番目)
にも、大変お世話になりました。
改めて御礼申し上げます。m(_ _)m
さて、スタート前にやらなきゃいけないこととして、その日の『タイム設定』を確認し、各タイムチェック(以下TC)の通過時間を確認しなければいけません。
当日の天気・コースコンディションなどにより、A~Cまでのタイムが設定され、それぞれで基準タイムが異なってきます。
今回のHTDE DAY1は“Bタイム”ということで、受付時に渡されたタイムシートから自分のゼッケン番号に該当する基準タイムを確認。
それを書き留めて、レース中に持参します。
今回は鈴木さんがラミネート加工したタイムシートを用意してくれていた(ありがとうございます!)ので、それに各々の時間を書き込み、バイクに取り付けたタイムカードホルダーに入れておきます。
HTDEは121km(!)のコースを一日に一周しかしないので、ピットでの作業はDAY1プレフィニッシュ直後の15分間のみに限定されます。
自分的には「パンクはしない!させない!」と勝手に決めつけているわけですが、念のために最低限の工具は準備しておくことで平静を装うようにします。
あとは、レース中に背負うハイドレーションの飲み物を用意して、ウェアに着替えれば準備OK…のはず。
8時20分から始まったライダーズブリーフィングが終わると、1組目の国際A級(以下IA)のライダーがパルクフェルメに入場します。
そこから5分後にワーキングエリアにマシンを押して移動し、与えられた10分間のワーキングタイムでマシンを最終チェック。
その後、1組3台ずつが指定された時間にスタートしていきます。
今回、自分のスタート時間は9時6分。
嬉しいことに、鈴木さん(#429)と同じ組となりました。
同じ組であればタイムシートの基準タイムは一緒。
つまり、自分が指定時間通り(オンタイム)に競技を進められれば、TCで必ず鈴木さんとご一緒できるはず、ということになります。
上級クラスからのスタートとなるため、NAの西川さんは一足先にスタートエリアへ。
いってらっしゃーい。
ちなみに、スタート時間になるまで、エンジンは一切掛けてはいけません。
8時51分にパルクフェルメに入場し、今日から二日間共に戦うマシンの元へ。
タイムカードをタイムシート共に、カードホルダーへ大切にしまいます。
各TC・テストには、全て電波時計が用意されていますが、走行中においても要所要所で正しい時間の確認は必須。
そのため、安物ではありますが“電波式の腕時計”をハンドルバーに取り付けておきます。
一応、自分なりにマシンは準備して来たつもりなので、ワーキングエリアでは手持ちぶさた。
すると、KTMのワークスピットに入っている“MONDO MOTO”の市川さんが、
「濡れたらこれでゴーグルでも拭きなよ」
とメーターの隙間にペーパーウェスを押し込んでくれました。
過去に数回、サスペンションのメンテナンスでお世話になっただけの自分を覚えていてくださったことに感謝!
なんだか理由もなく、完走できそうな気がして来ました。(笑)
1分ごとに各組がスタートしていきます。
バイクを押しながら、徐々に近付くスタートラインにやはりドキドキ。
そして、ついに前の組がスタートし、次は自分たちの番です。
同じ組となる、#428奥野さん・#429鈴木さんと健闘を誓います。
そして、9時6分。
カウントダウンが“ゼロ”になった瞬間、スタートフラッグが振り下ろされました。
落ち着いてチョークレバーを引き、セルボタンでクランキング。
寝起きの良い我が愛機は、一発で目覚めてくれました。ご機嫌だね!
スタート時刻から1分以内に20m先のラインを自走状態で通過すれば良いため、スタートラインでしばしエンジンを暖気。
その後、チョークレバーを戻したところで、スロットルを煽りながらゆっくりとクラッチを繋ぎます。
愛機と共に越える、初めての“20mライン”。
自分が憧れ続けた、“HTDE”がいよいよ始まります!
(つづく)