自分にとって“5台目”のアフリカツインである『CRF1100L ADVENTURE SPORTS』。
ソロはもちろん、息子とのタンデムツーリングでも大活躍の一台です。
その息子が先日二輪免許を取得したことで、もうタンデムでフルパニア過積載などという荒業から解放されたわけです。
だからというわけではありませんが、昨年の夏頃からずっと考えていたことがありました。
「どうしても今、あのバイクに乗りたい…」
きっかけは、年々厳しさを増す“排ガス規制”の影響により、この先“空冷四気筒”のバイクは作れなくなるらしい、ということ。
未来の技術革新などによって“絶対に”出てこない、ということが結論づけられたわけではないのでしょうが、いろいろと難しい問題が山積するであろうことは想像に難くありません。
そして、悩み抜いた挙句、昨年末に乗り換えてしまいました。
それがこのバイク。
『HONDA CB1100RS』です。
名車『CB1300 SUPER FOUR』のクランクケースを用いて、腰上を空冷ユニットとして再構築された“空冷四気筒”のロードバイクです。
実はこのバイク、2017年にラインアップに加わったモデルなのですが、その当時にカタログを眺めながら既にヤラれていた自分。
これは2021年に販売された『FINAL EDITION』で、良い出会いがあり愛媛県から自分の元にやってきました。
ロードバイク自体、乗るのが16年ぶりということで、最初は試行錯誤の連続。コーナーをまともに曲がることもできませんでした。それでもコンパクトで足つきの良い車体は、足に少しばかり障害を抱える自分にとってはとてもフレンドリー。
1100ccにして90馬力という敢えてパワーを追わないエンジンと、二本出しのサイレンサーが奏でるどこかバラツキのある味わい深い排気音は、自分の求める“癒し”をもたらしてくれます。
ビッグオフが嫌いになったわけではありません。
ましてや、アフリカツインに飽きたわけでもありません。
XRVの系譜を引き継ぐ形で、2016年、新たにCRFとして歴史を刻み始めた“アフリカツイン”。1100ccまでスープアップされた今では、すでに三代目へと進化を遂げました。
これが意味するものは一つ。
「この先、乗りたくなったらいつでもアフリカツインを選ぶことができる」
ということに他なりません。
XRVのアフリカツインを愛したライダーが、「次に乗るべきバイクがない…」と嘆いていた時期もありましたが、今は「新しいアフリカツインがあるじゃないか」という希望に満ちた選択肢が用意されたわけです。
だから自分も安心して「今、乗りたいバイクに乗っておこう」という考えに至った次第です。
アフリカツインを“卒業”したのではなく、ちょっと“おやすみ”することになりましたが、それでも自分の中で“アフリカツイン”というバイクが特別な想いをもつことに変わりはありません。
それでも今はこのバイクとの対話が楽しくて仕方がありません。ゆっくりと付き合って行こうと思います。