内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

CT125との日々【その2】

ようやく走行距離が300kmを超えました。

前のCROSS CUB110の時は納車翌日には300km超えてたのに…まあ、忙しかったんで仕方ないです。

ナラシとはいえ、なかなかの高燃費。

これぞカブ。ステキすぎます。

それにしても、この“トリップメーター”の小数点の見え辛さと言ったらもう。

日中での視認性はホント悪い。最初は液晶のドット抜けを真剣に疑ったくらいです。

欲を言えばギアポジション表示が欲しいところだけど、少なくともデジタルメーターなんだから時計くらい付けてくれても良かったのでは?

まあ不満ばかり言っても仕方がない。

それでもやっぱり乗ると笑顔になれちゃうから許せちゃう。

それがカブ。

 

閑話休題

300km超えたので、待ちに待ったオイル交換です。

ドレンボルトはスキッドプレートから完全に逃げてました。

これなら外さなくてもオイルが腹下に流れ込む心配は少ないかな。

ただし、風の強い日は要注意ですけど。(そんな日はやるなって?)

金属粉はあまり出てきませんが、距離の割には汚れてますね。

センタースタンドの下に木片噛ませて、車体を傾けてなるべくオイルを排出するスタイル。

当然反対側も持ち上げてやりました。

 

前モデル(JA55)からエンジンが変わったことで、オイルフィルターが採用されたJA65。

CROSS CUB110の時もオイルフィルター採用されていたので、個人的にはこっちの方が安心度は高いかな。

もちろん、無くても耐久性などはきちんと確保されるように開発してるんだと思います。

単に自分がオイルフィルター交換したいだけの人だったり。

 

さて、ここでオイルフィルターとフィルターカバーのO-リングについて。

こちら、CT125(JA65)のパーツリスト。

そして、こっちがCROSS CUB110のパーツリストです。

オイルフィルターの品番は同じなんですが、

フィルターカバーにつくO-リングの品番が違います。

でもどちらも『39.8×2.2』でサイズは一緒ですし、製造メーカーも『アライ』で一緒。

唯一の違いは“製造国”?

CT125の品番は“MADE IN THAILAND”になってますね。

そのためか、ほんの少し部品代が安くなってます。

(CT125:145円、CROSS CUB110:160円。どちらも税別)

いずれは品番統合されるような気もしますが、問題なく流用できるんだと思います。

 

CROSS CUB110のオイルフィルターとO-リング、実は我が家のアフリカツイン(CRF1100L)のDCT用のものと共通なんですよね。

なので、現在ストックがこんな感じに。

人はこれを“満たされる”というのです。わかりますね?

 

ちなみにこのバイクにはもう一つ、“オイルストレーナ”も付いていたりします。

位置はドレンボルトの上になるんですが、これを清掃するためには右側のクランクケースカバーを外す必要があります。

本当はやっておきたいところなんですが、ケースカバーガスケットを注文していなかったため今回は断念。

カバーを外す際にガスケットが千切れてしまったら、その時点で作業中断になってしまいますのでね。

次回に持ち越します。

 

さて、新しいオイルを入れていきましょう。

オイルフィルター交換時のオイル容量は0.85L。

エンジンオイルはストックしているCastrol POWER 1(10W-40)を使います。

我が家ではレース車とアフリカツインがフルシンセ(全合成油)、それ以外はセミシンセ(部分合成油)を使っています。

レース車は言わずもがなですが、長距離ランナーのアフリカツインは交換サイクルを3000kmにしているので保険みたいなものですね。

CT125を含むセミシンセを使っている車両は、すべて2000kmインターバルでの交換としています。

 

今回はナラシ中の一発目ということで、“おまじない”も投入。

『Omega 1000』というオイル添加剤です。

正直アフリカツインに入れた時は違いがあまりよく分からなかったんですが、小排気量車のCROSS CUB110では笑っちゃうくらいにシフトの入りが良くなったんですよね。

気持ちよく乗れて、エンジンへの労りにもなるのであれば、ここは大事をとって入れておきたいところです。

高校時代に自宅で写真の現像や引き伸ばしをしていた時に買った漏斗が現役で活躍中。

バイクはコロコロ変わるくせに、変なところで物持ちの良い自分です。

メスシリンダーの最後の一滴まで注ぎ切りたい、という意思を込めて。

この状態で一時間放置しておきます。

 

入れ終わったら、最後にエンジンをかけてオイルレベルをチェック。

あまりにきっちり抜いてしまったからか、0.85Lではディップスティックがギリギリ油面に届く程度だったので、もう0.02L追加しておきました。

これでレベルも規定値に収まりました。

 

ついでにクラッチの調整なども。

このシンプルな構造を考えた人、本当にスゴイと思います。(ソーイチローさん?)

