内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

HINO HARD ENDURO、行ってみた【その1】

日本中がラグビーワールドカップ一色に染まっていた、10月の日曜日のこと。
自分はチームのみんなと、大画面でスコットランド戦を観ながら楽しく盛り上がっておりました。
点が入るたびに絶叫を上げ、カントクは知らない人と乾杯を繰り返して、とても楽しそう。

元々この日は群馬県にあるオフロードコースにみんなで走りに行く予定だったんですが、折しも台風直撃の予報からコースはクローズ。
早々に雨が上がったこともあり、急遽ラグビーを観戦しながら飲もう!という話になったわけです。
いやぁ、見応えのある試合展開のすえに日本も勝ったし、最高に楽しい夜でした。

その席で、ふと思い出して前に座っていたN川さんに聞きました。

【カントク:以下、カM子さん:以下、MN川

さん:以下、N店主:以下、店
店:「そういえばN川さん、最終戦の“日野”は出るんすか?」
N:「一応、そのつもりですけどね」
店:「実は北海道からO野さん(昨年の日高で自分と同じ組で回ったライダー)も来るっていうし、N川さんも出るなら応援がてらに写真撮りに行こうかと思って」
N:「え?内田さんも出ましょうよ
店:「いやいや、無理ですよー。自分じゃバイク壊しちゃうもん」
N:「“ミディアムクラス”なら大丈夫ですよ。みんなで出ましょうよ。ねえ、カントク?」
カ:「良いっすね!じゃあ、自分も“ハードクラス”で出ますよ!もちろんN川さんは“G-NETクラス”ですよね?」
N:「ええ、一応」
カ:「じゃあ決まりっすね。内田さん、いいですね?うおー!イケー、田村ー!
店:「は、はい…。あ、じゃあM子さんも“ミディアムクラス”で一緒ですかね?」
M:「いや、あたしは出ないよー。ウッチー、頑張ってね!」
店:「…」

ということで、一度も走ったことのない『日野カントリーオフロードランド』で、一度も出たことのない“ハードエンデューロ”に出ることが、酒の勢いで急遽決定しました。
“最終戦”とは、『G-NET』が主催する『全日本ハードエンデューロ選手権』の第5戦・第6戦のことで、11/23-24の二日間で行われる大会です。

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そう、自分は今まで一度も“ハードエンデューロというものに出たことがありません。
だって、“ハードエンデューロ”って…

f:id:furasora:20191121230237j:plainこんな延々続くガレ場を走ったり、

f:id:furasora:20191121230246j:plain時にはバイクとともに水浴びに興じたり、

f:id:furasora:20191121230306j:plainちょっと無理めなヒルクライムで、最後に発射してみたり…

と自分の印象としては、バイクと身体にとって完全に3Kを越えた“4K”である
・キツイ
・キタナイ
・キケン
・コワレル
が揃ったカテゴリだと思っていたものですから。

しかし、この夏の北海道ツーリングの際に、チームのN川さんが参戦した『HIDAKA ROCKS』というハードエンデューロ(これがG-NETの第4戦)を観戦し、

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“或るワカモノ”の最後のゴールシーンに立ち会ったことで、少なからず“熱”を貰ってしまったことは事実。

今まで“食わず嫌い”だった自分でしたが、例え
「もう二度と出ない!」
と言うにしても、そのためには一度は体験しておかないとですよね。(微妙な前向き加減)
そして、この“ハードエンデューロ”が
「なぜ、そんなにみんなを駆り立てるのか?」
というのを知りたくなった、というのもあります。

まあ、いろいろと書きましたが、とりあえずは半ば強制的に出ることになったわけです。
でも、出るからにはあわよくば完走できれば良いなー、という甘い妄想を抱いてみたりして。
なので、マシンのほうもそのためにちゃんと整備しておかなくちゃです。

まずは、先日の勝沼でのレースでとどめを刺した、“左フロントフォークのオイル漏れ”。

f:id:furasora:20191121225040j:plainこれは、前後ともにオーバーホール決定ですね。

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無事だったとはいえ“右フロントフォーク”は当然として、リンクレスのKTMは“リアショックユニット”の仕事量も多いですし。
台風で被災したにも関わらず、素晴らしい仕事をしていただいた自分の主治医『鈴木オート』さんには本当に感謝です。

お次はタイヤ。
最近のトレンドとして、“ハードエンデューロ”にはコンパウンドの柔らかい“ガミータイヤ”がお約束。
自分も悩んだんですが、自宅にストックしてあったソフト路面用MXタイヤ『ブリヂストンX20』を選びました。
理由は簡単。

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「だって、新品が家にあったから」
実はこれ、事前の天気予報で台風接近の報を聞いていた先日の勝沼用に購入したんですよね。
あそこは一度降ると地獄絵図のようなマディになるケースがあり、何度か手痛い目にあっていたものですから。
しかし蓋を開けてみると、しばらく雨の降らなかったハードパックの勝沼にこのタイヤは不適。
フレッシュのまま温存してあったので、今回の日野用に投入する運びとなりました。
これが吉と出るか凶と出るか…。

そして最近、サイレンサーからの排気音がちょっと賑やかになってきた印象があったものですから、

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内部のグラスウールをリパックしておきます。
レース車といえど、割れるような音質は精神的にもよくありません。
少し濡れたようなこもった排気音こそが“エンデューロバイクらしい”と思っている自分です。

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懸念とは裏腹に、意外とキレイでしたねー。オイルでもっとデロデロになってるかと思ってました。(汗)

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ついでに、チャンバーフランジのOリングも替えておきますかね。
ここは高温にさらされたり冷えたりを繰り返しているうちに、硬化したゴムがヒビ割れて終わる、という箇所です。

最後に“ハードエンデューロ”における『マナー』だと聞いた、“スタックベルト”を取り付け。
これを付けてないと「助けてもらえない…」という、恐怖の掟があるとかないとか。

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フロント用は専用品を入手したんですが、リア側はシートレールが露出していないので取り付けに悩みました。

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結果、タイダウンのサブベルトをシートエンドになんとなく取り付け。
ベルト自体が固定されてはいないので、後方に加重するとすっぽ抜ける可能性大です。(苦笑)

とりあえずマシンはこんな感じで

 

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そして、大本営から“エントリーリスト”が正式発表されました。

準備の最中に話は聞いていましたが、O野さんも“ミディアムクラス”にエントリーしてるし…。
写真は撮れなくなってしまいましたが、一緒に走れるからそれはそれでヨシ!
滑り込みで『鈴木オート』の店主もエントリーしており、期せずして昨年のHTDEでの同組トリオが顔を揃えた形となりました。
これはこれで、嬉しいですね。

さて、もうあとは当日の路面コンディションを祈るばかり。
無事に帰ってこられますように…。
(つづく)