内田輪店

モーターサイクル、特にオフロードバイクが大好物です。 趣味と物欲にまみれた日々を、若干反省しながら綴っていきます。(苦笑)

空気圧・温度モニター『Airmoni Bike』

「AfricaTwinが手元に来たら装着しておきたい!」と考えていたパーツが、これ。

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『AirmoniBike』(エアモニバイク。以下エアモニ)です。
このパーツは、『TPMS(Tire Pressure Monitoring System)』。リアルタイムでタイヤの空気圧と温度をワイヤレスでモニターしてくれる装置です。

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パーツ構成は、本体である『レシーバー』と、前後タイヤのエアバルブに装着する『センサー』。他に2種類のマウント台座がセットとなっています。
今回の『アフリカくん』(注:我が家では、カミさんと息子がそう呼んでます)は、オフロード性能を十分に活かすために『タイヤチューブ』を採用しており、スローパンクチャーや低圧のまま走行することでのリム打ちパンクの危険性などを事前に察知するために、エアモニは是非とも装着したかったんです。

さっそく取り付けてみましょう。
元々の出自から、現代のダカールラリー参戦車にインスパイアされた『こだわり』の一つが、この『2階建て構造のメーターパネル』。視線移動をなるべく少なくし、必要な情報を読み取りやすく…というコンセプトでデザインされたインパネ周りにあわせて、エアモニのレシーバーもその近くに配することで「コックピット感」を演出しようと考えました。

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なので、取り付けは「両面テープ」マウントを使用しました。
メーターパネル左右に少し平らな部分があるので、そこにマウントを貼り付けました。台座部が少しだけはみ出していますが、特に接着強度が問題になるほどではありません。

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おお、カッコいい!(自画自賛

取り付け時に一つ気になったのが、「本体のネジ穴深さに対し、マウントのネジが長すぎる」ということ。
レシーバー本体をマウントにねじ込んでいくと、すぐに奥まで入って底付きしてしまいます。それをプラスチック製のロックナットで固定することで装着角度を調整するのですが、本体に比べてロックナットの径が小さいことから締付トルクが掛けにくく、レシーバー本体を回すとあっさり共回りしてしまいます。
悩んだ末に、マウントのネジ基部にスペーサーを噛ませることで、本体へのネジのかかり量を調整してみました。とはいえ、ロックナットへのトルク不足が解消されたわけではなく、何度かスペーサーの厚みを調節して、奥まで本体をねじ込んだ時にちょうどいい位置で止まってくれるように調整しているだけです。これについては、何らかの改善が必要かなぁ。

アフリカくんの標準空気圧は、フロント2.0Bar・リヤ2.5Bar(一人乗り時)/2.8Bar(二人乗り時)。
なので、エアモニの高圧側のアラートをF2.5・R3.5、低圧側をF1.2・R1.8としました。

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前後タイヤのエアバルブに装着するセンサは、内側の突起がバルブコアを押し下げることで空気圧を測定しています。
そのため、ねじ込みをゆっくり行っていると、突起がバルブコアに触れ始めてから奥まで締め込むまでの間、空気が漏れている状態が続いてしまいます。測定したところでは、0.1Barも変わらない程度の抜け具合ではありましたが、いずれにしてもセンサ取り付けはスムーズかつ迅速に行った方が良さそうです。

取り付けを終え、いよいよ実走してみます。

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電源を入れてまず感じたのが、このカラー液晶画面の美しさ!
ボタンを押してしばらくはバックライトが点灯していることもあり、メーターパネルとお揃いであるブルーのバックに文字情報が浮かび上がる様はとてもきれいです。なお、バックライトが消灯した後も、数値の読み取りに特に不満はありませんでした。


実際にエアモニを使用して、測定値から読み取れたことは下記2点です。

1.冷間時と温間時における内圧の高まり度合い
ここまで数値として、はっきり差を知ることができたのは初めてのことでした。
高速道路走行時で、最高F0.2Bar・R0.3Barも空気圧が上昇している、という事実は、なかなかに衝撃的でした。最初、Rの高圧側を3.0Barに設定していたのですが、あっさりと警告アラートがなり始めてビックリ。慌てて3.5Barに変更したほどです。
これにより、走行直後に空気圧を測定した場合、冷間時における標準値に合わせることは、あまり意味のないことが分かります。温間時は内圧が高まるということは理屈として知っていましたが、まさかこれほどの違いがあるとは思っていませんでした。新鮮な驚きです。

2.前後タイヤの温度と外気温の違い
こういう言い方が適しているかはわかりませんが、「転がっているだけの前輪」と「仕事している後輪」とでは、タイヤの温まり方が大きく違うことがわかりました。特に、ツインエンジンだからでしょうか、明確なトルク変動を与えられる後輪は、かなり激しく揉まれているのだ、ということがわかります。
アフリカくんのメーターパネルには、FIの吸気温度センサーの情報から外気温が表示されます。その数値とエアモニが測定した前後タイヤの温度の違いは非常に興味深く、これほどまでに後輪が発熱しているのだということがわかります。
その一方で、前輪の温度はメーター表示の外気温より概して2度ほど低めに表示されていました。とはいえ、これは前輪に走行風が当たって冷やされているのではなく、吸気温度センサーがエンジンなどの影響を受けて、メーターの表示が高めに出ている、という解釈が正しいと考えます。
タイヤは転がっているだけでも路面との摩擦を生じますので、外気温より冷えるというのはありえないと思われます。もしそんなことがあるとすれば、スリップダウンの確率が大きく増えることに繋がってしまうでしょう。
結果、前輪が温まっているかどうかの目安は、内圧の高まり具合で判断するのが正しいと思われます。


エアモニは、日頃からタイヤのコンディションに気を配ることの大切さを、ライダーに教えてくれます。
適切な空気圧はタイヤの性能を十分に発揮することに繋がるのは間違いなく、その逆に空気圧が不足することはあらゆるトラブルの原因となりかねません。
また、チューブタイヤであるかどうかを問わず、出先でのパンク修理は避けたいもの。ロングツーリングを楽しむ自分は、特に気をつけるべきポイントだと考えています。
バイクはバランスの乗り物ですし、その中でも重要なタイヤといえども路面に接する面積はほんのわずかです。そのタイヤに気を配ることは、まさに「転ばぬ先の杖」とも言えるでしょう。

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こんな小さなパーツですが、いろいろな発見がありますね。
個人的に、ちょっとオススメです。