シフトアップはスコスコ入るんですが、シフトダウンに少し引っ掛かりを感じていたんですよね。

この後試乗してみましたが、バッチリ解消されていました。

まあクラッチ調整のおかげか、添加剤の効能かは分かりませんけど。

 

まずは一度オイル交換を済ませたので、ここからはもう少しアクセルを開けていきましょう。

引き続き、低いギアで上まで引っ張ったり、急加速(激しい加速は全然しないけど)などはしませんけどね。

 

少しずつ当たりが付いて、どんどん気持ちよくなっていくCT125。

やっぱりカブは最高ですね。

CRM250R レストア日記 “シーズン2”【その6】

そして、このバイクには“お役目”を授けたいと思います。

“コマ図ラリー”用として走っていただこうかと。

最近、年に数回スタッフとして携わっているので、そのルート移動用として活躍していただきます。

競技として出るわけではないので激しい走りをする事はないし、それでも定期的に数百キロを走ることになるので、調子維持を目的としたならうってつけかな、と思った次第。

ステーを何度もひっくり返し、角度を微調整しながら試行錯誤。

電動マップケースとトリップメーターの操作系も、なんとなく収まりよく付いてちょっと満足。

 

ここで問題になるのは「電源、どーするよ?」ってこと。

過去のコマ図用車両は、すべてセル付きの4st車。

なので、バッテリーと発電系が最初から備わってたので全く問題なかったんですよね。

しかし、このCRMはバッテリーレスの2st車。

最初はコンデンサの近くから12Vを取ろうかと思っていたんですが、回転が落ちると電圧が不安定になるのでは、と。

実際、過去の車両でも電装品を積みすぎたために、GPS測位のトリップメーターの電源が時折落ちてしまうなどのトラブルがあったんですよね。やはり安定して電源供給できることが大前提かと。

 

ちょっと悩んでいたんですが、クルマにこんなものを常備していたのをすっかり忘れてました。

カーセキュリティで有名なPRO-TECTA『Volt Magic』。つまりは“ジャンプスターター”です。

同社のラインアップの中ではもっとも小さいタイプですが、これでも3000ccクラスのガソリン車のセルを回せるくらいのチカラがあるらしいです。

12V車のセルを回せるということは、きっちり12Vをアウトプットできるということ。

今回の用途において実際にはそこまでの電圧は要らないと思いますが、丸一日これで持ってくれれば万々歳ですからね。

自分はレース車がセルオンリーなので、現地での非常用として車内に積んでいた次第です。

サブハーネスを作って

ばっちり動きました!

マップケースのバックライトが常時点灯なので、この状態で一昼夜放っておいたんですが電池残量は全く問題ありませんでした。

まあこれさえ持っていれば、万が一の時には他のバイクのセルを回すこともできますしね。

まずはこれで一安心です!

 

そういえば、クラッチレバーをクランプごと交換してしまったので、左のミラーマウントが無くなってしまいました。

自分は公道ではミラーが左右揃っていないと怖くて仕方がないので、

汎用のミラーホルダーを用意。

もうハンドル左側はぎっちぎちですよ。(笑)

ちなみに、可倒式のフレキシブルミラーは、手持ちのストックを使いました。

やはりここでもノーマルミラーは温存しておきたいので。

 

そして最後にタイヤ交換。

安い時に買っておいたものを投入します。

『DUNLOP D603』って、もう30年近く前からあるんじゃないかな。息が長いということは、やはり良いタイヤなんだと思います。

交換のついで、“ビードストッパー”を一つ、前後共に装着しておくことにします。

本来はエアを抜いた場合のリムスリップを防止するアイテムです。

しかしこのCRMはレース車ではないので、万が一パンクの際に何とか自走できるようにしておくため。

エアが抜け切ってビードがリムから完全に落ちてしまえば、真っ直ぐ走ることさえ難しくなってしまいますからね。

その点、ビードストッパーを付けておけば、何とか前に進むことはできるかな、と。

リムフェイスのRにワッシャーが直接当たって傷つけないように、これもストックしてあったカラーを噛ませます。

一応、バルブキャップも“虫回し”が付いているものに交換しておきます。

これで工具が一つ減らせますからね。

 

