すみません、超久しぶりのブログ更新です…
最近はあまり検証系のネタが無かったので、Facebookへの投稿ばかりでした。(反省)
もう少しきちんと使い分けをしていこうと思います。
さて、FBではすでに何度も登場しているのですが、
一年ちょっと前からエンデューロ用のレース車が『KLX230R』になりました。
それまで乗っていたYZ250FX('22)に対する不満は特に無かったのですが、やはり
「どうしてもこのバイクに乗りたい!」
という思いが抑えられませんでした。
というのも、元々'20モデルのKLX230Rに乗っていたんですが、車を買い替える際に手放してしまったんですよね…無念。
セローやXRに限らず、昔からこの手の空冷シングルエンジンは大好物。
特に海外生産とは言え、KLXのエンジンはFIとの組み合わせを前提とした新設計!
まさか令和の時代に“空冷2バルブ”のニューエンジンが登場するなんて、思っても見ませんでした。
そして結果的にYZから入れ替える形で“ガチのレース車”としてKLXを再度入手。
ライダーフレンドリーなパワーデリバリーとコンパクトな車体を活かし、昨シーズンはレースをとても楽しく走ることができました。
気持ちよく走れている時は結果もついてくるもので…
2レースしか出られなかったんですが、それがたまたまビシッとハマりまして。
まあこんなご褒美もあるもんです。
閑話休題。
さて、我が家のバイクには必ず何かしら装着してある、NGC-JAPANの『アーシングヘルパー&スムースドライブシステム』。
昔から“除電ボルト”とか“アーシング”などと呼ばれておりますが、要は“静電気対策”のアイテムです。
この手のパーツ、昔は理論や理屈が正しく理解されていなかったため、“眉唾的”な“オカルトパーツ”という扱いだったんですが、さらに悪いことに「どうせ理屈がわかっていないんだから、何となくそれっぽく作って売っちゃえ」的な粗悪品が出回るなどで、ますます
怪しさ満点のカオスなカテゴリーに。
かくいう自分も懐疑的だったんですが、数年前に昔からの知人が開発したパーツを試してビックリ。確かに違いが感じられたんですよね。その方、元“ヨシ○ラ”の職人さんですので疑う余地もありません。
それ以来、ずっと愛用し続けている次第です。
以前の230Rにもいくつか装着しており、始動性の向上などが顕著に見られました。
そこで今回は“インシュレーターバンドボルト”と“アーシングヘルパーキット”をセットで投入!
取り付けはカンタン。
WEBサイトにも写真入りで丁寧に解説されています。
注:当方車両は既にいろいろと部品の交換・取り外しがなされているため、ノーマルの車両とは一部異なります。
まずは“インシュレーターバンドボルト”から。(下側がノーマル)


左:Before 、右:After
次にクランクケース側のボルトを“アーシングボルト”に入れ替え、キット付属の“アーシングケーブル”を固定します。(右側がノーマル)


左:Before 、右:After
今度はシリンダーヘッド。こちらはタペットカバーのボルトを入れ替え、こちらにも“アーシングケーブル”を固定します。(右側がノーマル)


左:Before 、右:After
最後にバッテリーのターミナルボルトを入れ替え、“−(マイナス)側”の銅ワッシャーの下側に“アーシングケーブル”を固定します。(上側がノーマル)


左:Before 、右:After
以上で完成です。
さて、走ってみて変化が体感できるのでしょうか。
早速走ってきました。
レース形式の走行会なので、90分走りっぱなしです。
まず走り始めてしばらく、どうにも違和感を感じます。
「うわ、乗り辛ぇ…なんで?」
1周走ってようやく理由がわかりました。
「アイドリングの回転が高い」
のです。
この日はコールドスタートだったので、ファストアイドル(オートチョーク)が効いてるから高いのかと思っていたんですが、それなりに走ってすでにエンジンは十分暖まったはずなのにアイドリングは高いまま。
恐らくこれもアーシングキットの効果の一つで、エンジンに帯電する静電気が除電されることでフリクションが減り、結果としてアイドリングが上がったためと考えられます。
そしてもう一つ。
「スロットル低開度域でのトルクが太い」
と感じられました。
アイドリングが高いことから、ウッズでの半クラッチの多用を避けるため、3速ではなく2速でスロットルだけで加減速するように走り方を変えたんですが、極低開度にもかかわらずバイクが押し出されるように進みます。
ちょっとラフに操作するとプッシュアンダーを誘発するほどのトルクフルな力強さは、今まで感じたことが無いものでした。
いずれにしても、この特性との付き合い方がわかるまでバイクと格闘してしまい、少々不完全燃焼な走行会でした。
ですが、勘違いしてはいけないのは、あくまでもこれはキットのデメリットではないということ。レース車にいきなりぶっつけ本番で投入した自分が悪いのです。
ノーマルで19psほどの決してパワフルではないバイクとは言え、自分のKLXはあくまでレース仕様車。エンジンの特性が変わったのであれば、各部のリセッティングが必要になるのは当然のことです。
今回の二つの現象は、共に
「エンジン各部のフリクション低減」
によるものと考えられます。
これはレース車にとって、特にアンダーパワーなKLXにとってはメリットでしかありません。
つまりはメリットを活かせるセッティングに変えれば良いということです。
「アイドリング回転の高さ」については、ちょうど『ちゃねスポーツ』さんから“手動アイドル調整ネジ”の入荷連絡をいただきました。
アイドル調整機構のないKLXですが、自分はもっとアイドリング回転数を下げたいと考えており、そのために以前より注文しておいたのです。このパーツがあれば、思い通りにアイドルを下げることができます。
そして「トルクの増大」については、乗り方をアジャストした上でファイナルの見直しも検討します。
デッドスローでのエンストの心配を忘れるほどに、スロットル操作だけで低開度域がコントロールできるのであれば、ファイナルをもう少しロングに振ることもできるはず。そうすることで「トップスピードの上昇」と「燃費の向上」に繋がると考えられます。
いずれにしても、戦闘力アップの武器となるのは間違いのないところですね。
そして、これは先日発売開始となった、シェルパやW230なども含めた『KLX230ファミリー』にとっても大きなメリットになると考えます。
むしろフリクション低減によるトルクアップは、市街地における効率的な加速を生み出し、燃費向上による航続距離の拡大など、公道市販車のほうが分かりやすくメリットを享受することになるかもしれません。
今回装着した“アーシングヘルパーセット”と“インシュレーターバンドボルト”で約10,000円弱。その効果は半永久的に持続する、というからおトク感もあるかと思います。
またこの手の製品の大きなメリットとして
「デメリットがほぼ無い」
というところはかなり大きいかと。
チューニングパーツと呼ばれるものは多少なりともデメリットがあるものが存在します。もちろんそれを上回るメリットが得られるから販売されているわけなんですが、モノによっては割り切った使い方を強いられることもあります。
その点において、このパーツは効果の感じ方の大小こそあれ、“改悪”となるようなデメリットはほぼ無いと言って差し支えはないと思います。
自分もいろいろな車種で試していますが、少なくとも必ず何らかの変化は体感できています。なので、乗り手の感性が試される、というほど難しいパーツでは無いと思います。
現代の“オカルトチューン”、なかなかに面白いですよ。
騙されたと思って、ぜひ一度お試しあれ。