内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

Welcome “くまきち”!【その1】

梅雨真っ只中の、6月の終わりの週末。
今週に限って習い事のない息子から発せられる、『どこか連れてってオーラ』がハンパない…。

うーん、じゃあ一緒に行くか?

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ということで、『ぶらり途中下車の旅』スタートです。
(途中下車しないけど)

 

JR南武線から青梅線五日市線と乗り継ぎ、

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ちょっとした車掌気分を味わうも、いとおかし。

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山ガールにまぎれて降り立ったのは、霧雨そぼ降る東京都の西の果て。
(正しくは、奥多摩駅のほうが西端かな)

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そこから更に“汽車”(?)に乗ります。

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そして、最後にようやく“途中下車”し、着いたところは緑に囲まれた何故かバイク屋さん…。

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はい、『鈴木オート』さんです。

 

それにしてもですよ。
待ち時間を含めても、家から4時間弱…いやぁ遠かった!
ここはホントに“神奈川県のお隣”なんでしょうか。
とはいえ、環境は非常によく、作業に没頭するならうってつけの場所であることは間違いありません。

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店舗(?)に入ると、部屋のど真ん中に鎮座する黒いバイクが一台…。
そう、今日の目的はまさにこれ。

『HONDA CROSS CUB110 くまモンVer.』、納車です!

 

13年間愛用していた『SUZUKI Address V125G』ですが、さすがにちょっとくたびれ感がハンパない。
そして、10月に予定されている“消費増税”を前に、カミさんから思いもよらない一言が。

くまモンver.なら、お金貸してあげても良いよ」

え?なんで?
いや、確かに自分も「CROSS CUB、イイナー」と思ってはいたんですけどね。
で、限定車として「くまモンVer.」が出ることも知っていました。
先日の『東京モーターサイクルショー』で実車を見ることができたんですが、そこでカミさん
「かわえぇ」
と一目惚れしたんだとか。
元々、両親が宮崎出身ということで九州にも深い愛を持つカミさんは、実は『くまモン好き』。
その琴線に触れてしまった、というわけなのでした。

 

自分:「じゃあ、自分が買い替えて乗れば?」
カミさん:「シフトチェンジが難しそうだし、私は自分のAddress(V125S LTD.)くんを大事にしてるから」
自分:「練習すればいいじゃん。Addressは自分が乗るし」
カミさん:「くまモンが家にあればいいの。それにあれ、熊本(熊本製作所)で造ってるんでしょ?Made in Japan、良いじゃない!(ハ〇キルーペか?)」
自分:「そりゃまあ、そうだけどさ」
カミさん:「何?それとも欲しくないの?」
自分:「…欲しいです」
カミさん:「よろしい」

まあ何というか、ちょっと感覚がアリガタイ方向にズレている我が家です。

 

ここ20年ほど、バイクは悩むことなく『モトパワーレーシング』で購入していたんですが、昨年2月にお店を畳まれてしまいました。
となると、お世話になるのはここしかない!
ということで、昨年の日高の前からいろいろとお世話になっていた『鈴木オート』一択です。

 

で、どうせあそこまで引き取りに行くなら、ナラシがてら乗って帰ろう。
あわよくば、一泊でツーリングとかしちゃう?
などと妄想が膨らみまくり、ついでに息子を巻き込んで“家族サービス”(笑)へと昇華させた次第です。

 

改めてまじまじと実車を見ると、限定車としてこれがまた随分と手の込んだ仕上がりじゃないですか。
アチラコチラにくまモン味』が巻き散らかされています。

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同じ限定車の『くまモンキー』よりちょっと大きめのエンブレムがドーン。

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メインキーにもくま…アフリカツインより立派なカギだな、これ。

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メインフレームカバーにも、惜しみなく溢れる『くまもと愛』。

 

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さらにシートを開けると、カラーコードのステッカーにまで足跡が…。

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とどめは、『CROSS CUB』のロゴも実はくまモンVer.専用だったりします。
いやー、これデザイナー遊びすぎでしょ。
こういうの、弱いんですよねぇ。

 

で、CROSS CUB。110ccということで、“二人乗りOK”。
しかし、タンデムステップは付いているんですが、タンデムシートがありません。

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これは鉄のキャリアに“直座り”か?