ちなみに、チューブのエアバルブの根本は普通にナットで締め付けています。

レース車だとエアを抜くことが前提なので、加減速時にタイヤが揉まれてリム内にバルブが引き込まれてもげる事のないようにナットは使用せず、代わりにゴム製のマッドガードを付けています。

しかし、自分は林道走行時もタイヤのエアは標準値から抜くことがないため、バルブがタイヤ内に引き込まれる心配はほぼありません。

クローズして競技区間として使用されるのであれば別ですが、林道走行においてエアバルブのズレを引き起こすほどの急な加減速を伴う走りは単に路面とタイヤを痛めるだけです。

実際、35年弱バイクに乗って時々林道なども走っていますが、おかげで一度もパンクしたことはありません。

また、グリップ力を求めてタイヤのエアを抜く、というのも何か違うのではと考える次第。

だって、林道はサーキットじゃありませんからね。対向車も歩行者もある、立派な“公道”です。

 

閑話休題

 

いやあ、これぞ“トレールタイヤ”って感じですが、その控えめさがかえってスマートでカッコイイですね。

本当はリアスプロケットをもう少し大きくして、高めのギアで走れるようにしたかったんですが、そうなるとドライブチェーンも要交換となるので今回は様子見。

これにてひとまず完成。

まずは月内に行われるコマ図ラリーでシェイクダウンといきましょう。

 

ところで…

実はこのバイクで“一度も”ダート走ったことがないんですよね。

大丈夫かな、自分…。

(つづく)

CRM250R レストア日記 “シーズン2”【その5】

そしてお次はハンドル周り。

ノーマルのハンドルバーは鉄製で、これがひとコケで結構あっさりと曲がってしまいます。

転ぶつもりはさらさらありませんが、いずれにしてもノーマルパーツは極力残しておきたいところ。

ストックしていたRENTHALのアルミハンドルバーに交換します。

今となっては珍しい“フルワッフル”のグリップラバーも、エアブローで抜き取って保存します。

左右スイッチボックスとスロットルホルダーを外して、ハンドル単体に。

 

ハンドルバーの比較です。

自分は絞りが少なめのバーが好みなので、やはり交換が吉。

 

ここでスイッチボックスに“HONDA車あるある”です。

スイッチボックスに回り留めと位置決めのための“突起”と、それを受けるためのハンドルバーに穴が空いています。

自分のバイクであれば、突起なんてリューターで削り落としてしまうところですが、これは大切な預かり物。

 

ちゃんと測って、ポンチで穴位置を決めて、

「チュイ〜ン」

強度が落ちてしまうので、あくまで貫通はさせません。

アルミハンドルは鉄製に比べて肉が厚いので、程々のところで止めておきます。

 

皆さんご存知のことと思いますが、ハンドルバーをトップブリッジに固定する際、ハンドルクランプの前後には注意が必要です。

ここに小さくポンチが打たれているのがお分かりかと思いますが、これがついている方が必ず“前側”となります。

この手のクランプには二種類あり、ポンチが打たれている場合は例外なくクランプの高さが違います。

この場合は、画像の左側(ポンチのある車体前方側)より、右側の方がクランプ高が低いのがわかると思います。

これは、前方側を先に締め付けておいて、後方側を割締めとして固定していく、というのが正解です。

自分の知る限り、このポンチはどのバイクでも共通でして、

CT125(ハンターカブ)はもちろん、

ヤマハでも同じです。

ちなみに、ポンチ穴が無い場合は、前後のクランプ高が一緒のはず。

その場合は、前後均等に締めていき、最後に前後のハンドルホルダーの隙間は均等になるのが正解です。

 

