古いベアリングを取り外したステムに、新品のベアリングを打ち込んでいきます。
ベアリング内側に薄くグリスを塗り付けて、ステムシャフトの上から嵌めてそっと降ろしていきます。
『カッコーン』…え?
まさかの一発で、奥まで入ってしまいました。ラッキー!
いやいや!そんなのアリエナイから!
ここはベアリングがステムシャフトに圧入されなければいけないはず。
だから、奥まで一発で入るなんてアリエナイ。
よく見てみると、ベアリングとステムシャフトの間に随分と隙間がある…。
ここまでガタついているということは、明らかに用意したベアリングの内径が大きかったということ。
今回は純正部品の内径26mmのテーパーローラーベアリングを用意していたんですが、、、
ってことは、このステムが『RM85L』のものじゃないってこと!?
純正のベアリングの内径は、上側が25mmで下が26mm。
ということは、ステムシャフトの上と下では径が異なるはず。
しかし、どうみてもストレートです。
何度もパーツリストを見ていると、ここで新たな疑問が出てきました。
「何故にピンチボルトが1本!?」
RM85Lのパーツリストでは、アンダーブラケットのピンチボルトは片側2本のはず。
そういえば、、、
「このフォークガードの形状、RM85Lのじゃない。。。」
でも、何か見覚えがあるような、、、と思い、あらゆるモトクロッサーのパーツリストを漁ってみると、
「たぶんこれ、YZ80LWのじゃね?」
まさかスズキのモトクロッサーなのに、ヤマハのバイクのフロント周りが付いていようとは、全く想像できませんでした。
さらに調べてみると、YZ80のステムシャフトに付くベアリングは、上下品番が一緒。
ということは、内径25mmでシャフトがストレート形状であることと辻褄が合います。
なんだこれー!?
恐らくこの事実は、自分に車体をくれたM山くんも知らなかったのでしょう。
元々が彼の所有物ではなく、自分のために探してきてくれたものですからね。
さて、どうしよう。。。
ステムシャフトをDR-Zに付いているものと打ち替えるという手もありますが、ここはあまりお金を掛けずにいきたいところ。
なので、先に抜いた古いベアリングの型番から、ネットで適合品を検索。
もちろん、YZ80の純正部品のベアリングを取り寄せるという手もあったんですが、見る限りではベアリング下側に付くダストシールがない模様。
そこで、いろいろと調べた結果、カワサキの純正部品にシール付きベアリングを発見。
実際にはシールの縁が高すぎて、リップを半分くらい切り落とすことになったのですが、まあそれもご愛嬌です。
今度は挿入時の抵抗感バッチリ!
バイク屋さんに借りた、叩き込むためのカラーをかませて、上から圧入していきます。
ふう、やっとインストール完了です。
そして、お次はこっち。
移植先となるDR-Z125Lのフロント周りをそっくり取り外し。
ここでも特殊工具の出番です。
ベアリングレースの縁にかませたら、上から叩き用の棒で打ち抜きます。
いやー、気持ちいー!チョー、気持ちいー!
しかし、下側は特殊工具であっさり抜けたものの、レースの縁がほとんど露出していない上側を抜き取るのに四苦八苦。
それだけで1時間近く格闘したのは、ここだけのハナシです。(汗)
抜いたら、お次は当然インストール。
ここで、特殊工具第3弾の登場!
こうやってベアリングレースにかませて打ち込んでいきます。
ようやくステム周りの装着完了です。ふう。
さぁ、ここまで来たから、一気に組んじゃいましょう!
…と言っても、なかなか一筋縄ではいかず。
ええ、ドリルで穴開け&拡大で対応することに。それが何か問題でも?
とりあえず付いた!
フロントフォークが倒立になっただけで、めちゃくちゃカッコ良くなったように思うのは自分だけじゃないはず!
異論は認めません。(きっぱり)
またがってみると、少しフロントが高すぎたようなので、フォークの突き出しを5mm→10mmに変更。
うん、とりあえずこんなところからセッティングしていこうかな。
形になってみると、俄然テンションが上がってきます!
まだまだ続きますよー。