先日、久しぶりに林道なぞに行ってきました。
ノーマルのトレールタイヤを指定空気圧のままで走っていたので、もちろん無理な走りはしていませんが、この時代においてはパワフルなエンジンと軽い車体の組み合わせは最高に楽しかったです。
で、タイヤはともかくとして、やはり気になったのが“ファイナル”。
もちろん現時点で前後ともにノーマルスプロケットでは、タイトなつづら折れみたいなところではローギアに加えて半クラッチも多用せねばならず、そうなるとどうしてもギクシャクしてしまうことも。
いずれにしても、もう少し高いギアを常用したい自分としては、
やはりリアスプロケットを交換するしか。
※ここからの作業手順は、あくまでも『自己流』です。読み物としてお楽しみください。^o^
リアスプロケの交換に際し、自分はリアホイールを外す前に
スプロケの取り付けナットを先に緩めておきます。
理由としては、
①ローギアに入れておくことで、工具に力が掛けやすい
②スプロケの歯が露出していないので、手がケガをしにくい
からです。
特に①については、ロック剤が塗布されているものも多いため、しっかり工具を奥まで掛けてあげることが大事。
レンチを斜めに掛けてナットが舐めてしまっては、後が大変です。
ここではあくまでも緩めるだけ。
次にドライブチェーンのクリップを外して分割してから、
ホイールを外します。
この時にアクスルシャフトを抜いても、スイングアーム内側でホイールカラーがサポートされているのでホイールが脱落しないお利口さん。
ここでナットを緩めて、スプロケボルトを抜きます。
この時代のヤマハのトレールは、スプロケボルトが平皿のもの。
ですが、今回交換するDRCのスプロケットは、レーサーと同じくテーパーキャップボルトを使用します。
で、なぜか家にストックがあるという…“備えあれば憂い無し”。(持ってる事自体、忘れてたけど)
平皿のスプロケボルトも、今更ながらちょっと懐かしいです。
ノーマルの“44T”に対して、今回は“49T”を用意しました。
5Tも上げれば、随分とフィーリングも変わるでしょう。
早速組み付けていきます。
今回用意したDRCのスプロケットナットはセルフロックタイプではあるのですが、
一応保険として“ロック剤”を塗布。
この時、ボルトの先端ではなく、ホイールハブぎりぎりのところに一滴だけ垂らすようにしています。
これは、端部に塗布すると、ナット締め込み時にボルト全体にロック剤が行き渡ってしまうから。
緩み留めの効果からすると、ボルトとナットの接点にはロック剤が満遍なく行き渡っている方が強固なんですが、逆に次回外す時に苦労することになるかと。
そもそもはセルフロックナットなので緩み留めの機能は備えているのですが、このロック剤はあくまでも“保険”なので過剰に効いてほしくはないんですよね。
“自己流”なので、これが正解かどうかは分かりませんが、自分なりに考えた結果です。
同様に6本全てを仮締結してから、スイングアームに組み戻します。
さすがに“5T”も増やしたので、ノーマルチェーンでは長さが足りません。
で、なぜか家にストックがあるという…。
ノンシールのスプリントチェーンなので、恐らくはKTMか何かのエンデューロレーサーに装着されていた“規制適合用”のものだと思われます。
シールチェーンに比べたらライフは短いんですが、個人的にはスプリントチェーンの軽い乗り味と整備性の良さは結構好きだったりします。
モトクロスやってた頃はシールチェーンなんて使わずこれ一択。
ドロドロに汚れたら、外して洗油にドブ漬けしてガシガシとワイヤーブラシで洗えるのが超お気に入りでした。
初期伸びを考慮して、アクスルシャフトのスネイルカムの目盛りをなるべく小さいほうにセット。
古いチェーンにジョイントで繋いで、
下側のチェーンを引っ張って、交換したチェーンを送り込んであげれば、チェーンを汚さずに入れ替えができます。
少しばかり長かったみたいなので、
ちゅいーん
コンッ
完成!
(一般的にはタガネ…じゃなくて、チェーンカッターを使用しましょう)
このチェーンはカシメではなく、ジョイントクリップを使用します。
ご存知の方も多いと思いますが、これには表裏があります。
【左側:オモテ、右側:ウラ】
違いはエッジ部の角の取れ方。(光の具合でなんとなく分かるでしょうか)
クリップは製造時にプレスで打ち抜かれるので、その際に角が取れる側と残る側が出てきます。
このようにリンクジョイントのピン溝にクリップを嵌めるわけですが、この時に角が立っている方を外側にしたほうが、ピン頭に食い込む形になるのでより外れにくくなるんですね。
クリップとピンをラジペンで摘んで、出来上がりです。
最後に、忘れずにスプロケナットを本締めします。
この時に、スプロケボルト側で締めるのは避けるべきかと。
理由は、
①テーパーキャップボルト座面の面圧がボルトを締め込むことで高まり、工具に手応えが出るので締めたつもりになってしまう
②軽量化のためにボルトの六角軸穴が浅いものが多く、工具の掛かりが浅いためにあっさり舐めてしまう
…でなんとなくあってますかね?
なので、この時はソケットではなく、アーレンキーで押さえるだけにしています。
やはりテーパーキャップはナットを締め込むことでボルトを引き込み、座面当たりを均一に出してあげるのが良い、と思っている自分です。
これで完成。
ホイールを手で回した時のフリクションの無さがスバラシイです。
実はホッとしている点があって、
これほど大径化したのに、チェーンガードのスライダー部分にスプロケやチェーンが干渉しなかったこと。
ここ、XRだと歯数によっては干渉してしまうので、
このようにオフセットさせるパーツが出ていたりします。
TT250Rの場合、あと1,2Tは大きくできそうですが、最初からここまでの大径化を見越した設計になっていることに、本気でレースユースも見越していたんだなー、とちょっと感動。
近場を少し乗ってみましたが、やはりファイナルをショートにした効果は絶大。
スロットルに対するトラクションのレスポンスが非常にシャープになりました。
これは早くダートで乗ってみたい!
まだまだお楽しみはこれからですね。
(つづく)