次はスロットルホルダー。

ノーマルはクローズドエンドのタイプとなっており、今回使用するクローズドタイプのハンドガードの場合、エンドを削り落とさなければなりません。

ノーマルパーツを切り刻むことに良心の呵責を覚えたので、

ZETAのスロットルチューブを用意。

しかし、こちらもクローズドエンドとなっているため、

こちらは遠慮なく切り落とします。

純正のスロットルグリップは大切に取っておきたいので、

新車外しのYZ用のグリップを使用します。

YAMAHA”のロゴが整形されていますが、

ノーマルのグリップよりもちょっと長めで、しかもバーエンドを貫通させないといけないので

迷わずカット。これでグリップ長もほぼノーマル同等になりました。

 

さて、ハンドル周りを元通りにしていきます。

スイッチボックスもキレイに収まりました。うっとり。

 

クローズドタイプのハンドガードを付けるために、ブレーキレバーをショートタイプに交換。

しかし、クラッチ側のショートレバーはすでにどのメーカーも終売。

さて困ったな…と思っていたところに、いつもお世話になっている『ラフ&ロード』のTさんからのご提案。

「え、マジですか…?」

これは、2000年頃にRENTHALがリリースした『インテリレバー』というもの。

これ、当時としてはかなり画期的なパーツでして

レバーの途中にピボットが設けられており、そこから曲がることで折れるのを防ぐという、ヒジョーに凝った造りのレバーです。

かなり試行錯誤はありましたが無事に取り付け完了。

元々はレーサー用のレバーなので、スイッチボックスの逃げとかがほとんど考慮されていないんですよね。

そのためこのバイクにおいてセッティングの自由度は低いんですが、造りの良さは間違いないのでしばらくこれで行きましょう。

 

そしてハンドガードは、これまたストックしておいたZETAを使用。

今更ですが、ディフレクターが黄色なのは何故?とか言わないように。

これが我が家のバイクのアイデンティティです。異論は認めません。

 

ここまで組んでおきながら、グリップへのワイヤリングをすっかり忘れておりました。イカイカン。

グリップ部におけるワイヤリングですが、自分は必ずこの位置で行います。

理由は手のひらにも指先にもワイヤーの結束部が当たらない位置だから。

最後にカットする際も、必ず斜めにニッパーを入れます。

そうすることで、カット先端が斜めに尖っており、グリップラバーに埋め込みやすいからです。

小さいことですが、整備ってそういう積み重ねだと思っている自分です。

もちろん、これは自分が素人だからですね。掛ける時間だけはそれなりに取れますので。

趣味の一環ですので、効率なんて度外視です。

 

(つづく)

CT125との日々【その1】

そして、我が家にやってきた『CT125』。

まだ1mも走らせてはいませんが、

やはり“納車整備”は自分でやるでしょう!

リアサスペンションはツインショックなので、リンクの無いシンプルな構造。

ですが、右のショックマウントボルトがサイレンサーの取り付けを兼ねているため、結構外す部品は多いです。

最初構造が分からなくて意外とてこずったのが、エンジンガードを取り付けているアンダーループ。上側のマウントを外すのにカバーを取らねばならず、そのカバーを外すために…と試行錯誤の作業でした。

もちろん、“教科書”はすでに入手済。

パーツリストは最近メーカーHPで公開されているんですが、ホンダは価格が出ていないんですよね。

原本には発売時の部品価格が全て載っているので、やはり入手しておきたいところです。

サービスマニュアルは基本的には締め付けトルク値の確認のためにも必須ですね。

指定トルク通りにスイングアームのピボットボルトを締めたんですが、意外と動きが渋くてビックリ。

ベアリングではなくブッシュ式だからでしょうか。

これは少しアタリが出るまで様子を見ておいた方が良さげな感じです。

 

時間オーバーになって、リア周りを組み上げたところで一旦作業は中断。

でも、ここまでやっておいて、フロント周りをやらずに乗れるかっていうハナシですよ。

こちらはステムのグリスアップと、指定値でのフロント周り組み直しがメインです。

トップブリッジを外してベアリングとご対面。

ホルダー付きのボールベアリングですね。

はい、コッテリと徹底的にグリスを詰め込みます。

上側はベアリングレースとヘッドパイプの隙間をグリスで“ツライチ”に埋めるように。

下側はボールとレースにたっぷり給脂して、ステムシャフトにも塗り塗り。これは専ら錆止めですね。

 

なお、通常のカブ系の車両のフロントフォークはアンダーブラケットのみで保持されていますが、“ハンダーカブ”にはトップブリッジが装着されており、フォークも上下でクランプしています。