 

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「いや、そこはご心配なく!」

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「持ってきました!」(完全にヤラセです。汗)
工具いらずでワンタッチという、純正クオリティのタンデムシートを装着。
これでバッチリです!

 

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持参したナンバープレートを鈴木さんに取り付けてもらったら、

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さあ、行くぜ!

 

かくいう自分も、実は『カブ』に乗るのは正しくは初めてだったりします。
学生時代の郵便局のバイトで『YAMAHA MATE』に乗ってはいたものの、あちらは2st、カブは4st。
クラッチ機構なども少しずつ違いはあるようなのですが、いずれにしても30年前に仕事で乗っただけのバイクですしね。
もうすっかり忘れてしまいました。(てへ)

 

ペダルをローギアに踏み込んで、ゆっくりとスタート。
店の前から市街地へは緩やかな下り坂です。
一つずつ、丁寧にペダルを押し込むようにシフトアップしていきます。
が、これは遅い!
マジで遅い!

 

でも、ハンパなく楽しくて笑いが止まらない!
いやもう、走り出した瞬間からニヤニヤが止まらなかったんですが、笑いながら運転する自分を、後席の息子は不思議そうに眺めていたことでしょう。
この遅さは、なんと味わい深いことか!
カブに魅了される方がいるのは知っていましたが、これはもう自分もヤミツキになっちゃいそう。
そのくらい、この「スピードを出さない快感」を知ってしまったら、飛ばすのが勿体なく思えるほどです。

 

「まさかこの時代に、“前後ドラムブレーキ”のバイクを新車で買うとはなぁ」

まだ効きも甘いので、車間を空けて流れに乗って走ります。
とりあえず奥多摩方面にハンドルを向け、目指すは当然

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“ダム”。(笑)

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都内2か所目となるカード配布ダム『白丸調整池ダム』は、本流とは別に地下に『魚道』を備えた作りが特徴です。
環境保全とはいえ、よく作ったなー。

 

のんびり社会科見学していたら、ポツポツと雨が降ってきました。
まあ、天気予報は“激下り坂”でしたからね。
むしろ、ここまでよく持ったというべきか。

 

進路はひたすら西へ。
奥多摩湖小河内ダム。ここもカード配布ダム)を越え、丹波山村に入るとそこはもう山梨県です。
そのまま進むと、九十九折れのキツイ峠道に。
ナラシということもあってあまり低いギアで引っ張りたくはないので、自転車並みのジリジリとしたスピードで“柳沢峠”を越えていきます。
ここからの下り坂は、細いタイヤと軽い車体を活かして、まるでスキーのカービングターンのようにコーナーを切り取っていきます。
これがまた気持ちいいんだよね!
タンデムであることも忘れ(ベルトで繋がってる息子は寝てるし)、しばし路面との対話を楽しみます。

 

裂石温泉を過ぎたところで、国道にお別れ。
さらに左側の山の中へと入っていきます。
ここは自分も初めて通る道。
先程の柳沢峠など比べ物にならない急峻な県道をじわじわ登り、下り斜面を滑り降りていくと、右手の森の中にチラチラと見え隠れするもの、それは

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“ダム”。(大笑)
この『上日川ダム』、以前から行きたいと思っていたんですが、国道から随分と外れることもあってなかなかルートに組み込めなかったんですよね。
今回ようやく訪れることができて大満足です!

 

それにしても、自分で言うのもなんですが、何という自己中なルーティング…すまんな、息子よ。

 

国道20号まで下りてきたら、あとはひたすら宿へと急ぎます。
笹子トンネルをくぐり、初狩市街から都留へと抜け、139号を西進するとそこは富士吉田。
富士吉田といえば、当然夕飯は『吉田のうどん』で決まりでしょう。
しかし、ほとんどの店が昼営業のみとなっており、なかなか尋ねあたりません。
やむなく『富士山駅(旧 富士吉田駅)』に立ち寄り、うどんガイドブックをゲット。

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ようやく、腹も落ち着きました。満足。

 

今日の宿は、山中湖畔にほど近い格安施設。
学生さん達の合宿所としても使用されているところでした。
素泊まりとはいえ、二人で一泊5,000円(!)という驚愕プライス!
もちろん、設備はそれなりですが、まあ良いじゃないですか。

のんびりと風呂に浸かり、部屋に戻って息子はお菓子を、自分はビールを飲んで人心地。
さて、明日の天気はどうなりますやら…。
(つづく)