これは先代『CT110』の頃からの伝統みたいなものですね。

 

フロントフォーク上下の三つ又に差し込み、整列を出してからステムナットを指定値で締結。

次に片側だけ指定トルクでフォークを固定したら、

反対側の突き出しを大体合わせて、アクスルシャフトがスムーズに手で入れられることを確認。

トップブリッジ、アンダーブラケット、アクスルシャフトの3箇所できちんと平行を出すことが重要ですね。

突き出し量が決まったら、反対側も指定値でフォークを固定します。

あとは組み上げれば完成ですね。

 

このタイミングで、アンダーブラケットについていた“リフレクター”は外してしまいました。

理由は単に軽量化です。微々たるもんですけどね。

 

これでようやく走れる状態になりました。

まずは“ノーマル”を味わってから、部品取り付けや交換をしていくつもりだったんですが、どうしてもここだけは換えておきたくて。

それが“ステップ”。

ノーマルはソールを痛めないようにラバーが被せてあるんですが、これが濡れるとかなり滑ります。

力強く踏み込むと金属製のギザギザの“刃”の部分にソールが噛んでくれそうではあったんですが、やはり普段から足裏のグリップだけは大切だと思っているものですから。

今回もCROSS CUBの時同様、DRC製の『ワイドフットペグ クロモリ』を用意。

ノーマルとの比較です。

横幅自体はノーマルの方がありますが、個人的には“前後幅”の方が重要だと考えています。

それは主にスタンディングでの積極的なステップ加重の際に重視される要素ではあるのですが、まあ慣れということで。

そして重要な事がもう一つ。“ステップの高さ”です。

先ほどのノーマルと比較して、ステップ上面が低くなっているのが分かると思います。

これにより、

・ステップへの力の掛けやすさ

・膝の曲がりの低減

が図られ、ロングライドにおける疲労軽減に繋がります。

数値にして恐らく5mm程度のローダウンですが、実はこれがデカいんですよね。

 

そしていよいよ初乗り。

やはり想像通り、CROSS CUBとは乗り味が全然違います。

一番は“フロントフォーク締結方法の違い”による、フロントの剛性感の高さ。

直進時でもリーンしている状態でも、きちんと路面からのフィードバックがハンドルへと伝わってきます。

CROSS CUBではこれが若干希薄。やはりアンダーブラケットだけでフォークをクランプしていることによる、捻れが大きいのではと考えます。

 

そして自分が求めていたブレーキですが、やはり満足度大。

特別に効きが良いとか、コントロール性が抜群だ、とまで言うつもりはありません。

それでも握った分だけ効くし、どのような状況でも効き方が変化しにくい、というのは安心感が違います。

 

そしてエンジン。

数値的にはわずか15cc増なんですが、約14%の排気量アップとなれば違いは歴然。

まだ全然回してはいませんが、出だしのトルク感はさすが125(正しくは123ccですが)だと思わされます。

 

後日、150km程度のツーリングにいきましたが、やはり気になったのはポジションでしょうか。

ハンドル幅はCROSS CUBよりも広めで良かったんですが、ちょっと高すぎるかな…と。

もう少し低い方が手のひらでの押さえが効いて好みなんですよね。

 

いずれにしてももう少し走り込んでから考えたいと思います。

何はともあれ、「買って良かった!」としみじみ。

乗るのが楽しくなるバイクですね。

CT125との日々【序章】

すでにFacebook(今はMetaっていうのか…)に書き込んでいるので今更ではありますが、

『CROSS CUB110(くまモンVer.)』から『CT125』に乗り換えました。

 

12年くらい乗り倒したからそろそろ…と、Address V125GからCROSS CUBに乗り換えたのが4年ほど前。

その頃にはすでにちょっとしたムーブメントが来ていたので、半ば流行りに乗っかる感じでカブをチョイスしたんですが、なかなかどうしてこれが最高に楽しかったんです。

レース車も含めるとそれなり(かなり)の台数を乗り継いできた自分ですが、かなり衝撃的な出会いだったと言って過言ではありません。

 

「“遅い“。でもなんでこんなに”楽しい“んだろう!」

 

バイクは決して排気量が大きいからエライ、というものではない、という事は理解しています。

車の後ろについて30km/hで走っている時でさえ、感じられる“ココロの余裕”。

そして前にも後ろにも車のいない、信号もほとんどない貸切の田舎道を、50km/hで淡々と流す…そんな付き合い方にすっかり虜になってしまいました。

日常のアシとして、バイク弄りの素材として、ちょっとしたツーリングの相棒として、雨の日も雪の日も健気に走ってくれました。

 

CROSS CUBに乗り始めて半年ほど経った頃、モーターサイクルショーでニューモデル『CT125』が発表されました。

『CT110 ハンターカブ』というバイクがあり、そもそもCROSS CUBもそれをオマージュしたモデルだったんですよね。

それもあって、自分のバイクにも“アップマフラー”とか付けていたくらいですから。

なので、ルックス的には自分の『CROSS CUB110』には満足していました。多少排気量は少ないですが、パワー的にもまったく気にもなりませんでした。

 

ですが、ただ一つ。どうしても羨ましく思える装備がありました。

それが、

前後の“ディスクブレーキ”です。

前後“ドラムブレーキ”採用のCROSS CUBが、停まらないわけではありません。

とはいえコントロール性や操作性、安定性などにおいては、“ディスクブレーキ”のほうが優れているのも事実です。

 

周りの友人が次々と『CT125』を購入しているのを見ながら、それでもまだ平静を装っていたんですが、

リニューアルされた'23モデルとしてラインアップされた“シルバー”の車体色を見た瞬間にヤラれてしまいました…。

そしてDream店に予約して待つ事5ヶ月。

無事に入荷しました。

少し前まで「1年待ちはアタリマエ」という状況だったことを思えば、これでも早かったのだと思います。

 

納車日は残念ながら雨。

そういえば『CROSS CUB110』を納車した日も、途中から雨だったっけ…。

今回は思うところあって、車に積んで帰りました。

 

CROSS CUBで知ったカブの“愉しさ”を、安心・安全に末永く味わい続けるために。

これから『CT125』との日々が始まります。

CRM250R レストア日記 “シーズン2”【その4】

オーバーホールを終えて、リアショックが帰ってきました。

ロッドにごく僅かに見られた点サビも、研磨されてピッカピカ。

全ての部品がきっちりと洗浄されています。さすがの仕事ですね。

 

結果的に前後サスペンションともにしっかりお世話になってしまいました。

MONDO MOTOの市川さん、今回もありがとうございました。

折角ですので、リンクベアリング、各部シャフトを再度グリスアップ。

規定トルクできっちりと組み上げました。

近所を一回り乗ってみましたが、一切の不満も不安もない完璧な仕上がりです。

 

さて、ここから“ちゃんと乗るため”に、自分なりに手を入れていきましょう。

画像ですでにお分かりかと思いますが、すでに2つのパーツがついています。

まずはZETAの『フレームガード』。

ブーツを履いて乗ると、どうしても踝が当たるところに擦れが生じます。

アルミフレーム車の場合は少し黒ずむ程度で済みますが、鉄フレーム車では塗装が剥げてサビてしまう可能性があります。

最悪の場合はそこから穴が空いてしまうこともありますので、ここはやはりフレームは保護しておきたいところですね。

ちなみにこの部品、残念ながらメーカー廃盤となってしまいました。

まあ、30年前のバイクですしね…。

 

そして『ワイドステップ』。

これはノーブランドのアルミ製なんですが、本当はここまで見た目が“やる気”なステップを付けたくはなかったんですよね。

だって、あまりに時代考証が合わないじゃないですか。

本来は同じワイドステップでも“スチール製”にしたかったんですが、いかんせんお値段がちょっと…。

まあ機能部品ということで、無理やり納得。

 

ここからは直近の作業です。

CRM250R用として、まだmaier製の『スキッドプレート』が入手できました。

自分はアルミ製よりもこのような樹脂製のガードの方が好みです。

軽さもありますが、石などが当たった時の音が柔かいのがイイんですよね。

アルミ製だとどうしても甲高い響く音がするので、“精神的によろしくない”という個人的な理由だったり。

またハードなレースユースでなければ、樹脂のもつ“弾性変形”の特性のほうが自分の用途に合っている、と考える次第です。

 

しかし、取り付けには非常に悩まされました。

このクランプをフレームに被せてスキッドプレートを固定するんですが、何度やっても座標が合わない!

バイクを横倒しにして地べたに座り込んでじっくり作業していたんですが、どうしても位置が合ってくれません。

ウォーターポンプカバー部の膨らみと位置をあわせて、タイラップで仮止めしてみたんですが、

「これ、ホントにこのバイク用?」

どうみてもフィッティングが甘いような気がしてなりません。

今度改めてチャンバーを外して、もう一度チャレンジしたいと思います。

でも、そこまでして取り付けたとして、ミッションオイル交換のたびにチャンバー外すとか…。

イヤすぎます。

 

また、外して構わない部品は積極的に取り外します。

これは軽量化はもちろんですが、オリジナルの部品はなるべく壊したくないからですね。

まずは“チェーンカバー”は外すでしょう。

タンデムライドや振り分け式のツーリングバッグ取り付け時などは安全性のためにも付けておきたい部品ですが、整備製を考えると外してしまった方が良いと考えています。

見た目もスッキリして良いですしね。

 

そして、“タンデムベルト”も外してしまいましょう。

スタンディングでの前後移動の際に、腿の内側にベルトが当たるのはやはり違和感があるというもの。

見た目もスッキリして良いですしね。(二度目)

できればもう少しシートをフラットに加工したいところですが、ノーマルシートに加工するのはちょっと勇気が要りますね。

加工用のシート、安く手に入らないかなー。

 

まだまだ続きます。

(つづく)

CRM250R レストア日記 “シーズン2”【その3】

組立途中で挫折し、プロに託したフロントフォークが返ってきました。(ホントニ、スミマセンデシタ…)

ごく小さな点サビが見られたとのことで、きっちりインナーチューブの研磨までしていただき、もう感謝しかありません。

やっぱり最初からお任せするのが、結果的に安心というもの。

今回は中途半端な状態で投げてしまったことを深く反省した次第です。

 

そして、ここで小ネタ。

今回、こちらで事前に用意していたフォークオイルを使ってもらいました。

指定オイルの番手は“10番”ですが、基本的にタンデムしないので、もう少し動きのスムーズさを出すため片側だけ“5番”にしてみました。

この左右の番手違いって、別にNGではありません。ロードレースなどではセッティングの範疇で使用される手です。

これは“10番”と“5番”を規定量の半分ずつ混ぜることで、“7.5番相当”のオイルを作るのと狙いは同じこと。

確かにフォーク単体では左右で動き方に違いが出ますが、車体に組み付けてしまえばトップブリッジ・アンダーブラケット・アクスルシャフトの3点で左右が締結されるため、連動した動きとなります。

オフロードの場合、ジャンプやギャップにおけるフォークの伸縮はタイヤが受けた衝撃が伝わることで行われるため、基本的には同じタイミングで左右の動きが連動します。

 

ただ、唯一例外があって、それはブレーキング時。

アフリカツインなどのビッグオフを除いて、ほとんどのオフロードバイクのフロントブレーキは片側にしかついていません。

つまり、ブレーキを掛けた瞬間においては、制動力がキャリパーブラケットを通じてフォークに伝わることで“縮める方向で作動する”という現象が起こります。

これは減速Gでフォークが沈む前に一瞬だけ生じる動きであり、ごく厳密にいうとその瞬間だけはフォークの動きに左右でズレが生じることになるわけです。

 

今回フォークの返送時にいただいたメールには、

「ブレーキ側のフォークに“10番”入れてあるから」

という注記がありました。

つまりは、すこしでも動きの辻褄を合わせるために、先に沈み始めるフォークの方に硬いオイルを入れてくれたという次第。

こういうことをサラッと配慮してくれるあたりが、プロのプロたる所以だなぁ、と改めて感謝。

“MONDO MOTO”の市川さん、今回も素敵な仕事をありがとうございました。

 

さて、組んでいきましょう。

※ここからは完全に自己流です。

手順などは作業者それぞれの考え方ややり方があって良いと思います。

大切なのは“考えてから作業する”ことであって、個々人が納得できれば良いと考えています。

あくまでも“読み物”としてお楽しみいただければ幸いです。

フォークの突き出しは“ゼロ”指定なので、とりあえずこの位置。

ちなみに一般的に“突き出し”の数値はトップブリッジ上面から、“フォークトップキャップ”の下にある“アウターチューブ上端”までとなります。

とりあえず左右のフォークを“三又”に差し込み、突き出しを“ゼロ”に合わせたところでフォークが抜け落ちない程度に軽く三叉のピンチボルトを締めます。

その状態で、アクスルシャフトを差し込んで、手でスムーズに締め込めるかをチェック。

ここで工具を使わないとアクスルが締められないのであれば、シャフト穴の高さが左右で違っている、ということになります。

実際、今回スムーズに手で締められず、右フォークの突き出しをほんの少し増やしました。

どの位増やしたかというと、

このくらいです。

さっきの画像とアングルが違うので分かりにくいかもしれませんが、突き出し量は0.5mmもないと思います。

この現象、原因は“フロントフォークの自由長の違い”によるもの。

内部構造や部品精度、組み付け精度などの様々な原因により、伸び切り状態でもフォークトップからアクスルシャフト穴までの距離に個体差が生じている、ということですね。

今までの経験から言えば、レーサーよりもサスペンションに掛けられるコストが厳しい市販車ではそれほど珍しいことではないと思います。

大切なことは“突き出しの数値”ではなく、いかに左右のフォークがストレスなく伸縮するか?ということ。

実際、ここで勢いだけでアクスルシャフトを組んでしまうことで、フォークの伸縮に引っ掛かりを感じたり、オイルシールに余計な負荷がかかることで早期のオイル漏れに繋がることがあったりします。

 

フォークの左右位置が決まったので、三叉のピンチボルトを本締めしていきます。

締め付けトルクはこんな感じ。

“トップブリッジ”は3.2kg・m(単位、これで合ってるかな?)、“アンダーブラケット”(ここでは“ボトムブリッジ”)は2.7kg・mとなっています。

レース車のYZでは上下共に2.1kg・mであることを考えると、かなりのトルク値ですね。

個人的には“アンダーブラケット”側だけでももう少し締め付けトルクを減らして摺動抵抗を軽減したい気分ですが、まずは数値通りに。

 

特に理屈として説明できないのですが、自分はいつもアンダーブラケット側からピンチボルトを締めていきます。

ピンチボルトが2本の場合は、必ず上側から締め始めます。

これは車体の中心側から締めていくことで、歪みを外側へ逃していくようなイメージですね。

この部分は割り締めなので、片側を締め込むともう一方のトルクが弱まります。

なので、上→下→上→下…と少しずつ締めていくことで、規定トルクに近付けていきます。

重要なのは“一気に、勢いよく締めないこと”。

プリセット型のトルクレンチを使用しているので、規定トルクに達して「カチッ」と力が逃げた瞬間に締め付けを止めないと、さらに締まってしまいます。

 

同じ理屈で、“トップブリッジ”は下側のピンチボルトから。

ウインカーステーが共締めとなるため、ディープソケットを使用します。

 

CRMは左フォークのアクスルブラケットに直接ネジが切られているため、アクスルシャフトをフロントホイールに通したら、まずは規定トルクで締め付けてしまいます。

その後、フロントアクスルホルダの上側ナットを規定トルクで締めてから、下側を締めていきます。

これは上→下→上→下…と順番に締めていくのではなく、右フォークのブラケットとアクスルホルダの上側の面を固定してから、下側は割り締めとしてアクスルシャフトをホールドするため。

 

最後にブレーキキャリパー。

キャリパーボルトを差し込んだ状態ではキャリパー本体にガタがありますので、ブレーキをかけた時にキャリパーが引き込まれる方向(上方向)にキャリパーを押さえて位置を決め、

規定トルクで締め付けます。

やっとフロント周りが組み上がりました!

 

陽気に誘われて、CRMの軽やかな走りを40kmほど堪能。やっぱり速いなー、コイツ。

 

なんとなくしゃがみ込んでリアショックを覗き込んだところ…

うわ、マジか…>_<

前の次は後ろってことですか、そうですか。

まあ、なんとなく予想はしてましたけどね…。

 

帰宅するやいなや、ちゃっちゃとリアショックを取り外し。

この程度のバラしでショックボディが引き抜けるんだから、設計者に感謝しかありません。

はい、間違いなくオイルシールが抜けてますね。合掌。

もう今回は一切の躊躇もなく、主治医の元へ…。

市川さん、よろしくお願いしまーす。

 

(つづく)